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ご馳走さま

「ご馳走さま」


そう言って、雪那ちゃんはオムライスを食べ終わった。


「ママ、お菓子食べていい?」


「うん」


そう言うとお菓子を取り出して、食べ始める。

私は、食べ終わった食器を下げる。千秋を見つけなければ、二人を助ける事など出来ない。私は、食器を洗う。

この生活は、いったい何なの?


ブー、ブー、スマホのバイブ音が聞こえてお皿を洗う手を止めた。


【梶田】と書かれている。


「はい」


『葵ちゃん、まだ?』


「はい?」


『はい?じゃなくて、今日母乳くれる日でしょ?』


「はぁ?」


『はぁ?じゃないんだけど、毎月10日に母乳5袋もらう約束してるだろ?一袋2500円で買ってるだろ?何してんの?』


母乳を売ってる?意味がわからない。


「どうすればいいの?」


『何?記憶喪失?いつもの袋に入れてもってきてよ!葵ちゃんちの近くの公園で待ってるから』


「わかった」


電話が切れた。母乳を売っている!いつもの袋とは何?私が、うろうろしていると…。

雪那ちゃんが近づいてきた!


「梶兄ちゃんに持ってくの?」


「何を?」


「母乳でしょ?はい」


そう言って、袋を差し出された。搾乳器というのも渡された。


「知ってるの?」


「うん!後、5人ぐらいに渡してるでしょ?」


「ああ、そうだったね」


私は、そう言って笑って母乳を絞り出した。何をしてるの?私には、タナベアオイという人間像が全く浮かばない。


兎に角、こんな生活は嫌よ!千秋に会って、私の貯金通帳を渡してもらうのよ!そしたら、こんな気味の悪い事を続けなくていいもの。


「ママ、行くでしょ?」


母乳を絞り終わった私に、雪那ちゃんが話しかけてきた。


「うん」


恭介君を抱っこ紐で抱えて、私はビニール袋に母乳をいれた袋をいれる。雪那ちゃんと一緒に家を出る。

手を繋いで歩く!私を連れて行ってくれる。


「あー、梶兄ちゃん」


「雪那ちゃん」


「ママー、早く」


そう言われて行く。


「はい、これです」


「ありがとう、じゃあお金!これね」


「あの、何に使うんですか?」


「興味あるの?葵ちゃん、そんなの気にしなかったよね」


「あっ、何かすみません」


「いいの、いいの!ちゃんと来月も忘れないでね」


「はい」


その人は、保冷バックに母乳をつめて、雪那ちゃんの頭を撫でた。


「じゃあ、またね」


「バイバーイ」


「さようなら」


惨めな生活ではないか…。2500円で、母乳を売った。


「ママ、帰ろう」


「うん」


雪那ちゃんが、稼いだお金で生活をし、私は少ないながら母乳を売る。

何なのだ!こんな生活を私は、何故経験させられているの。

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