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お題シリーズ3

かつて好きだった人

作者: リィズ・ブランディシュカ



 私は今、かつて好きだった人と殺し合っている。


 好きだった人と殺し合いなんて、そんな事を聞いたらきっとほとんどの人は仰天しちゃうと思う。


 どうしてそうなったかって?


 それは、私の譲れないものと、彼の譲れないものが共存できなかったからかな。


 私、見た目は結構普通だけど、中身は結構普通じゃないの


 すんごく頑固。


 だから引いたりはしないよ。一度決めた所からは。


 世界を守る、皆を守る。


 いま、世界がちょっとした危機を迎えていて、魔王てきなものが活動しちゃってるからなんとかしなくちゃいけないの。


 だから私は救う。


 皆を、全てを。


 そう決めたから、妥協はしない。


 それに対して彼が柔軟であったら、また今の状態も違ったんだろうけれど。


 彼も頑固だった。


 大切な一人のを守る。絶対に守る。


 そう決めてるみたいだから。


 だから互いに譲れない。


 譲らない。


 殺し合ってでも、願いをなそうとすることになってしまう。


 昔は頑固な所もふくめて、好きだったんだけどね。


 今はもうそうじゃない。


 本気で互いの命をとりあっているから、その内に好きでもなんでもなくなっちゃった。


 かつては。


「貴方の事が好き。世界中の誰よりも」


「俺もお前の事が好きだ」


 って感じだったんだけど。


「私は生贄となって世界を守るんだからっ、邪魔しないでっ!」


「お前が守りたい皆の中になんで自分を入れてくれないんだ。俺はお前を生贄になんてしたくないっ、殺してでも止める!」


 いまここ。


 酷い有り様でしょ?


 色々とヤバい気がする。


 私が、一度死んでも生き返れる体質してるのが、状況の厄介さに拍車をかけちゃってる気がする。


 かつて彼を好きだった頃は、まさかこんな事になるとは思ってなかったな。



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