第九十七話 予想外の結末
「金森と正面から一騎討ちをするだって!? 何を言ってるんだよ、彼方! そんなの奴に近づく前に、あの水の円盤カッターで切り裂かれて、玉ねぎの輪切りみたいにされちまうだけだぞ!」
「そうよ、彼方くん! 危険な事は絶対にやめた方がいいわ! 私だってどんな傷でも完璧に元通りに戻せるって訳じゃないのよ」
俺の身を心配する水無月と香苗の2人が、同時に声をかけてきた。
まあ、もちろん100%安全な作戦でない事は理解しているさ。でも油断している金森の意表を突くには、この作戦しかないと俺は思っている。
「……大丈夫だ。2人とも俺を信じてくれ! 必ずあの金森の野郎を、やっつけてみせるからさ」
水無月と香苗は一度、お互いの目を見つめ合わせながら考え込む。そして俺の方を見つめてから、2人同時に渋々といった感じで首をゆっくりと縦に振ってくれた。
「分かった。……で、具体的にはどうするつもりなんだよ、彼方?」
俺は槍使いの勇者である水無月に、小さな声で耳打ちをして。金森を殴り倒すとっておきの作戦を伝えた。
俺から、作戦の内容を聞かされた水無月は――、
「まあ、確かに不可能な作戦ではないと思う。でも、装甲車の上に登るタイミングで攻撃されたら危険だぞ。……後、その作戦だともし失敗したら、彼方だけが危ない目に遭ってしまう可能性が高いけど、本当に大丈夫なのか?」
「そこは大丈夫さ。俺は今までに何度も危険な目には遭ってきたしな。コンビニの勇者は色んな商品を扱えるけれど、俺自身の基礎能力が低いから、どうしても水無月、お前の力が必要なんだよ……頼む!」
俺に深く頭を下げられた水無月は困惑しながらも、渋々俺の考えた作戦に協力してくれるという意思表示を顔で示してくれた。
それでもまだ心配そうに見つめている香苗には、俺はニコッと笑って安心させる事にする。
「香苗、大丈夫だよ! とりあえずこの状況を打破出来そうな方法を試してみるだけだからさ。出来るだけ怪我はしないようにするし、香苗に負担はかけないようにするから安心してくれ」
俺にすがるように頼み込まれた香苗は、
「しょうがないわね、分かったわ。でも、金森くんも私達と同じクラスメイトだから、本当はみんなが怪我をしないように、話し合いで解決出来たら1番いいのにね……」
香苗は自分の事を性奴隷にすると豪語するクソ野郎の金森の事でさえも、まだ心配しているようだった。
誰に対しても分け隔てなく優しいのは、香苗の良い所ではあるんだけど。でも世の中には、一定数の割合で醜悪なケダモノが存在している事は、ちゃんと理解しておいた方が良いと思うぞ……。
今回、香苗と合流出来たのは良かったかもしれないな。金森の悪の手が及ぶ前に救う事が出来た訳だし。
――まあ、色々考えていても仕方ない。まずは金森のクソ野郎を倒す作戦をすぐに実行する事にしよう!
俺と水無月はさっそく準備に取り掛かった。
まず、スマートウォッチを操作して上空に待機させていたドローンを1機……装甲車の近くにまで、こっそりと呼び寄せる。
さっき金森の円盤カッターで、俺のドローンは1機撃墜されてしまったからな。だから今度は、ここから少し距離のある場所で飛んでいた別の機体を、金森に気付かれないように慎重に呼び寄せる事にする。
「よし、まずは陽動でドローンのミサイルをもう一発、水道ホース野郎に食らわせてやるぞ!」
音を立てないように、ゆっくりと。上空から金森の近くに忍び寄るようにして呼び寄せたドローンから、俺は再び小型ミサイルを発射させた。
白く細い糸を引くようにして、ミサイルは猛スピードで金森のいる場所に向けて飛んでいく。
上空から、再び自分の体に接近してくるミサイルの存在に気付いた金森は――。
「チィーーッ! コンビニ野郎め、しつこいぞッ!」
自身の周りに浮かせている、複数の水の円盤カッターを操り。猛スピードで向かってくる小型ミサイルに向けて円盤を飛ばし、ミサイルが金森に衝突する前に空中で全て爆発させてしまった。
「よし、水無月――今だッ! 俺の体を思いっきり金森の野郎に向けて放り投げてくれ!!」
「分かった!! 行くぞーーーッ、彼方ーーッ!! 歯を食いしばれよッ!!」
ミサイル攻撃を水の円盤カッターで迎撃した金森が、一瞬だけこちらから目を逸らした、その僅かな隙に。俺と水無月は急いで装甲車の上に這い上がり。
『槍使い』の勇者である水無月に、俺の体をラグビーボールのように金森のいる場所に向けて、思いっきり放り投げて貰った。
20メートル先の場所に立つ金森のいる場所まで、俺に大ジャンプ出来るような超人的な能力は無い。
でも、硬い岩を槍で一撃で砕ける筋力のある水無月に、俺の体を投げつけて貰えば届く事が出来る。
水無月に投げられて、周囲に流れる水面ギリギリの高さで突き進む俺の狙いは――もちろん、大量の水を放水し続けている水道ホース野郎の金森だ。
「うおおおおぉぉーーッ!! 金森、てめええぇぇ!! 今、ぶっ倒してやるからなぁぁ!!」
雄叫びを上げながら、人間ミサイル状態と化した俺は真っ直ぐに金森に向けて突進していく。
まさか俺が装甲車の上から、猛スピードで飛ばされてくるとは思わずに、一瞬だけ虚をつかれる形になった金森。
だがすぐに飛んでくる俺の姿を冷静に見つめて、ニヤリと薄気味の悪い笑みを浮かべた。
「バーーカ! 真っ直ぐに空中を飛んで来るなんて、僕に攻撃をして下さいと頼んでいるようなものじゃないか! そんなものは、ただ狙いやすい格好の的になるだけだと分からないのか、このコンビニ馬鹿め!」
金森が自身の周りに浮かんでいる、水の円盤カッターを集め始める。
そしてそれらを一斉に、向かってくる俺の体に向けて放ってきた。
”――ヒュンヒュンヒュン!”
空気を切り裂くような風切り音を立てて、こちらに向かってくる水の円盤カッター。その数は全部でおおよそ、6枚くらいか。
金森の体に向けて、思いっきり投げつけてもらったミサイル状態の俺の体に、自動防衛機能のある水の円盤カッター達が次々と着弾する。
だが……その全てが、緑色の光を発する俺の『コンビニ店長専用服』の防御シールドによって弾かれた。
「なっ、何だと――ッ!?」
自慢の攻撃を全て弾かれた金森が一瞬、焦りの表情を浮かべる。
その間にも俺の体は、グングンと金森の立つ場所に向けて接近していき。もはやその距離は、僅か5メートル程の至近距離にまで迫っていた。
「く、クソッ!! これでも食らいやがれッ! このコンビニ野郎がぁぁーーッ!」
思考がパニックに陥っている金森は、慌てて水の円盤カッターを再び量産すると。それらをもう一度、俺の体に向けて放ってきた。
だが、甘いな……金森。そんな攻撃じゃ、俺の体には傷一つだってつけられないぜ。
俺のコンビニ店長服の耐久性は、まだ正確に分かってはいないけど。あの赤魔龍公爵の直接攻撃を、最大で3回は防ぐ事が出来た実績がある。
それに比べれば、ヘナチョコ金森の攻撃をほんの数回くらう程度なんて余裕だろう。
金森が飛ばしてくる水の円盤カッターの攻撃を、2回とも完全に防ぎきった俺は――。そのまま勢いに任せて、金森の体に一気に飛びかかった。
向こうは自分の得意攻撃が防がれて、完全に動揺している状態だ。
対する俺は金森に向かって飛んでいた時からずーっと、右手に力を込めて、野郎をぶん殴る体制を空中で万全に整えていたからな。
積年の恨みを込めた、最高クオリティーのパンチを繰り出してやろうと――俺は握りしめている拳に、血管がハチ切れるくらいの強い力を込める。
「オラァーーッ!! 金森ィーーッ!! これでも食らいやがれええぇぇッ!!」
全身全霊の力を込めた右ストレートパンチを、まともに金森の顔面にぶち込んでやった。
「ぐべぼぉゔおおおぉぉーーッ!?!?」
金森の細いヒョロヒョロな体は、5メートルくらい後方に勢いよく吹き飛ばされる。
飛んできた勢いもあったからな、俺の渾身の右ストレートパンチを食らった金森の前歯は、数本くらいへし折れたかもしれない。
後方に吹っ飛んだ金森は体を3回転くらいさせて、その場に倒れ込み。ピクピクと痙攣しながら動かなくなった。
流れ続けていた洪水も、金森が倒れた事でやっとその勢いは収まっていく。
俺は倒れている金森に駆け寄り、そのまま胸ぐらを掴み上げた。そして再度、強烈な追撃パンチを何度も何度も食らわせてやる。
「ぐべぼぉっ!? ぐぼらぁっぶへッ!? や、やめて下さいよ、彼方くん……! ほら、今までのは全部冗談だったんですよ〜! 全てあの、委員長に指示されてやっていただけなんですって! だから僕は、全然悪くなんてグボあぁぶぐへぇッッ!?!?」
全部、冗談だったって? ふざけるなよ! てめえのその冗談でどれだけの人が迷惑を被り、そして危険な目に遭わされたと思っていやがるんだ!
俺は渾身のパンチを、金森の意識が完全になくなるまで打ち込み続けた。
「ぐぎゃああああああぁぁ――ッッ!?」
最後にトドメのパンチを、金森のボディに思いっきり食らわせた所で。金森はとうとう意識を完全に失ったらしい。
そのまま地面に倒れたまま、全く動かなくなった。
「よし……これでやっと終わりだな」
俺は金森の意識が本当に無いのかを、もう一度確認してみる事にする。
体をゆすっても全然動く気配はない。だけど呼吸はまだちゃんとしている。意識は失っているけど、まだ死んではいないようだ。
もう、これで水の円盤カッターによる攻撃を受ける心配は無いだろう。俺はコンビニのみんなの様子はどうなったのだろうと、慌ててスマートウォッチを確認してみる。
するとスマートウォッチの画面には、未読のメールが何件も届いていた事に気付いた。
「……え、何だって!? 緑魔龍公爵とみんなが、既に戦闘状態に入ってるだって!? そんな、急いでコンビニに戻らないと大変な事になるぞ!」
クソッ……! 金森のヘナチョコ野郎なんかに構ってる時間は無かった。俺はその未読メールが、どれくらい前に届いていたのかを知って更に愕然とする。
「お、おい……! もう30分も前にこのメールは届いていたっていうのかよ。じゃあ、みんなは今頃どうなったんだ?」
慌てて俺は、装甲車の方に向かって走り出した。
すぐに装甲車に飛び乗り、水無月も香苗も連れてみんなでコンビニのある場所にまで戻らないと。
レイチェルさんがいてくれるから、コンビニチームが全滅をしている……って事は無いと思いたい。
だけど、みんなの事が心配だ。すぐにでもコンビニに戻って安否を確認しないと。
「彼方ーーッ!! 後ろだッ! 危ないぞーーッ!!」
「えっ……!?」
装甲車の上に立っていた水無月が、槍を構えて大きな声で俺に向けて叫んでくる。
それが何なのかが分からずに、とりあえず俺は後ろをいったん振り返ってみると。
完全に気を失っていると思っていた金森が……。まさか再びその場で起き上がって、真っ赤に充血した目で俺を鋭く睨みつけていた。
「金森ッ! お前、まだ意識があったのかよ……!?」
俺は声を上げて、後ろの金森を再び警戒する。
そうか、金森も異世界の勇者だった。身体能力値の低い俺と違って、『水妖術師』である金森の体力は一般人よりも遥かに高くなっていたのかもしれない。
金森の頭上には、水の円盤カッターが再び量産されている。そしてそのまま、すぐにこちらに向けて攻撃体制に入ろうとしていた。
その光景を見た俺が、とっさに身を屈めて防御体制を取ろうとするよりも先に――。
後方から凄まじい速度で、地面を高速移動してきた水無月が槍を振り下ろし。あっという間に金森の右手を切り落としていた。
「ぐきゃあああああああッ――――ッ!!」
水無月の槍によって右手を切り落とされた金森が、そのあまりの痛みに悶絶して倒れ込む。
だが、そんな金森の様子を気にすることもなく。
水無月は容赦なく足で金森の腹を蹴飛ばして、地面に転がすと。そのまま首元に鋭い槍先を突きつけて、完全にマウントポジションを取ってみせた。
先程まで金森の流す洪水によって、『槍使い』の勇者としての機動力が封印されていた水無月だったが……。
その洪水がなくなり。足場が回復した事で、本来の高速移動が出来るようになっていたようだ。
「彼方、金森は俺が見張っておくから、お前は装甲車をすぐに運転してくれ!」
「……ああ、すまない。本当に助かったよ、水無月!」
俺は金森の見張りを水無月に任せて、急いで装甲車の中は入ろうとする。
装甲車の上には既に香苗が立っていて。手を振って、俺を待ってくれていた。
装甲車の上のハッチを開けて。俺と香苗がまさに、車内に入ろうとした、その時――。
『『うおおおおおおおおおおーーーっ!!』』
大地を揺るがすような騎士達の掛け声が、森の中のあちこちから突然湧き起こり始めた。
「何だ、何だ……!? 一体何が起きたんだ?」
広大な森の中にいた世界各国の騎士達が、それぞれが手に持つ武器を空に向けてかざしながら、『えいえい、おーーッ!!』と、勝利の掛け声を何度も繰り返している。
装甲車の上から、周囲の様子をキョロキョロと見回していた俺に、周辺で起きていた『ある変化』に気付いた香苗が声をかけてきた。
「ねえ、彼方くん。見て! 緑色のゾンビ達がいつの間にかに、全部消えているみたい!」
「えっ、本当だ!? ゾンビ達が周囲から完全にいなくなっているな……!」
金森が流していた洪水が止まったのだから、本当は周囲の地面から再びゾンビ達が湧き出してきてもおかしくはない。
なのに装甲車の周辺からは、全くと言っていいほどゾンビ達が出現しなくなっていた。
「これは、もしかして……魔王軍の緑魔龍公爵が誰かに倒されて『死んだ』という事になるのか?」
森の中のあちこちで、騎士達が勝どきの大声を上げている。
――という事は、ゾンビ達が消滅したのはこの辺一帯だけの事ではないのだろう。おそらく、緑色のゾンビ達は完全にこの森の中から消え去ってしまったんだ。
でももし、緑魔龍公爵が本当に倒されたのだとしたら。一体、誰が敵を倒してくれたんだ?
もしかして、レイチェルさんだろうか? どちらにしても早くコンビニに戻って、みんなの安否を確かめないと!
俺は装甲車に香苗と一緒に乗りこみ。そのまま装甲車の運転をして、水無月のいる場所に向かった。
幸い巨大カエル達の攻撃を相当受けた装甲車だったが、運転をする事自体は問題無さそうだ。
「――水無月、大丈夫か?」
装甲車の上からハッチを開けて外に顔を出し、俺は水無月に大声で呼びかける。
水無月は片手を失っている金森の体を容赦なく踏みつけると。そのまま身動きが取れないようにして、金森の首元にピッタリと槍先を押し付けていた。
「ああ……彼方。俺は何とか大丈夫だ。ところでこの様子だと、どうやら魔王軍の4魔龍公爵は誰かに倒されてしまったみたいだな。『剣術使い』の雪咲とかが戦場にやって来て、緑魔龍公爵を倒してくれたのかな?」
「さあ、それはどうなんだろう? 俺もまだよく分かっていないんだ。それを確かめる為にも、早くコンビニに戻ってみんなと合流をしよう!」
「コンビニにみんながいるって、それはどういう事なんだ?」
ああ、そうだった。水無月にはまだ今までの経緯や、俺のコンビニに今……クラスのみんなが集まっている事を説明してなかったな。
俺は取り敢えず、簡単に水無月にその事を伝えようとして、装甲車の上から地面に降りようとする。
その、瞬間だった――。
”ドゴーーーーーーン!!”
”ドゴーーーーーーン!!”
それは、あまりにも突然に起きた。
俺達が立っている、広大な森林地帯の中に。突如として無数の爆発音と、強烈な爆風と閃光が連続で鳴り響く。
「何だ、コレは……!?」
周囲を見渡せば、先ほどまでゾンビ達が消滅した事を喜び。勝利の掛け声を上げていた騎士達が、次々と大きな爆発によって体を粉々に砕かれ、吹き飛ばされていた。
1つの大きな爆音が近くで鳴り響くたびに、10人単位の騎士達が一斉に爆風で吹き飛ばされて、細かな肉片となり周囲に飛び散っていっていく。
もの凄い威力を伴った大きな爆発は、この旧ミランダ領の森林地帯全体でほぼ同時に起こっているようだ。
「――み、水無月! 早く装甲車の中に入るんだ!」
俺は慌てて、外にいる水無月に呼びかけた。
この連続する爆発に巻き込まれてしまったら、きっと生身の人間の体はひとたまりもない。装甲車の中に早く、水無月を避難させないと!
俺は装甲車の上から、手を伸ばすようにして水無月に声をかける。
だが、水無月は……。一瞬だけ、槍を突きつけている金森を救うべきか迷ってしまったらしい。
その一瞬の判断がつかないまま、その場で立ち尽くしていた水無月は、最悪の結末を迎えてしまう事になった。
”ドゴーーーーーーーーン!!!”
装甲車のすぐ前で――。ちょうど巨大な爆発による轟音と爆風が轟き。巻き上がった土煙によって、水無月と金森の2人の姿は完全に見えなくなってしまう。
「水無月ーーーッ!!」
装甲車の前に立ち込めていた、土煙が次第に収まっていくと、そこには――。
地面に横たわっていた金森の姿は、跡形も無く消え去ってしまっていた。
そして倒れている金森の体に槍を突きつけて、すぐそばに立っていたはずの水無月の体は……。
その下半身の部分だけが、かろうじて地面の上に取り残されている。
先程まで水無月の体の構成していた上半身部分は、爆発の衝撃によって跡形もなく消え失せてしまっていた。
「そ、そんな……!? 水無月……!」
「彼方くん、水無月くんはどうしたの?」
車内に身を潜めていた香苗が、ハッチから顔を出して周囲の様子を伺おうとする。
そして、水無月の体の半分だったモノを地面の上に見つけて、香苗は大声で絶叫した。
「きゃああああああああああーーーッ!!」
香苗の悲痛な叫び声に目を覚まされるようにして、俺は冷静に周囲の様子を観察してみた。
ゾンビ達と騎士達が先程まで戦っていた森の中は、もはや完全なる『地獄』と化している。
次々と爆発を繰り返す謎の攻撃によって、全く無抵抗な騎士達が、無惨にもあちこちで体を吹き飛ばされていた。
その場で呆然とする俺の目には、遠い地平線の彼方に。無数の『黒い戦車』が大量の土煙を巻き上げながら森の中に向けて、一斉に突撃してきている光景が見えていた。




