第四百六十話 女神からの試練③
「何でここにザリルや区長さんや、壁外区のみんながいるんだ!? しかも全員どうして鎖で縛られて、地底に吊るされてなんかいるんだよ……!」
俺が立っている、半径5メートルほどの円形の地表部分を残して周囲の石の床は全て崩れ落ち。地下50メートルくらい距離がある真下の地底には、灼熱の真っ赤な溶岩の川が大量に流れていた。
そんな恐ろしい場所に……俺が鎖を握りしめながら、かろうじて重みを支えている朝霧とは反対方向に。
約100人近い壁外区の住人達が、同じように鎖で吊るされて溶岩の川の上に吊り下げられている。
「ザリルーーッ! 俺の声が聞こえるかーー! どうしてお前がそこにいるんだよ!?」
遠くで鎖で繋がれているザリルに向かって、俺は大声で呼びかけてみる。
『旦那ーーッ!! それが、オレ達も全く訳が分からないんです! 気付いたら、いつの間にかにこんな所にいて。真下には溶岩の川が流れていやがるし、まさかここは……地獄の入り口とかなんじゃないでしょうね?』
『嫌だーー!! 落ちたくないよーー!! ママー、助けてよーー!!』
『コンビニの勇者様ーー!! どうか、どうか……私達をお助け下さい……!!』
クソッ……! ザリルや区長さん以外にも、大勢の壁外区の住人達が向こう側に吊るされているみたいだけど。中には小さな子供や、お年寄りまで含まれているらしい。
全く何て事をしやがるんだッ……! コレが本当に女神アスティアが俺に課した試練だとでもいうのかよ?
「――彼方くん、真下の溶岩の川をよく見て!」
その時……俺が直接鎖を握って支えている朝霧が、俺に真下の光景を見るようにと呼びかけてきた。
「溶岩の川を見ろだって……? そこに何かあるとでもいうのか?」
朝霧に促されるままに、俺は素直に真下の地底に流れている真っ赤な溶岩の川の様子を凝視する。
――すると、そこには驚くべき光景が広がっているのが分かった。
「なっ!? あの溶岩の川……まさか、段々と水位が上がってきているのかよ!」
「……ええ。どうやらそうみたいね、彼方くん。あのペースで水位が上昇していくとなると、きっとあと10分もすれば私も、あっちにいる壁外区の人達も溶岩に飲み込まれてしまう事になるわ」
つまり、あと10分以内に全員をここから救い出すしかないって訳なんだな。クッソ……! もう考えてる時間なんて無いぞ、すぐにでも行動に移さないと!
「朝霧ーーッ! しっかりその椅子に捕まってろよッ! 今からお前をすぐに、上に引っ張り上げてやるからなーーッ!」
俺はまず、手に握っている鎖に力を込めて。真下に吊るされている朝霧から救い出す事にした。
その後で、反対側に吊るされている壁外区のみんなを順番に救い上げていこう。大丈夫……まだ時間は10分はあるんだ。しっかりと順番にこなしていけば、このフロアに吊るされている全員を救い出す事は必ず出来るはずだ!
”ギシギシ、ギシギシギシ……!”
朝霧のしがみついている玉座に繋がる鎖を、俺はゆっくりと真上に向かって引っ張り上げていく。
いきなり引っ張って鎖が切れたりでもしたら大変だ。鎖の強度も丁寧に確認しつつ、確実に地底に吊るされている朝霧の体を、俺は上へと引き上げる事にする。
その時――今度は反対側に吊るされている、ザリルや区長さん、そして壁外区の住人達の方から、大きな悲鳴が同時に複数上がるのが聞こえてきた。
『キャーーッ!! 下に落ちちゃうよーーッ!!』
『ママーーー!! 助けてーーッ!!』
――なっ……!? 今度は一体、向こう側で何が起きたというんだ!?
俺は慌てて、朝霧を引っ張り上げている鎖を握りつつ、後方の様子を振り返ってみると……。
反対側で吊るされていた壁外区のみんなの位置が、明らかにさっきよりも真下の位置に下がって見える。
それは俺が朝霧の体を上に引っ張り上げた分と同じ距離だけ、反対側にいるみんなが真下に落ちているように感じられた。
念のために、上に引っ張り上げている朝霧の体を少しだけ下に引き下げてみると。やはり、その分だけ向こう側にいるザリルや区長さん達の体が、上に引っ張り上げられている。だからこれはもう、間違いないだろう。
俺が握っている朝霧を支えている鎖と、反対側にいるザリル達全員の鎖の動きは連動しているんだ。
「まさか……!? ちっくしょう!! この鎖にはそんなカラクリも仕込まれていやがるのかよッ!!」
やられた……! もしこれが女神の試練なのだとしたら、あまりにも悪趣味過ぎる。
つまりは、こういう事なのかよ。俺が朝霧の体を上に引っ張り上げ分だけ、反対側に吊るされている壁外区のみんなは真下に下ろされる……って事なのかよ?
『旦那ーーッ! オレの声が聞こえますかいーー? さっきよりも地底のマグマの川の水位が上がってきていやがるみたいです!! 早く何とかしないと、オレ達は全員、溶岩の川の中に飲み込まれちまいますぜーーっ!!』
「ああ! それは分かってる、ザリル! 必ず俺が何とかしてみせるから。もう少しだけみんなと、そこで辛抱していてくれーーッ!」
――必ず、何とかしてみせるだって?
流石は異世界の勇者様だな。みんなを救い出せるようなアイデアなんて、まだ何も思い浮かんでもいないくせに。
とんだ大ほら吹き野郎だぜ、俺は……。
……でも、どうする? もう迷ったり熟考しているような時間は残されていないぞ。地下の溶岩の川の水位は確実に上がってきている。
限られた時間の中で『どちらか一方』を救わないと、両方とも溶岩の川に飲み込まれてしまう可能性さえある。
俺は真下に吊られている朝霧の様子を確認しようと、地表から下の様子をチラ見して……。思わずその場で、全身をブルルと震わせてしまった。
こんなに危険が間近に迫っている状況だというのに。灼熱の溶岩で全身が焼かれて、命を落とす危険があるかもしれない非常時だというのに……。
朝霧冷夏は、俺の顔を見つめながら……クスクスと楽しそうに笑っていやがった。
何でこんな状況で笑えるんだ、何でそんなに楽しそうにしてられるんだよ……!
朝霧はここにはプレイヤーとして参加していて、女神の試練の内容はまだ『読んでいない』と言っていたけれど、それは本当なのだろうか?
もしかしたら、実は試練の内容のオチを全て知っていて。ただ物語の演者のすぐ側で、演劇を楽しんでいるだけの『観客』に過ぎないんじゃないだろうか?
だとしたら……ここは、朝霧を溶岩の川に落として。向こう側にいるザリルや区長さん達を優先的に救うべきなんじゃないのか?
だって、朝霧はここに本当に実体を伴って現れているのかさえも怪しんだぞ? あれだけ余裕の表情を浮かべて、楽しそうに笑っていやがるんだ。
本当は自分は決して死なない、命の危険なんて感じる必要が無い、別次元に本体を置いているからこその余裕なんじゃないのか……?
クソッ……! 短絡的に考えるんじゃない!
焦りで思考が短絡的になっている。今の段階じゃ、まだ何も分かっていない。だから決めつけてはダメだ!
俺は今度は向こう側で、必死にこちらに助けを求める声をあげている壁外区の住人達の様子を見た。
彼らは、いつ……ここに連れて来られたのだろう?
女神アスティアは、離れた遠方の場所にいる人間を瞬時にワープさせ。この場所に、一気に集められるような魔法を使えるのか?
もしもそんな事が可能なら、何で女神は部下の魔女達に魔王種子を集めさせたりしてたんだ?
……だってそうじゃないか。離れた距離にいる人物を自由に空間移動させられるなら、魔王や異世界の勇者を自由に思いの場所に召喚出来たんじゃないのか……?
ザリルは通商交渉の為に、南のバーディア帝国に行っていたはず。区長さん達は、遠い西のコンビニ共和国に滞在していたはずだ。
この場所がもしも、まだグランデイル王国の中なのだとしたら。物理的な距離がそんなにも離れている遠方の2地点から、瞬時にザリル達をこの試練の場に呼び寄せたとでもいうのか?
いや、そんな事は……絶対に出来っこない。
だとしたら、俺が見せられている光景。あそこで鎖で吊るされているザリルや区長さん達は全て『幻影』で、実際にはそこにはいない幻という事は無いのか?
よくよく考えてみると、今……俺が鎖を握って直接支えている朝霧冷夏は、本来はここにいなかった存在だ。
朝霧が獲得した新能力、『上書き挿入』によって。無理やり今回の試練のヒロイン役は書き換えられている。
もしも……今、俺が支えているのが朝霧ではなく、『ティーナ』だったとしたら。
俺は迷う事なく、ザリル達を捨てて。ティーナを救う事だけに集中していたのだろうか?
女神アスティアの試練が、俺に一体何を求めて行われているのかは不明だ。だけど、アスティアが辿った1万年にも渡る長い人生の道のりを考えると。
彼女は一途に、たった一人の恋人である『最初の勇者』に再会する事だけを信じて、この世界で孤独に生きてきたような人物だ。
――という事は、女神の試練の内容は……俺の『最愛の人』に対する一途な愛情が試されているのか?
本当に大切な人の為に、他の全てをかなぐり捨ててでも。一番大切な人を選べ抜け……と、俺に直接問いかけているのだろうか?
俺の真下にいるのが、怪しげに微笑む朝霧ではなく。俺にとって一番大切なティーナだったとしたなら……。
俺はきっと、そう結論付けて。もしかしたら大切な人の為に、ザリルや区長さん達の犠牲を許容するような道を選んだ可能性もあったのかもしれないな。
でも……今の俺の答えは、そのどちらにも『NO』を突きつけてやる!
コンビニの勇者の俺がこれから取るべき道、選ぶべき選択肢。それは俺が信じ続けてきた、理想の異世界の勇者のイメージを信じ抜く事だと信じている。
それはきっとティーナが俺に期待してくれている、コンビニの勇者の理想の姿を貫き通す事にもなるはずだからだ。
ここにティーナがいてくれたなら、きっと俺にこう言ってくれるに違いないんだ。
『――彼方様! この世界の全ての人々を、どうか助けてあげてください!』……ってな。
「――よーし! やるぞッ……!」
いったん口の中に大きく息を吸い込み、心の中を無で満たす事にする。
俺が迷っている間に、地底の溶岩の川はだいぶ水位が上がってしまっていた。つまり、もう……これがラストチャンスで二度とやり直しは効かないって訳だ。
俺は真下で相変わらず、俺の様子をニヤニヤと見つめている朝霧に大声で声をかける。
「おーーい、朝霧ーーッ! 今からお前を全力で上に引き上げてやるからなーーッ! しっかりとその椅子にしがみついているんだぞ!」
まるでドラマに出てくる、推しのイケメン俳優を見守る少女のように。羨望の眼差しで俺を様子を眺めていた朝霧が、頬を赤くしながら意味深に微笑んでみせた。
「ウフフ……それが今の彼方くんの出した、試練の選択への回答なのね?」
「ハァーーッ!? 声が小さいから何を言ってるのか聞こえなかったけど、上に引き上げたら後は自力で地面にジャンプして降りろよなッ! じゃあ、後は頼んだぞ!」
「……? 後は頼むって、これから一体何をするつもりなの……彼方くん?」
「うおおおおおおォォォォーーーッ!!! いっくぞーーー!! ザリル、区長さん! しっかり捕まっていてくれよなーーッ!!」
俺は朝霧を支えている鎖を、手にしっかりと握りしめたまま。そのまま大地を力強く蹴り飛ばし。
反対方向に吊られている壁外区のみんなのいる場所に向かって、思いっきり大ジャンプをして。真下の地底に流れる溶岩の川に向けてダイブをする。
「―――!? 彼方くん……!?」
遠くで朝霧が驚きの声をあげたような気がしたけど、もう俺の耳にはその声は届かない。
なぜなら俺の体は既に、地底の溶岩の川に向けて落ちていっているからだ。
俺が鎖を手に握りしめながら落ちた事で、歯車のように地面に結びつけた鎖は、反動で朝霧の体を上に向けて上昇させていく。
おかげで上に引っ張り上げられた朝霧は、無事に地表に辿り着く事が出来たはすだ。
そして、朝霧が地上に辿り着いたという事は――。
反対に、向こう側で吊るされていたザリルや区長さん、壁外区のみんなの体が一気に真下の溶岩の川に向けて落ちていく事を意味する。
『キャアーーー!? 落ちるよーー!!』
『ママーーー!! 助けてーーーッ!!』
『だ、旦那ーーー!? これはもう、マジでヤバ過ぎですぜーーー!!』
絶叫しながら下に落ちていくみんなの体を追いかけてダイブしている俺は、前に向かって両手を伸ばし。降下していく態勢のまま、大きな声で叫んだ。
「うおおおおーーッ!! 『白銀剣』よ! 頼むから、俺の頭の中で思い描いた通りの形で広がってくれよな!! ――コンビニの勇者の新奥義、『遮断光の壁』――!」
俺の両手から、凄まじい量の白い光のエネルギーが真下の溶岩の川の表面に向けて放たれる。
正直に言って、一か八かの賭けなのは間違いない。
なにせさっき俺の頭の中で思い浮かんだばかりの、新必殺技のイメージだからな。
例えコンビニ店長服には、無敵防御機能が付いているとはいえ。溶岩の中に突っ込んでしまったらひとたまりも無いだろう。灼熱のマグマの熱を数回遮断したとしても、結局は俺の体は全て溶岩の中で溶かされてしまうからだ。
だからこれは、土壇場の命懸けのチャレンジなんだ。
コンビニの勇者や、コンビニの守護者達に圧倒的に足りていないもの。それは身を守る『盾』の機能だと、常々俺は考えていた。
花嫁騎士のセーリスはともかく、アイリーンや俺には、シールドの機能が全く装備されていない。
動物園の守護者である赤魔龍公爵達は全員、身を守るシールドの機能を備えていた。だからこそ動物園の魔王の守護者達は、最強と呼ばれ恐れられていたのだろう。
そんなシールドの機能を、コンビニの勇者の俺も所持する事は出来ないだろうか……?
そう考えた時に、俺の頭の中に浮かんできたのは――変幻自在に形を変えられる『白銀剣』の能力だった。
もしも、光の剣を攻撃ではなく。敵の物理攻撃を完全に遮断する薄い光の膜として張る事が出来たなら。
それは敵の攻撃を無効化する盾として使用する事が出来るんじゃないだろうか?
俺の頭の中には、そんな漠然としたイメージのアイデアがずっとあった。
だから今回は、緊急事ではあるけれど。そのイメージをこの俺になら必ず使用出来るはずと信じて、まさに火事場の馬鹿力に頼る形で挑戦させて貰う事にする!
「いっけええええーーーーッ!! 白銀剣よ、みんなの落ちる場所の真下に、薄い光の防御シールドを張るんだーーーッ!!」
合計で100人近い壁外区のみんなを同時に助けるには、一箇所だけに光のシールドを張ったくらいじゃ助けられない。
みんなを誰一人として余す事なく、全員を一気に救い出すには、約1000平方メートルほどの広範囲に光の膜を広げないとダメだ。
俺の両手から放出された光のエネルギーは、落下防止ネットのように、広範囲に広がる白い光の膜を展開して。
見事に灼熱の溶岩の川に落ちる寸前の、壁外区のみんなの体を受け止める事に成功した。
「……だ、旦那!? 何ですかい、この白い光のネットは?」
「ザリル……! みんなは無事か? 誰一人として、溶岩の川には落ちていないか?」
「ええ。見渡した限り、さっき鎖で吊るされていた連中は、区長さんも含めて全員この光のネットに降り立って無事みたいですぜ!」
「そうか、それなら良かった! ――グフッ……!?」
「……だ、旦那!? 大丈夫ですか!?」
口から吐血をして、俺はその場で倒れ込みそうになる。
光のシールドを放出している両腕に、体の全てのエネルギーを吸われているような感覚だ。
とてもじゃないが、この状態をキープし続けるのは……無理かもしれない。腕が引きちぎれそうになるほどの激痛が、全身に伝わってくる。
「クッソ……! こんなに光のシールドを張り続けるのは、エネルギーを消耗してしまうのかよ……! ザリル、みんなを出来るだけ狭い範囲に集めてくれ。もうすぐこの光のネットは、消えてしまうかもしれない」
「そんなッ……!? それじゃあ、全員……溶岩の中に落ちてしまいますぜ!?」
「分かってる! 出来るだけ長く持たしてみせるから、言われた通りにしてくれ!」
ザリルは大慌てで、光のネットに落下した壁外区のみんなを俺の周囲に集めていく。
上を見上げると、さっきまで俺が立っていた地表に朝霧が立っているのが見えた。
良かった……! どうやら、朝霧を無事に救い出す事は成功したらしい。後は、どうやってここにいるみんなを救い出すかだけど……。
途端に、俺の体の中から急激に力が抜けていくのが分かった。
まるで魂が抜き取られていくみたいに、俺の視界は……少しずつ、真っ黒に染まっていきそうになる。
「旦那ーーッ!! 旦那ーーッ!! 頼むから、しっかりして下さいよ!!」
「秋ノ瀬さん……!」
ザリルや区長さんが、俺に声をかけてきているのが聞こえる。
でも、もう……俺の体力はとうに限界値を遥かに超えて消耗していた。せっかくみんなが溶岩の川に落ちるのを救う事が出来たというのに。
今の俺には、もう……ここまでが限界なのかよ……。
ここで何とかしないと、結局……みんなも、俺も、全員が溶岩の川に飲まれて焼け死んでしまうだけなんだぞ。
その時――疲労で閉じかかった俺の視界には、水位の上昇した溶岩の川が、俺の両手から放出している『光のシールド』に激突し。
高熱に耐えきれなくなった光のシールドが、音を立てて崩壊する光景が見えてきた。
「キャアーーーーーーッ!!!」
小さな子供の叫ぶ声が、耳の奥にかすかに聞こえてきた気がする。
けれど俺の意識は、なぜかそこで――ブツリと切断されてしまい。
後は何も感じない『無』だけが広がる、暗黒の闇の中に意識が飲み込まれてしまった。
「……………」
……どれくらいの時間を、俺は暗黒空間の中で過ごしていたのだろうか?
やがて……ゆっくりと目を開いた時には……。
なぜか俺の視界には、心配そうに俺の顔を上から覗き込む朝霧の顔が見えていた。
俺の顔は、いつの間にかに柔らかい膝の上に乗せられていて。どこか冷たい石の床の上で、朝霧に膝枕をされながら体を横たえているのが分かった。
「――やっと、目を覚ましたのね。彼方くん。おめでとう、どうやら私達は第一の試練を突破したみたいよ」
見上げた視線の先にいる朝霧冷夏は、まるで俺の大切なティーナのように。天使のような笑顔で俺の顔を上から見つめてきていた。




