第三百八十四話 迫り来る偽物の勇者達
「クソッ……! まさか、久しぶりに再会する事の出来た懐かしいクラスメイトの面々と、殺し合いをしないといけないなんてな!」
右手の先から伸びた光の剣を、大きく振りかぶり。
7人いるクラスメイト達の真上に飛び込んだ俺は、光の剣を一気に真下にいる偽物の異世界の勇者達に向けて振り下ろした。
”ガキーーーーン!!”
硬い金属同士がぶつかり合うような高音が、ホテルのフロア中に響き渡る。
俺の振り下ろした剣は、7人の敵の中の1人。『巨大なハサミ』を手に持つ黒髪の女性によって防がれた。
俺の目の前に立ちはだかったのは、『ハサミの勇者』である――新井涼香だ。
涼香はクラスの中でも目立つ存在だったから、陰キャの俺でもその明るく爽やかな顔をよく憶えていた。
「――涼香かよッ! マジで久しぶりにお前の顔を見たよな……って、うおおおぉぉぉ!?」
涼香が右手に持っているのは、人の背丈の倍くらいはありそうな『巨大なハサミ』だった。
それを2枚の刃が大きく横に開いた状態で、もの凄い速度で横薙ぎに払ってくる。
「――クソッ!!」
本能的に危険を察した俺は、ギリギリのタイミングで巨大ハサミの刃を、体を横に仰け反らせて避ける。
だが……俺の着ている、コンビニ店長専用のロングコートの裾の先が、巨大なハサミによって真っ二つに切り裂かれてしまった。
「おいおい、マジかよ……!? 砂漠の魔王モンスーンのメガトンパンチも耐え凌いだロングコートが、いとも簡単に切り裂かれちまうなんて!?」
ヤバい、涼香の持っている巨大ハサミの切れ味はマジで危険過ぎるぞ!
あんな鋭い刃で挟まれたりしたら、人間の体なんていとも簡単に真っ二つにされちまう。
俺はバク転をして、いったん後方に退き。ハサミの勇者の涼香から長めの距離を取る事にした。
すると――今度は後方から、長い槍を手に持った、黒髪ショートカットのイケメンがこちらに突進してくる。
「今度は、『槍使い』の水無月かよ! 全く次から次へと……えっ!?」
俺が着地しようとした、全面大理石で出来ているはずのホテルの白い床に――いつの間にかに、謎の黒い穴が無数に出現していた。
しかも、それだけじゃない。まるで周囲の床が緑色の沼地のように、足場の取りづらい、湿原のような環境に変化している。
突然の床の変化に戸惑い、一瞬だけ反応の遅れた俺に。容赦なく『槍使い』の槍の一撃が襲いかかってくる。
「――店長! 危ないです!!」
横からジャンプをして飛び込んできたアイリーンの黄金の剣によって。水無月の振るう槍の一撃は、間一髪のタイミングで弾かれた。
だが、予想以上に素早い、『槍使い』の勇者による、高速の槍は……。アイリーンの装備している青い鎧の一部を破壊して、その威力をまざまざと俺達に見せつける結果となった。
「アイリーン、いったん敵から距離を取るぞッ! エスカレーター付近にまで退くんだ!」
「了解です、店長!」
アイリーンと俺はいったん、7人の勇者達から距離を取り。少し離れた場所から、周囲を警戒しつつ。敵の様子を探る事にした。
よく見ると、俺に突進してきた水無月、涼香ペアの後方で。両手を前に広げて、何やら呪術のようなモノを唱えている『地図探索』の勇者の佐伯の姿が見えた。
どうやらホテルの床を変幻自在に変化させたのは、あそこにいる佐伯の持つ、特殊な『能力』のせいらしいな。
「地図探索』の勇者ってのは、ダンジョンの地図を作れるだけでなく。レベルが上がると、あんな戦闘向けの能力も使用出来るようになるのかよ……」
今はもう、二度と再会する事の出来ない、この異世界で死亡してしまったクラスメイト達。
そんな彼らの使う、俺達にとっては初めて見る能力を見せつけられて。俺は戸惑う事しか出来ないでいた。
「でも、アイリーン。これはどういう事なんだろう? 敵はただ単に、大昔に存在した異世界の勇者達の姿を真似た分身体を作っているだけじゃないのか? これじゃあ、まるで……」
「ええ、店長。おそらく、敵のチョコミントの騎士は、外見を真似するだけでなく。その者が持つ『能力の一部』も模倣する事が出来るのかもしれません」
そんな……それじゃあ、覚醒したティーナが持つ、『複製』の能力と同じような事を、敵陣営のパティは出来るというのかよ。
そんなのは、あまりにも無敵過ぎるぞ。
ただでさえ、最強過ぎる能力を持っているチョコミントの騎士は、レベルが上がると、そんな能力まで使いこなせるようになるっていうのかよ……。
「……店長、確かに敵のチョコミントの騎士は、異世界の勇者の特殊な能力をコピー出来るのかもしれません。ですがきっとそれは、能力の完全なコピーでは無いはずです。そもそも対象の能力を完全コピー出来るのなら、敵側に『コンビニの勇者』が存在している時点で、こちらは積んでしまう事になります」
「そうか、それもそうだな。あそこに俺そっくりな外見をした男が立っているって事は……。アイツは『コンビニの勇者の能力』が使えるって事になる訳だからな」
もし、あそこにいる俺の偽物が……コンビニの勇者の能力を100%フルに使いこなせるとしたら。
それこそ、いきなり超火力を持つ『青双龍波動砲』をこちらに撃ってきて。俺とアイリーンは瞬時に消滅させてくる可能性さえあったはずだ。
でも、今の所そういう事態にはなっていない。
よく観察してみると、俺の偽物の肩には銀色の守護衛星が浮かんでいないようだ。つまり完全なコピーが出来ていない、雑な作りの粗悪品なんだと思う。
それに心なしか、顔つきや人相もオリジナルより悪く見える。
正直俺は、もうちょっとだけ……イケメン寄りな顔をしていたと思うからな。毎日、鏡で自分の顔は見ているから間違いない。
「店長、あそこにいる店長と同じ外見をした男は、顔つきや姿などは店長と全く同じですが……。能力においては、その10分の1も使いこなせないのは間違いありません。ですから私達でも、十分に勝てると思います!」
「……いやいや、アイリーンさん!? よく見て下さいよ。ほら、アイツの人相……すっごく悪くないか? 本当の俺は、あんなに目つきの悪い顔は絶対にしていないと思うんだけど!」
「えっ……? あ、そっ、そうですねっ! よく見ると、本物の店長の方が凛々しくて素晴らしい顔つきをされているように思います! 大変、失礼しました……!」
ううっ。何だよ、この無理やりアイリーンに言わせてしまっている感は……。
こんなの上司の地味なパワハラみたいで、ジワジワと罪悪感が後から押し寄せてくるじゃないかよ。
……まあ、実際に動いている俺の外見なんて。他人の視点から見れば、きっとあんなものなんだろうな。
自分の姿を鏡とか、スマホで録画した動画以外でリアルに見られる機会なんてほとんど無い訳だし。これからはもっと、日常時の顔つきには気を付ける事にしよう。
「――店長、敵の攻撃が再度来ます! 今度は後方からのようです!」
「えっ、後方だって!?」
急いで後ろを振り返ると。そこには空中から白い釣り糸のようなものが、こちらに向かって来ていた。
白い釣り糸は俺の右手に絡みつくと。
強烈な力で、獲物の魚を釣り上げるかのように。俺の体を宙へと浮かび上がらせる。
「チッ……! これはきっと『海釣り師』の松木田の能力だな!」
7人の異世界の勇者達の一番後方で、釣り竿を引っ張り上げるような動作をしている松木田海斗の姿が見えた。
松木田の振るう釣り糸は、空間をワープさせて。敵の死角となる後方から、釣り糸を飛ばす事が出来るらしい。
強力な釣り糸に引っ張りあげられた俺の体を、今度は偽物の俺と玉木のコンビが襲ってきた。
真上から、大きく足を振り上げて。『かかと落とし』ようなポーズを取る偽物のコンビニの勇者。
そして、床に映り込む黒い影の部分から……突然、姿を現し。真下から偽物の玉木が、同時に攻撃を加えてきた。
「――クッソ、これぐらいでコンビニの勇者を倒せると思うなよッ!」
俺は右手から出現させていた白銀剣をいったん消して。左手の先から、新たな光の剣を出現させる。
そしてその剣を用いて、『海釣り師』の操る釣り糸を横薙ぎに全て切断してみせた。
「うおおぉぉ! 2つの無限の能力を使用出来るようになった、新生コンビニの勇者の力を見せてやるぞッ!」
右手を拘束していた白い釣り糸をぶった切った俺は、今度は左手の先から、右足へと光の剣を移動させて。
右の足先から伸ばした光の剣で、真下から出現した暗殺者の勇者のナイフを弾き返す。
光の剣は両手以外の場所からでも、自由に出す事が出来るからな。だからこうやって、足の先から剣を出して使用する事だって可能なんだぜ?
俺はそのまま空中で、一回転をして。
今度は上から迫ってきていた、偽物のコンビニの勇者の振り降ろしてきた『かかと落とし』を、右足のアッパースイングで思いっきりぶっ飛ばしてやった。
俺が、偽物の玉木と俺のコンビと戦っている時――。
同時にアイリーンは、敵の水無月、涼香のペアと対峙をして。巨大ハサミと槍を使う敵を、俺と同じように遥か後方にまで弾き飛ばす事に成功している。
だが……俺もアイリーンも、あと一歩という所で。敵にとどめを刺す事が出来なかった。
それは後方支援をしてくる四条、松木田、佐伯の3人の存在があったからだ。
敵に攻撃を加えようとすると、床から巨大な防御壁を作り出してガードしてくる『防御壁』の勇者の四条京子。
そして白い釣り糸を、空間をワープさせて遠くに放ってくる『海釣り師』の松木田。
戦場となるフロアの地形を、不安定な場所へと変化させてくる『地図探索』の勇者の佐伯。
どうやら大昔に召喚された、2年3組のクラスメンバーのパーティーは……。
前衛に、彼方&玉木。水無月&涼香。
後衛に、佐伯、松木田、四条の3人が並び。
それぞれ接近戦と後方支援の役割をこなす、バランスの取れた勇者パーティーとして機能していたみたいだな。
「……アイリーンは、この状況をどう思う?」
俺は7人いる敵の陣営を睨みつつ、パートナーであるアイリーンに小声で尋ねてみた。
「どう思う……とは、この中に敵の本体であるチョコミントの騎士が混ざっているか、という事についてですか?」
「ああ、そうだ。正直……同じ異世界の勇者と戦うのは、確かにやりづらいし。初めて知る敵の『能力』に意表をつかれしまった点もあると思う。だけど……」
「――思ったよりも、敵の戦闘能力は大した事は無い、と店長は言いたいのですね」
うん、そうだ。やはりアイリーンと俺は、同じ共通認識を持っているらしい。
正直……この偽物の7人の異世界の勇者達の戦闘スキルは、決して高くはない。
コンビニの勇者の偽物に至っては、ただ多彩な足技を繰り出してくる普通の武道家でしかないし。
高い殺傷能力のある武器を持つ、水無月と涼香については、敵の攻撃を避ければいいだけだ。
サポートに回っている、四条、佐伯、松木田についても、個々に直接の戦闘能力は持っていないらしい。だから接近戦に持ち込めば、一瞬で殲滅が出来るだろう。
偽物の玉木にしても、投げナイフや、影から突然出現する事だけを警戒すれば大丈夫そうだ。
これが本物の玉木が持つ『隠密』の能力を使用してくる奴だったなら、苦戦をしただろうけどな。
流石に『透明化チート』で攻撃をされたら、あまりにも厄介過ぎるからな。
「……では、当初の予定通り。一気に攻めて敵をこのまま殲滅させてしまいますか?」
「ああ。おそらくこの7人の中に、敵のチョコミントの騎士はいない気がする。それに外見だけ似せているとはいえ、元クラスメイト達や、俺や玉木と同じ外見をしている奴らと長時間、争っていたくはないしな……」
俺は3軍の勇者だったから。正直、2軍の選抜メンバーに含まれていた佐伯や松木田達と、グランデイルの街でそんなに交流が出来ていた訳では無かった。
確か涼香だけは、片想いの水無月目当てで、たまーにコンビニに遊びに来ていたけどな。
そんな2軍のメンバー達は、ミランダ領の戦場に向かう途中の街で。グランデイルの女王クルセイスによって、全員皆殺しにされてしまっている。
だから、ここでその姿だけでも……もう一度見る事が出来たのは、本当に感慨深い気持ちにさせられたのは確かだった。
でもここにいる7人は、全て偽物で……本物ではない。
これ以上、既に亡くなっている水無月達の偽物と戦って。その尊い死を汚すような事をしてはいけないんだ。
「よし。行くぞ、アイリーン! 俺は後方の3人と、偽物の玉木とコンビニの勇者のコンビを倒す! 残りの水無月、涼香のペアの方を頼む!」
「――了解しました、店長!」
アイリーンが黄金の剣を構えて、槍とハサミの勇者のいる方向に突進していく。
その背後から、俺は両肩に浮かんでいる銀色の守護衛星に最大出力のエネルギーを充填させて。一気に高火力なレーザー砲をぶっ放す事にした。
「いっくぞおおおぉーーッ! これでもくらいやがれ! 必殺『青双龍波動砲』ーーーッ!!」
””ズドドーーーーーーーーン!!!””
最大出力で放たれた、青いレーザー砲の閃光が――。
7人の偽物の勇者達のうち、後衛に並んでいた佐伯、松木田、四条の3人の体を瞬時に消滅させた。
もちろん俺は、それによって生じた敵の隙を決して見逃すつもりはない。
光の剣を最大出力で右手から放出し。投げナイフで反撃をしてきた玉木と、回し蹴りの構えを取っていた偽物のコンビニの勇者の2名を……横一文字に薙ぎ払って、一気に粉砕する。
白銀剣で切り裂かれた敵は、体からキラキラとした美しい光を放ち。
緑色の液体が飛び散るように形を崩して、その場から四散して消滅していった。
その様子を確認した後で、後方を振り返ってみると。
ちょうどアイリーンも、黄金の剣を振り降ろし。ハサミと槍の勇者のコンビを切り裂き、この世から消滅させる事に成功したようだった。
「……よし。どうやら、本当に終わったみたいだな」
アイリーンの無事を確認した俺は、一度スマートウォッチのアイコンを操作して。
コンビニの最下層への道を守っている、レイチェルさんと連絡を取る事にした。
「――もしもし、レイチェルさんですか? こちらは彼方です。ホテルエリアの敵を殲滅する事に成功しました。でも、どうやらここには敵のチョコミントの騎士はいなかったみたいです。そちらの様子はどうですか?」
『総支配人様。こちらも大丈夫です。数百匹単位のリザードマンの群れに襲撃されましたが、全て撃退出来ています。最上階を守るパティも、押し寄せてきたリザードマン達を迎撃する事に成功したようです」
「そうですか。では、まだ敵の本体がこの地下のどこにいるのかは不明という訳ですね」
『ええ……残念ながらそうなります。ですが、少しだけ気になる点もあります』
「――気になる点? それは何ですか?」
レイチェルさんは、うーんと……。一度、深く考え込むような様子をした後で。改めまった声で、自身が懸念している内容を俺に伝えてきてくれた。
『……今回、コンビニ共和国へ襲撃にやってきた敵陣営に所属しているチョコミントの騎士は、もしかしたら、無限にエネルギーを供給する事が出来る手段を持っているのでは……と私は疑っているのです」
「えっ……それは、どういう意味なんですか?」
レイチェルさんの発した言葉の意味が分からず。慌てて問いかけた俺に、レイチェルさんは丁寧に分かりやすく説明をしてくれた。
本来、コンビニの第4番目の守護者であるパティは、コンビニの商品である『チョコミント』をエネルギー源として活動している存在だ。
つまり、逆を言えばそれは……チョコミントが無ければ動く事も、生存する事も出来ない脆い存在だとも言える。
だから、パティは敵との戦いで自分のエネルギー源であるチョコミントパワーを使い切ると。すぐにコンビニの中に引き篭もり。ひたすらチョコミント食品ばかりを食い漁る、ニート状態と化してしまうのだろう。
そして、今回コンビニの地下階層に閉じ込た敵のチョコミントの騎士は、大量のリザードマンや、さっき俺達が戦った偽物の異世界の勇者などの『分身体』を大量に生み出している。
以前にコンビニの地下に侵入してきた、動物園の魔王に仕える『緑魔龍公爵』は、無限にゾンビや動物を生み出す事の出来る存在だった。
でも……このパティは違う。
自身の体の一部である、チョコミントの入った緑色の液体を分散させて。それを元にリザードマンなどを量産させているのだ。
つまり、分身体を大量に作れば作るほど。本体のチョコミントの騎士は力が弱ってしまうはずなんだ。
「……つまり、敵のチョコミントの騎士は何かしらの手段で、エネルギー源であるチョコミントを無限に供給されている可能性がある、という訳なんですね」
『――ええ。そうとしか思えない動きを敵が取っているのは間違いありません。もしそうだとしたら……。次に敵が行動を起こすとして、その手段は……ザザーッ』
急に、レイチェルさんとの通話が途切れてしまった。
「レイチェルさん? どうしたんですか……?」
『ザザーッ、ザー、ザー……』
まるでトランシーバーの周波数が合わなくなってしまったかのように。レイチェルさんとの通話は尻切れトンボになって、いきなり強制終了してしまう。
「……レイチェルさん、どうしたんだろう?」
俺が訝しげに、スマートウォッチを眺めていると。
アイリーンが慌てた様子で、俺に声をかけてきた。
「て、店長……マズイです! もの凄い数の『敵』がこちらに迫ってきています!」
「敵だって? まさかまた、リザードマンの大群がこちらに押し寄せてきたのか?」
「いいえ、今度はリザードマンではありません! 今回、こちらに押し寄せて来ている敵とは……」
俺の後方を見つめているアイリーンの顔が、まるで幽霊でも見たかのように青白くなっていた。
その様子に釣られるようにして、俺も体を半回転させて。俺達の後方の様子を覗いてみると……。
「うおおあぁぁッ!? 何なんだよ、コレは!?」
俺とアイリーン目掛けて、ホテルのエントランスエリアから押し寄せて来ている『敵』の大群。
その数は、総勢で数百人は超えているかもしれない。
しかも、そいつらは全員が『巨大なハサミ』やら、『槍』を装備してこちらに迫ってきていた。
そう――。俺達の元に遠くから迫ってきていたのは、リザードマンの群れではなく。
見渡す限り、数え切れないくらいの大人数でこちらに迫り来る……。『ハサミ』の勇者と、『槍使い』の勇者の姿をした、偽物の異世界の勇者達による大集団だった。