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第二百四十話 夜月皇帝の勢力


 バーディア帝国の南部に領土を持つ、反皇帝派の帝国貴族――オサーム。

 彼の治める居城の最上階から、皇帝ミズガルドは堂々と螺旋階段を真下に向けて下っていく。


 途中で皇帝とすれ違う兵士達からはもちろん、『何事か……!?』って、目線で見られるんだけどな。


 全員少ししてから、ほぼ同じタイミングで『まさか、皇帝陛下!?』と、驚きの声を上げて。慌ててその場で頭を下げて皇帝にひれ伏していく。



 流石は、バーディアの女海賊と名高い皇帝ミズガルドだ。帝国の末端の騎士達にも、これだけ広く顔が知られているのだから、その存在感は今も健在らしいな。



 城の最上階から螺旋階段をくるくると回りながら降りる事、数十秒……。



 俺とミズガルドは、赤絨毯の敷かれた広間のような場所へと辿り着いた。そこには豪華な装飾が施されたオブジェがたくさん並べられている。


 うん、まさにここは大貴族が住む豪華な城って感じの場所だな。



「――ほう。帝都が敵国から侵略を受けるという、国家の一大事に馳せ参じる事もなく。我の命令を無視して、自らの城に引き篭もっていたオサームは、このような場所で優雅に食事をして過ごしていたという訳か……」



 ミズガルドが白い大理石のテーブルに腰掛けている、体格のいいオレンジ髪の中年男に向かって話しかけた。



「な、な……何で、皇帝がここにいるのだ!? 陛下は帝都でグランデイル軍に襲撃されて、死んだはず!?」



 大きな口を開けて、伊勢エビみたいなプリップリの海老の姿焼きをフォークに刺したまま。まさに『あーん』と美味しく食べようとしていた巨漢男。


 そいつがまるで、死んだ両親の幽霊でも目撃したかのように。両目を見開いて腰掛けている椅子ごと、勢いよく後ろにひっくり返って倒れ込んだ。



 ”――ズドンッ!!”


 あちゃ〜、それは結構痛かっただろう?

 絶対に後頭部をモロに強打したと思うぞ。


 オレンジ髪のふくよかな体格の中年男は、自分の頭を両手で押さえながら床の上で悶絶している。


 さっきまで食べかけていた、プリプリの海老のように。上半身と下半身をクネクネと交互に揺り動かしながら、目からは大粒の涙を流して身悶えていた。



「……フン、我の事を呼び捨てで呼ぶようになるとは、実に良い身分になったものよな、オサーム!」


「ち、ち、違うんです……陛下ッ!! これには海よりも川よりも深ーーい理由がございまして……!」


「言い訳なら聞かぬぞ! 我は帝都をグランデイルの小娘に奪い取られ、配下であった直属の騎士達を全て失い。惨めにも流浪の身に成り果てて、細々と過ごしていたという時に。安全な城の中で豪勢な料理を貪り食べていた貴様に、一体どのような言い訳があるというのだ! 答えてみせよ、オサーム!!」


「ひっ、ひいいいぃぃぃぃ――!! どうかお許しをーーっ!! 陛下ーーっ!!」



 オレンジ髪のおっさんが、全身をぷるぷると震わせて怯えている。


 どうやら、心底ミズガルドの事を恐れているみたいだな。


 でも、アレ……? このおっさんって、反皇帝派の貴族って話じゃなかったのか? 何だか、ミズガルドに敵対しているような雰囲気には全然見えないんだけど。


「ほう、許して欲しいのならば……今後はもちろん、我の言う事は全て聞くのであろうな、オサーム? グランデイルの犬どもから帝都を取り戻す為に。新たに兵を集めて旗揚げをする我の為に、この城に駐留する全ての兵力を我に捧げ。今後は皇帝への忠節を尽くすという意味で良いのだろうな?」



 大蛇に睨まれた、ガマカエルのように。


 オレンジ頭のオサームは、油汗を(ひたい)から大量にかきながら困り顔を浮かべている。


「えっと……それは、その、陛下がお亡くなりなられたという報告が帝国全土に流れた後、夜月皇帝(ナイト・エンペラー)様のお名前で、帝国の全貴族に対して今後は自分に忠誠を誓うようにという、署名書が送られてきておりまして……」


「――なるほど。では、もちろんそのようないかがわしい書類はすぐに破って捨てたのであろうな、オサームよ? 現にこうして、我が生存している事が分かったのだ。改めて真なる帝国の皇帝に忠誠を誓うのが、帝国貴族たる貴様の仕事ではないのか?」



 ミズガルドが身を乗り出して詰め寄ると。

 オサームは、プルプルと全身を震えさせ始めた。



 その場で深く思い詰めたように、低い唸り声を上げ。最後には観念した表情を浮かべて、クックッ……と小さく笑い出す。


 オサームは突然、その場に立ち上がると。

 豪快に手を振り上げて、自分の配下の騎士達に命令を下した。



「ええーーい! この皇帝の名を(かた)る偽物を成敗してしまうのだ! 皆の者ーーっ、出あえ、出あえーー!!」



『『おおおーーーーっ!!』』



 オサームの背後から、剣や槍を装備した重装備の騎士達がワラワラと踊り出てくる。


 おおっ、何だこの懐かしい時代劇で見たようなテンプレ展開は……。

 俺、子供の頃よくこういうのテレビで見てたよ。結構、お昼前の時間帯に再放送とかで流れてたもん。



 でも、アレ? この後の展開って、たしか……。



「――ふん。我に向かって牙を剥くとは! 帝国貴族としての名誉を捨て地に落ちたものだな、オサームよ! よーし、彼方(かなた)よ! こやつらを我に代わって、徹底的に懲らしめてやるのだッ!!」



 ですよね〜。アハハ〜!


 こういう有象無象(うぞうむぞう)の雑魚達を懲らしめるのは、皇帝陛下のお供の者の仕事ですよねー! はいはい、きっとそうなるだろうなって分かっていましたよ。



 俺は、ミズガルドの正面に立ち。


 片足を頭上より高く振り上げて、向かってくる騎士達に対して迎撃の態勢を取る。


 ミズガルドは、余裕いっぱいの表情でその場に仁王立ちし。尊大な態度で両腕を組み、皇帝の第一の配下である俺に、敵への対処を全て任せる気満々のようだ。


 全く……ミズガルドは剣士としても十分に強いんだから。これくらいの敵なら、きっと1人でも大丈夫だと思うんだけどなぁ〜。


 ぶつくさ、ぶつくさ……。



「お、オサーム様! あのお方は、どう見ても皇帝陛下のように見えますが……!? 本当に殺害してしまって構わないのですか?」


 オサームの周囲の部下達が、主君に対して動揺の声を漏らす。


 うん、それはそうだろう。帝国の覇者たる皇帝陛下に斬りかかるなんて、そんなの臣下として絶対に許される行為な訳がないものな。


「黙れーーっ、良いのだ!! アレはミズガルド陛下の名前と顔を騙る偽物だ! 責任はワシが全て取る! さっさと始末してしまえーーっ!!」



『『うおおおぉぉぉぉーーーっ!!!』』



 激昂するオサームの命令を受けて。


 広間に集まってきた約30人近い騎士達が覚悟を決めて。一斉にこちらに向かって襲いかかって来る。


「うーん、名前を騙るのはともかく、顔を騙るってのは流石に無理だと俺は思うけどな。まぁ、いっか。ミズガルドに歯向かう奴は、この俺が全員痛めつけてやるから、覚悟をしろよな!」



 正面から槍を構えて突進してくる、騎士3人組。


 俺は頭上に振り上げていた右足を、真っ直ぐに振り下ろし。騎士達の持つ槍を真っ二つにへし折ってやった。


「――なっ!? 何だコイツは!」


 おいおい、そんなに驚かなくても大丈夫だぜ?

 他の奴らの武器もすぐに、俺の得意技の足蹴りで全部壊してやるからさ!


 今度は後方から迫ってきた3人の騎士達の剣を、俺は回し蹴りで叩き折る。

 更に右脚を左右に高速スピードで動かし。その風圧だけで周囲にいる騎士達の体を、遠くにまで吹き飛ばしてやった。



「クッ……! こいつ、見た目はショボくて、ダサい顔なのにかなり手強いぞ!」


「ああ、特にあの脚に気を付けろ! 見た目は雑魚っぽいアホ(づら)なのに、実はかなり手練(てだ)れの武闘家と見える。迂闊に近付くと奴に蹴り飛ばされてしまうぞ……!」



 えっと。武闘家じゃなくて、ただのコンビニの勇者なんだけどね。


 ……後、全員、俺の外見を軽くディスってくるのやめて貰っていいかな? 俺だって割と傷付く時もあるんだからさ。



 よーし、それなら今度はこっちから仕掛けてやる。


 俺は騎士達の正面に向かって、高速スピードで駆け寄る。

 俺の移動スピードのあまりの速さに驚いて、目を見開いて呆然としてしまう騎士達。


 それを俺は……『ホワ〜〜っ、たったった〜〜!』と、交互に脚を高速回転させて。一度に20人以上もの騎士達を、一気に遠くにまで蹴り飛ばしてやった。



「……ぐべッ!!」 


「……ぶごぉッ!!」 


「……おぶぇッ!!」



 コンビニの勇者が織りなす、華麗な脚技の数々。


 その目にも止まらぬ速さの足蹴りによって、次々と後方に蹴り飛ばされていく騎士達。

 彼らはパンケーキタワーのように、下から順番にオサームの前の床に積み重ねられていく。



「なっ、なっ……こんな事が……!?」


 配下の騎士達が、一瞬にして倒された事にオサームは驚愕の表情を浮かべている。


 安心していいぞ。全員ちゃんと生きてるからさ。

 ちょっと加減するのが難しいけど。上手く失神する程度に、俺は力を抑えて蹴り飛ばしたつもりだ。


 俺の場合、あんまり人を多く殺してしまうと異世界の勇者レベルが一気にあがって、魔王化が進んでしまう恐れがあるからな。

 急激なレベルアップをして。また北から巨大なコンビニに乗った灰色ドレスの女が、俺を誘拐しにやって来たりでもしたら大変な事になる。


 だから極力、無駄に人は殺さないように今後は気を付けなければならないだろう。



 オサームの周囲を守る騎士は、残り5人程度にまで減少していた。


 そいつらは俺の強さに恐れをなして。次々と手に待っている武器を落として、床にひれ伏していく。


 これはつまり、降伏をするという意思表示なんだろうな。



「……な、何をしている、この臆病者どもが! 早くその黒い男を始末してこんかーーッ!!」



 主君であるオサームが必死に怒鳴りつけても。

 彼の部下達は、その場からピクリとも動かない。


 オサームの部下の騎士達も戦士である以上、ある程度、戦場で実戦の経験を積んでいる者達なのだろう。


 そんな彼らにとって、目の前にいる俺がいかに『規格外』の強さをした存在なのかを、彼らは本能的に理解しているはずだ。


 この場でその事を何も分かっていないのは、オサームだけらしいな。


 往生際の悪いオサームは、床に転がる槍を拾うと。思いっきり力を込めて、それを俺に向かって投げつけてきた。



 ”――パシッ――!!”



 俺は投げつけられた槍を、今度は脚を使わずに左手だけで見事に掴み取ってみせた。


 その光景を見たオサームは、ワナワナと腰を抜かして、その場にお尻からドタンと座り込む。



「そ、そんなバカな……!? この者は一体、何者なのだ!?」


 親指の爪をガジガジと噛みながら。涙目になって悔しがるオサーム。

 あーあ、そんなに深く爪は噛まない方がいいと思うぞ。俺の母さんも爪を噛むのだけはやめなさいって、子供の頃から俺にキツく言い聞かせてくれたしな。



「……ふっふっふ。オサームよ、聞いて驚くなよ? この者こそは、この世界を救うべく異世界より召喚された選ばれし勇者。我に忠誠を誓う第一の(しもべ)――『コンビニの勇者』なのだ!!」



 な、何だってーーーッ!?


 ……って、感じで。


 両方の目ん玉が、外に飛び出しそうになるくらいにオサームは驚いていた。


「ま、まさか……!! その者が、あのコンビニの勇者だというのか! しかも陛下に忠誠を誓っているだと! そ、そんな事が……!?」



 あれ? 俺って結構有名人だったんだな。


 遠いバーディア帝国領にまで、俺の名前が轟いていたとは驚きだ。


 広間に居合わせていた、他の騎士達が一斉にその場で頭を下げて(ひざまず)き始める。


「……コンビニの勇者様といえば、グランデイル西進軍を打ち破り、かのアッサム要塞の再奪取にも成功をした、コンビニ共和国軍の最高指導者というではないか。そのようなお方がまさか、バーディア帝国にお越しになられて。しかもミズガルド陛下と一緒に行動をされていたとは……。ああ、何と尊い事なのだろう!」



 ――後で聞いた話によると。


 帝国の臣民や、兵士達の一部にも。コンビニの勇者の噂はこの時、かなり広まっていたらしい。


 なにせ帝国は、現在進行形でグランデイル軍による侵略を受けている真っ最中だからな。


 大陸中央部のアルトラス連合領で、グランデイル王国軍の侵攻を退けたという、異世界の勇者が率いる西の新興国。


 西方三ヶ国連合のドリシア、カルタロス王国とも同盟を組み。今や全世界の唯一の希望として名を轟かせている、コンビニ共和国のリーダーがここに来ているのだから、それはまあ……驚くのも当然か。


 一部の騎士達に至っては、俺の事をまるで神様を見るような目でじっと見つめてきている。

 

 女神教の信仰が強かった帝国の民からしたら、俺の事を女神様だと思って、崇拝をしてもおかしくはない状況なのかもしれない。



 コンビニの勇者が、皇帝ミズガルドと一緒にいる事。そして、ミズガルドの第一の家来? として行動を共にしている事を知った帝国貴族のオサーム。


 すると今度は、まるで手の平を返したように。

 俺とミズガルドの前に来て、慌ててその場でひれ伏し始めた。


「も、申し訳ございません……陛下ッ!! このオサームが間違っておりました!! これからは陛下の為に、全力で忠誠を誓って参りますので、どうか、どうか、こたびの無礼をお許し下されーーっ!!」


 地面に額をズリズリと(こす)り付けて謝るオサーム。


 いや、あんた……さっき『あの皇帝は偽物だ! 殺してしまえーっ!』って部下に命令したばかりじゃんか。


 裏切り者の家臣の突然の変節に、信用が置けないと判断をしているのは、ミズガルドも同じようだった。


「……フン。先ほどまで我を始末する気で満々であった貴様の言葉を、我がハイそうですか……と信じると思うのか? この愚か者めがッ!!!」


「ひいいぃぃぃぃ……!! お許しをーーっ!! どうか、お許しを、陛下ーーっ!!」



 オサームが、髪の毛がぐちゃぐちゃになるくらいに頭を床に擦り付けて謝り続ける。


 その光景は、まるでオレンジ色のモップで必死に床掃除をしている、親に叱られた子供のようだった。



「もう良いッ! 貴様の白々しい言葉など、最初から信じる気など無い! だから、我に聞かれた事だけを正直に答えるのだ、オサームよ!」


「はっ、ははーーーっ!! 何なりと、このオサームめの知っている事でしたら、全てを陛下にお話し致しますので……」



 ミズガルドは、剣をオサームのオレンジ色の頭に突き付けて。恫喝するような強い口調で、オサームに問いただした。


「貴様を始めとする反皇帝派の貴族共は、なにゆえ、帝国の影に君臨する夜月皇帝(ナイト・エンペラー)に服従をしているのだ? 奴から何か見返りでも与えられているのか? それとも、何か夜月皇帝に従わなければならない理由でもあったというのか?」


「そ、それは………。夜月皇帝様に逆らえば、私達は殺されてしまうからでございます……陛下!」


「殺されるだと? 貴様は夜月皇帝に脅されているから、服従をしていたというのか?」



 ミズガルドの鋭い問いかけに。オサームは覚悟を決めたように、大きな声を出して真実を語り出した。


「そ、そうなのです、陛下! 我らは夜月皇帝様によって、常に監視をされているのです。もし逆らうような事をすれば、家族や親類、そして家臣達でさえも……。何者かによって突然、暗殺をされてしまうのです! それが恐ろしくて、私を始めとする帝国貴族は、夜月皇帝様に逆らう事が出来なかったのでございます!」


「……だが、貴様にも数千を超える部下達がいるであろう! それなのに、自身の身を守る事さえも叶わなかったというのか!」


「陛下、夜月皇帝様が遣わす暗殺者は、神出鬼没なのでございます! どれほど城や身辺の警護を厳重に固めていも、いつの間にか大切な家族を殺されてしまうのです! いかに犯人を探し出そうとしても、その正体は決して見つける事が出来ませんでした……」


「うーむ……」



 ミズガルドは、オサームに突き付けていた剣先を引っ込める。どうやらオサームの言葉に、嘘はないと判断をしたようだ。


 今のやり取りを見ていて、俺もそう思った。このオレンジヘアーのおっさんの言葉に、偽りは無いと思う。


 つまりは、帝国の貴族達は……夜月皇帝が操る、正体の分からない暗殺者の影に怯えて、彼に逆らう事が出来なくなっていたらしい。


 目に見えない暗殺者というと、俺にはすぐに玉木の事が浮かんでしまうのだが……。

 もしかして夜月皇帝の下には、玉木と同じような能力を持つ、暗殺者の部隊でも存在するのだろうか。



「――陛下、私達は決して陛下に逆らう気があった訳では無いのです。ただ、姿の見えない暗殺者の影に怯えて、夜月皇帝様に逆らう事が出来なかっただけなのです!! なにとぞ、なにとぞ、この私をお許しをーーーッ………ゴブぇッ!?」



 その時――。突然、オサームが大量の吐血をして床に倒れ込んだ。



「なに……!?」


 オサームが絶命した事に驚くミズガルド。


 しまった! 俺もミズガルドも、一瞬だけ油断をしてしまっていた。


 オサームの背後には、いつの間にか全身がモサモサな黄色い体毛に包まれている、獣人のような男が立っている。


 その男の指から伸びた鋭い爪によって、オサームは背後から心臓を貫かれていた。



「――ミズガルド、危ないッ!!」


 俺は急いでミズガルドの身を守る為に、獣人男との間に割って入る。


 帝国貴族であるオサームを背後から襲って殺した男は、強靭な肉体を持ったライオン頭の男だ。



 俺とミズガルドが気付いた時には、いつの間にか俺達は数十匹を超えるライオン男達によって、周囲を取り囲まれていた。

 

 しかもその獣人男達の正体は、どうやら俺が先ほど蹴り飛ばした、オサームの配下の騎士達らしい。


 さっきまで、床に倒れていた騎士達が――突然、全身を巨大化させて、凶暴なライオン男へと変貌を遂げていたのだ。


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