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第二百十一話 第2次アッサム要塞攻略作戦④


 広大な敷地面積を誇る、アッサム要塞。


 その外見はまるで工業団地のように。大小様々な大きさの、石造りの砦が密集して出来ている。


 その広大な敷地の中に立て籠もるグランデイル軍の総数は、おおよそ3万人。

 それに対して、攻め手である連合軍の総数は僅か1万人程度だ。


 数の上だけで見れば、守り手であるグランデイル軍の方がドリシア・カルタロス王国軍を主力とする、連合軍の3倍もの兵力を有している。


 そして更に、グランデイル軍は難攻不落のアッサム要塞を所持していた。


 客観的に見て、この状況下では連合軍がグランデイル軍に勝てる要素は、皆無であると言えただろう。



 だがそれでも連合軍は、ここまで連戦連勝で勝ち上がってきている。


 その功績は全て、連合軍の主戦力である『3人の異世界の勇者達』の大活躍があったからだ。



「うっひょーー!! めっちゃ爽快だねーーっ! 敵はアッサム要塞に立て篭もらずに、全軍で前線に出撃してきたみたいだねーーっ!!」


 双剣を構えた『舞踏者(ダンサー)』の勇者である藤枝みゆきが、戦場の最前列で剣を鋭く構える。


「それはそうに決まってるじゃん〜! 敵は小娘3人だけと油断してるに決まってるもの。きっと霧島の奴も余裕で倒せると思って、わざわざ要塞から飛び出して来たんじゃないのかな? だってアイツって、クラスでも基本アホだったじゃん!」


 3人娘達の中では最も後方の位置に待機して。白馬に(またが)りながら、煌びやかなアイドル衣装に着替えた野々原有紀(ののはらゆき)が、ステージマイクを片手にそう叫ぶ。


「つまり霧島は私達、3聖姉妹将軍(ホーリー・シスターズ)の存在を甘く見てるって事よ! 1軍のエリート勇者に、3軍の勇者の実力を見せつけてやりましょう!」


 3人の中で、中間の位置に陣取りながら戦場を見つめている『ぬいぐるみ』の勇者の小笠原麻衣子(おがさわらまいこ)

 小笠原は可愛いポニーのような外見をしたぬいぐるみの馬に乗りながら。他の2人の勇者に対して……右手を振り下ろして戦闘開始の合図を送った。


「よーーーし!! みんな行くわよーーーッ!! 霧島の汚いケツの皮をひんむいてやりましょうーーッ!!」



『『『おおおーーーーーっ!!!』』』



 一番最初に先陣を切ったのは、3人娘達の中では唯一、馬に乗っていない舞踏者(ダンサー)の勇者の藤枝(ふじえだ)みゆきだ。


 舞踏者の勇者は、持ち前のスピードを生かして素早く大地を蹴ると。まるでオートバイに乗っているかのような高速スピードで、グランデイル軍が待ち構える敵陣に向けて突進を開始していく。



 藤枝みゆきがたった1人だけで、自軍の陣に向けて突撃をしてきた事を知ったグランデイル軍総大将である霧島正樹(きりしままさき)は――。


 自軍に控えている3000名を超える弓兵部隊に、こちらに向かってくる敵に対して、一斉射撃をするように指示を与えた。



 ”ビュン、ビュン、ビュン、ビュン!!”



 空を飛び交う、無数の殺人矢の集中豪雨。


 しかもご丁寧な事に、その鋭い矢尻(やじり)の先には……殺傷力の高い『毒』まで塗りこんであった。


「ぶっひゃっはっはっーーー!! バーカっ!! お前らみたいな3バカトリオの相手を、この俺様がまともにしてやるとでも思ったのかよーー! 体中に毒矢を浴びて一瞬で無様に死に晒せよ、この落ちぶれクソ雑魚3軍勇者共がぁぁーーーっ!!」


 グランデイル軍の弓兵隊によって放たれた、毒矢の雨を見つめながら。霧島は腰に両手を当ててドヤ顔で高笑いをした。


 霧島もグランデイル西進軍を指揮して、アルトラス連合領を破竹の勢いで制圧してきた男だ。部下達からの評判が悪い、その性格面はともかくとして。

 大軍を指揮する指揮官としての能力は、霧島はそれなりに高かったといえる。


 正体の分からない敵に対して、正面からぶつかるような事はせず。霧島はまずは安全な場所から弓兵部隊による遠隔攻撃を加えて、敵の様子を探る事にしたのだ。


 連合軍の3聖姉妹将軍(ホーリーシスターズ)達に向けて飛んでいく無数の矢は、上空で緩やかな放物線の軌跡を描き、そして重力に引かれて地上に降り注いでくる。



 だが……グランデイル軍の放った3000本を超える無数の毒矢は、全て――。



 ”ガキガキガキーーーーン!!!”



 3人娘達の周りを取り囲む『見えない壁』に衝突して、全て弾き返されてしまった。



「――なにっ!? おい、何で矢が全く当たらないんだよ!」


 驚愕の表情を浮かべる、グランデイル軍の氷結将軍(アイス・ジェネラル)こと霧島正樹。


 ドリシア王国の国境付近での戦いで負傷し。治療の為に先にアッサム要塞に帰還していた彼には、連合軍で活躍している3人娘達の情報は正確には伝わっていなかったようである。

 それとも彼は鼻から相手を3軍の格下勇者達……と小馬鹿にしていた為、部下達からの報告に、ちゃんと聞き耳を立てなかったのかもしれない。



 戦場で白馬に騎乗しながら、マイクを片手に歌うアイドルの勇者――野々原有紀(ののはらゆき)


 野々原は広範囲に物理防御結界を張りながら、自身が騎乗している白馬を巧みに操り、戦場を自由自在に駆け回っていた。


 その為、最前線にまで突進している藤枝みゆきのいるギリギリの範囲にまで、防御結界を届かせる事に成功したのだ。



「サンキュー、有紀(ゆき)! よーし、いっくよーーっ!!」


 野々原の張る防御結果の範囲外に飛び出した藤枝みゆきは、両手で双剣を構えて。グランデイル軍の最前列で構える槍隊の中に大ジャンプをして飛び込んでいく。


 長槍を構えたグランデイル軍の槍部隊は、横一列に約5000人が整列していた。


 普通に考えれば、たった1人で5000人の敵兵が整列している敵陣に突撃するなんて行動は、絶対にあり得ない。そんなのはただの自殺行為だ。


 だが、藤枝みゆきは……まるで流れる小川のような華麗な動きで、敵の槍隊の足元へと自らの体を滑り込ませていく。

 そして両手に待つ双剣を高速で回転させて。グランデイル軍の槍隊が持つ長槍を、横から順番に斬り刻んでいった。



「ハイハーーイ! みんな大人しくそこに並んでてねー! あなた達の自慢の槍は全て、長ネギを包丁で切るみたいに順番に斬り刻んでいってあげるからねー!」


 自身の脚力だけで戦場を駆け抜ける藤枝みゆきは、グランデイル軍の長槍隊が持つ槍先部分だけを正確に、双剣で順番に斬り落としていく。


 もちろんグランデイル軍も、その光景を黙って見ている訳ではない。


 突進してくる敵の勇者に対して、グランデイル軍の長槍隊も反撃を試みる。

 敵はたかが小娘……それもたった1人なのだ。槍先で貫いて血祭りにしてやろうと長槍を必死に振るうが、なぜか槍は全く当たらない。


 それもそのはずだ。舞踏者(ダンサー)の勇者である藤枝みゆきの姿は、いつの間にか8人に分裂して見えていた。


 彼女達が元いた世界の言葉で、それを的確に表現するとしたら……。『まさか、残像なのかーーッ!』と、思わず叫びたくなるような状態である。


 大幅なレベルアップを遂げた舞踏者(ダンサー)の勇者は、自身の残像を周囲に出現させて。数の上で遥かに勝るグランデイル軍の長槍隊の攻撃を、華麗にかわしてみせていた。


 藤枝みゆきは常人では、決して目で追う事が出来ない高速スピードで、華麗な剣舞を踊りながら戦場を駆け巡る。


 前線に整列していた長槍隊5000人は、所持していた槍の先端部分を全て舞踏者(ダンサー)の勇者によって切り落とされ。

 戦意を喪失して、一斉に後方に退いていった。

 

 だが、敵の陣の奥深くに単独で突入してしまった藤枝みゆきは……今度は後方から駆けつけてきた、グランデイル軍の魔法部隊によって、すぐに包囲されてしまう。

 


 黒いローブを身にまとった、グランデイル軍の魔法部隊――約200人が横一列に整列し。

 舞踏者の勇者に向けて、一斉に魔法の杖を構えた。



「朽ち果てるがよいッ! 魔王に仕えし異世界の勇者よッ! 邪悪なる魔王の配下をその業火によって(めっ)したまえ!! 『火炎球体(ファイアーボール)』ーーッ!!」


 合計で200を超える火炎球が、舞踏者(ダンサー)の勇者に向けて、四方八方から一斉に降り注いでくる。



 藤枝みゆきが今、立っている場所は……アイドルの勇者である野々原の張る防御結界の範囲外だった。

 

 例え無数の残像で、本体の位置を把握しづらく出来る藤枝みゆきであっても……。無数の火炎球攻撃の直撃を受けたら、ひとたまりもないだろう。


 藤枝みゆきの危機を察した野々原は……急いでステージマイクを、藤枝みゆきの立っている場所に向けて、馬上から振りかざす。


「コンサート会場外にいる観客にも、私の輝かしいアイドルステージの照明を届かせたまえーーーっ!! 『閃光照明障壁(スポットライト)』ーー!!」



 アイドルの勇者である、野々原の叫び声と共に。


 上空から真っ白に光り輝くステージの照明が、藤枝みゆきの周囲にピンポイントで降り注いでくる。


 その光はまるで、天から祝福の光が地上に向けて降り注いできたかのような、美しさと慈愛で満ちていた。



 ”ズドドドーーーーーン!!!”


 グランデイル軍の魔法部隊が放った火炎球全てが、空から降り注いできた白い光の照明によって防がれる。


 アイドルの勇者である野々原は、例えそこが防御結界の範囲外であったとしても。指定した場所に、空から照明光(スポットライト)を浴びせる事で、局地的な防御結界を届かせる事が出来るようになっていた。



「ひゅぅーーっ、あっぶなーーい!! また有紀(ゆき)に助けられちゃったわね、ありがとうーー!」


 藤枝みゆきは、後方にいる野々原に向かって大きく手を振る。


「どう致しまして〜! みゆきも頑張ってね〜!」



 マイクを使い、藤枝みゆきにも届くような大声で野々原が後方から返事をした。


 それを聞いた藤枝みゆきはその場でニヤリと笑うと。

 まるで狼のように地面を力強く蹴り、大地をもの凄い速さで疾走していく。


 今度は、先ほどのような手加減はもうしない。


 武器を斬り落とすだけで済ませた先ほどの槍部隊とは違い、約200人いるグランデイル軍の魔法部隊に対しては、藤枝みゆきは容赦なく、双剣を振るって瞬時に敵の命を刈り取っていく。


 舞踏者の勇者は、再び自身の周りに複数人の残像を同時に生み出した。

 そして高速スピードで大地を駆け回り、魔法部隊の体を斬り刻んでいくその姿は……。グランデイル軍にとっては、まさに死を司る死神のように見えたはずだ。


 死神の鎌を縦横無尽に振り回し続けたみゆきは、あっという間にグランデイル軍の魔法部隊全員を斬り刻み、その命を全てこの世から奪い取っていった。


「よし、敵の魔法部隊は全滅させたわよーー!! 麻衣子ーーっ!! 後は任せたからーーっ!!」


 前線で双剣を振るうみゆきの叫び声を、今か今かと待ち構えていたかのように……。


 戦場で全体の戦況を見守っていた、連合軍の最終兵器。

 『ぬいぐるみ』の勇者の小笠原麻衣子(おがさわらまいこ)がとうとう動き出す。


「分かったわーー!! ぬいぐるみ軍団、全軍突撃開始よーーっ!! グランデイル西進軍をアッサム要塞から全て追い出してやりなさいーーー!!!」



 ぬいぐるみの勇者の小笠原の大号令と共に。


 小笠原の周辺に出現した、重武装をしたクマのぬいぐるみ騎兵団――おおよそ1000騎が、グランデイル軍の陣に向けて猛烈な勢いで突撃を開始した。


 茶色いぬいぐるみの馬に、クマのぬいぐるみが乗った可愛い外見をしているぬいぐるみの騎兵団。

 それはレベルアップをした小笠原麻衣子が、新たに召喚出来るようになった、ぬいぐるみの重武装騎兵団だった。


 ぬいぐるみの馬に騎乗している可愛いクマ達は、全身に金属の鎧を着て重武装をしている。

 そしてその手には、長さ3メートルを超える長槍を装備し。外見の可愛さからは全く想像も出来ないくらいの、本格的な強さを兼ね揃えた屈強な騎馬兵達でもあった。



 そんな実力派揃いの騎兵団が、凄まじい速さで一気にグランデイル軍の陣へと駆け込んでいく。


 既に舞踏者(ダンサー)の勇者によって、前線の槍隊は崩壊させられている。


 小笠原麻衣子が率いるぬいぐるみの騎兵団の突撃に合わせて。藤枝みゆきは、今度は敵の弓部隊が整列する陣に突撃を開始し、弓兵隊を次々と双剣で蹴散らしていった。


 魔法部隊、弓兵部隊と、グランデイル軍に所属する遠距離攻撃が可能な部隊を行動不能に追い込み。小笠原麻衣子が操るぬいぐるみ軍団の唯一の弱点――『火』による攻撃が行える敵を、先手を打って封じ込める事が藤枝みゆきの役割だった。


 そしてその任務は、立派に果たされ。グランデイル軍の遠隔射撃部隊は既に壊滅状態となっていた。



 武装したぬいぐるみの騎馬隊と共に、リーダーである小笠原麻衣子は、敵陣の奥深くにまで一気に突入していく。


 敵の騎馬隊の侵入を許し、大混乱に陥ったグランデイル軍の陣の中で……。小笠原はとうとう最後のとどめとなる『究極の切り札』を召喚する事にする。



「いでよーーッ!! 武装した『超巨大クマのぬいぐるみ』よーーッ!!!」



 ”ズドドドーーーーーーーーン!!”



 グランデイル軍が立ち並ぶ敵陣のど真ん中に。


 全長70メートルにも及ぶ、『超巨大クマのぬいぐるみ』が突如として姿を現した。


 その圧倒的な存在感を初めて目撃した、グランデイル兵達は……恐怖のあまり、次々と武器を放り捨てて。アッサム要塞周辺の戦場から逃げ出していく。


 あんな巨大な化け物に勝てるはずがない。グランデイル兵達がそう恐れ、敵前逃亡していくのも仕方のない事だった。



 小笠原によって召喚された超巨大クマのぬいぐるみは……以前とは、その見た目が全く異なっている。

 

 その全身には、まるで戦国時代に日本の武士が身に付けていたような、黒い甲冑と兜が装備させられている。そしてその巨大な手には、大きな銀色のフォークが握られていた。


 クマのぬいぐるみとしての外見の可愛さは維持しつつも、戦国武士の甲冑を装備した、謎の戦闘巨人の姿に大変貌を遂げていたのである。


 少なくとも、高さ70メートルを超える巨大な化け物を初めて目にしたグランデイル兵達には……。その姿は絶望的な恐怖の象徴として、目に映っただろう。


 アッサム要塞の前に陣を構えていた、総数3万人グランデイル軍のうち。半数以上の騎士達が武器を捨てて、既に戦場から撤退を開始している。


 残った騎士達も、小笠原が追加で召喚した10メートルサイズのクマのぬいぐるみ軍団による猛攻撃と、藤枝みゆきの華麗な剣技の前に、次々と防御陣を切り崩されていった。


 例え、彼女達に反撃を試みようとしても。後方でステージマイクを片手に熱唱するアイドルの勇者が、2人に向けて『照明光(スポットライト)』のピンポイントバリアーを張り、全ての攻撃を防御してしまう。


 グランデイル軍は、もはや彼女達3人に手を出す事さえ出来ないでいた。


 完全に戦意を喪失したグランデイル軍の騎士達は、戦線崩壊を起こして総崩れの状態となる。


 ここまでは、出来るだけ短時間で敵の犠牲を最小限に抑え、最短での勝利を目指した3人娘達の、作戦通りに戦いは進んでいた。



 そして――そんな3人娘達の大活躍を快く思わない人物がグランデイル軍の陣の中にいた。


 その男は、さっきからずっと奥歯をカタカタと鳴らしながら。額に血管の太い青筋を浮かべつつ、苦虫を噛み潰したような表情で戦場を見つめ続けていた。


 そう……その男とは、グランデイル西進軍の総大将である、『氷結将軍(アイス・ジェネラル)』こと霧島正樹(きりしままさき)である。


 彼は頭上に黄金の冠を被り、黒いマントを(ひるがえ)して怒りを露わにした。



「ぐぬぬぬぬぬ……っ!! 味方は一体何をしているんだよッ!! あんな小娘達に好きなように暴れさせて……それでもお前ら本当に騎士団なのかよ!! あんなクソ雑魚共、さっさと始末して来やがれッ!!」


「ですが、氷結将軍様……! 味方は既に戦線崩壊を起こしています。このままではもはや、敵の進軍を食い止める事は我々には不可能かと思われます……」


「ふ、ふざけるなああああぁーーーーッ!!!」


 霧島は戦況の報告にきた騎士の顔を、グーパンチで思いっきり殴り飛ばした。


 その様子を見たグランデイル軍の本陣にいた騎士達は……。

 一斉に総大将のいる霧島の陣から飛び出し、武器を放り捨ててどこかへ逃げ出していく。


 彼らはもう、完全に自分達のボスである霧島の事を見放したのだろう。正直に言って……内心では『やってられるか……!』とずっと思っていたに違いない。


 ただでさえ、あのような巨大な化け物が相手だというのに。

 まるで幼い子供のように癇癪(かんしゃく)持ちで、無能な総大将のご機嫌なんて(うかが)っている場合ではない。早くここから逃げ出さないと、自分達の身が危ないのだ。



 気付くと……霧島の周りには、味方は誰も居なくなっていた。


 異世界の勇者であり、1軍の選抜エリートでもあり、そしてグランデイル西進軍の総大将であるこの自分を置いて、どこかに逃げ出していくなど……。

 そんな事は、騎士として絶対に許されない事だ。これは軍法会議ものだぞ。後で必ず全員、皆殺しにしてやるからな!



 霧島は怒りで全身を震わせながら、大混乱に陥っている戦場を睨みつけるようにして呟く。


「よーーし、それならこの俺様が直々に相手をしてやろうじゃないかよ!! 異世界の勇者としての『格の違い』を見せつけてやるぜ、3軍のゴミ屑ビッチ女共があああぁぁぁーーーッ!!!」


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