第百七十七話 圧倒する砂漠の魔王の超パワー
砂漠の魔王、モンスーンの生み出した黄色いサソリ軍団が一斉に俺に向かって飛び掛かってくる。
これがまだ小さいバッタの大群なら、少しは可愛げもあるんだがな。でも、残念ながら今……俺に襲い掛かってきているのは、体長が2メートル近くある巨大サソリの大群だ。
俺は変幻自在に操れるコンビニ店長専用ロングコートを硬化させて、すぐさま迎撃体制を取った。
黒いコートの裾の先端部分を、刃物のように鋭く尖らせて振り回し。一度に7〜8匹を超える巨大サソリ達の体を、同時に横一文字に切り裂いていく。
「うおおおぉぉーーっ!! ついでに、こいつも食らいやがれ!! 『青双龍波動砲』ーーーッ!!」
両肩に浮かぶ2機の小型守護衛星から、強力な青いレーザービームを俺はサソリ達に向けて勢いよく大放出する。
””ズドドドーーーーーーーーーーン!!””
前方に迫ってきていた黄色いサソリの群れは……まるで『モーゼの十戒』で、真っ二つに引き裂かれていく大海原のように。
聖なる青い光のビームによって、まとめて消し飛ばされていく。
強力な青い光のレーザーが発する高熱は、サソリ達の体を次々と蒸発させて、この世界から強制的に消滅させてしまう。
おそらく今の砲撃だけで、100匹以上の黄色いサソリの群れを蹴散らす事に成功しただろう。
改めて俺は、自分の能力によって放たれたレーザー砲のあまりの威力の凄さに、思わず感動してしまった。
とうとう俺も、チート性能を持った本物の異世界の勇者に成る事が出来たんだな……と、今更ながらにしみじみと思う。
思えばここまで到達するのには、本当に長かった気がするな。
今思うと、何でもっと早く俺をチート性能の勇者にしてくれなかったんだよって、つい愚痴りたくもなる。
最初の頃は、低レベルの魔物相手に消火器で戦ったり。マッチでスプリンクラーに火を付けて、敵が混乱した隙にコンビニから逃げ出そうとしたり。
本当にそういう、下積み時代みたいな苦労設定はいいから、もっと早く俺を無双勇者にさせてくれよ……って、つい思ってしまうけど……。俺の能力『コンビニ』は元々、そういう面倒くさい仕様だったから、まぁ仕方ないか。
それでも、少しずつおにぎりが増えたり。コーラが追加されていくような過程は、本当に楽しかったと思うぜ。
俺にとっても色々な事を学ばせて貰えたのは、異世界の勇者としての心の成長にも繋がったと思うしな。
俺は頭の中で、コンビニの能力に対しての不満を愚痴りながらも。黒いロングコートをマントのよう振り回して、押し寄せる巨大サソリ達を順番に切り裂いていった。
体をバネのようにしならせて。大きく跳躍をしながら敵の前でコートを振り回す。
そして押し寄せるサソリの波を、鋭利なスライサーのように切り刻み。2メートル超えのサソリの巨体を、輪切りにされた玉ねぎのように綺麗にカットしていく。
対する天気の勇者――いや、今は『砂漠の魔王』となったモンスーンの基本行動も俺と同じだ。
モンスーンは俺には見向きもせずに。まずは空中に浮かんでいる攻撃ドローンから、順番に撃墜する事に集中しているようだ。
「うるおおぉぉぉあああああぁぁぁぁーーーっ!!! 『暴風嵐乱陣』ーーーッ!! この世全ての理を無視して乱れ吹き荒れろぉぉっ! 破壊と創生の嵐よおおぉぉぉ!!」
モンスーンが繰り出す暴風を伴った破壊の嵐によって。
空に浮かぶ20機以上のドローン部隊が、まとめて空中で破壊され。次々と爆破させられていく。
モンスーンが俺ではなく。先に上空を飛び回るドローンを狙うのには理由がある。
それは俺がドローンからのミサイル攻撃を全て、砂漠の魔王であるモンスーンの体にめがけて集中させているからだ。
たしかにモンスーンの背後の砂漠から無限に湧き出てくる、黄色いサソリの大群は脅威だ。
それを迎撃する為に、コンビニガード達や空中に浮かぶドローンによる、一斉砲火攻撃を使いたいと一度は俺も考えたさ。
……でも、それは今はダメだ。
モンスーンの野郎を放っておくと、奴はすぐに空から青いぬくぬくとした温水シャワーを全身に浴びて。自分の体の傷を完全回復させようとしてくる。
おまけに一定時間、隙を与えてしまうと。小太陽を大爆発させる、超大技をこちらに向けて放ってきやがる。
この手のパターン化された動きをする、格闘ゲームのボスキャラと対戦をする時には――。
プレイヤー側が対処すべき行動は、いつも決まっているんだ。
――そう。ひたすら『ハメ技』に特化して。
相手を限界ギリギリにまで追い込み続けるしかない。
敵のボスキャラを画面の壁際にまで追い込んで。そこでひたすらに体力を削る、小技を繰り返す事で倒すんだ。
ん? 卑怯だって……?
いやいや、ハメ技を使って初見のボスを倒すのは常套手段なんだぞ!
だから、俺は持てる戦力の全てをモンスーンの体力削り作業に当てている。そうでもしないと、この戦いには絶対に勝てないだろうからな。
モンスーンの野郎は、チート勇者のこの俺も認める、マジでチート級にヤバい化け物だ。
奴が砂漠から無限に生み出す黄色いサソリ軍団には、ドローンの力を借りずに、何とか俺1人で対処をするしかない。
それに今の俺になら、これくらいのサソリ軍団を1人で相手するのは余裕だからな!
「……なんてったって俺は、敵と直接戦闘の出来る『最強系』の異世界勇者に転職をしたんだからな! 最初からレベル20のチート勇者として生まれるよりも、レベル20の遊び人が転職をして、賢者に生まれ変わった方が強いんだって事を思い知らせてやるぜーー!!」
俺は空に浮かぶドローン部隊から。一斉に小型ミサイルをモンスーンに目掛けて発射させる。
「チィィィッ……!! ああああぁぁッ、面倒くせえなあああああぁぁぁーーッ!!」
”ズドドドドーーーーーーーン!!!”
自身の体に集中する100発を超えるミサイルを全て、モンスーンがシールドを用いて防ぎきる。
そして今度は突然、俺のいる方向に向き直ると――。
その場で思いっきり拳を振り上げながら、猛スピードで俺に殴りかかろうと、こちらに向けて猛突進をしてきた。
どうやらドローン制圧は後回しにして、大元の俺を先に始末する事にしたらしいな。
プロボクサーのように勢いをつけて。風を切るように繰り出されたモンスーンの渾身の右ストレートパンチ――。
俺はそれを、黒いロングコートで自分の体をスッポリと包み込むように変化させて、完全ガードした。
――よし、いいぞ、俺! なかなかやるじゃん!
段々と強化された自分自身の身体能力を、上手に使いこなせるようになってきた気がする。
体の身軽さだけじゃない。敵の攻撃に対応する条件反射。攻撃の威力を見極める判断力。そして……実際に攻撃を受け止めて、防ぎきれるだけの筋力。
それらの全てが、まるで最初から近接戦闘の得意な戦士だったかのように。今の俺は、強化された自分の肉体を自由自在に使いこなす事が出来ている。
俺はモンスーンが繰り出してくる強烈なパンチを、高速移動でかわし。直撃を受けないように、攻撃を受けるギリギリのタイミングで跳躍をして避ける事が出来るようになっていた。
これならもう、コンビニの守護者であるアイリーンやセーリス。それに近接戦闘系勇者の、『剣術使い』の雪咲や、『舞踏者』のみゆきの後ろに隠れて戦うような事をしなくても良さそうだ。
なぜなら俺自身がもう、近接戦闘の出来る戦士として。ちゃんと正面から敵と戦う事が出来るようになったんだからな。
ついつい調子に乗って、余裕の表情を浮かべていた俺に。
筋肉モンスターのモンスーンが繰り出す、強烈な左ストレートアッパーパンチが視界の真下から突然襲い掛かってきた。
ヤバっ……!? それは、流石にマズイぞ!!
黒いロングコートの防御が、完全には間に合わずに。
モンスーンのパンチで殴り飛ばされた俺の体は、大きく後方にまで弾き飛ばされいく。
致命傷になるような打撃ではないが、すぐさま俺は受け身をとり、空中で体を回転させながら姿勢を立て直す事にした。
今のは流石にちょっとヤバかったな……。
いくら俺のレベルが上がって、身体能力がめちゃくちゃ向上をしたといっても。
向こうは、レベルが『カンスト』状態にまで到達している、最強の魔王だからな。
油断をして野郎の攻撃をまともに受けたりでもしたら、一瞬にして体をバラバラに粉砕されてしまいかねないぞ。
おまけに、今の俺はもう――。
コンビニ店長服の無敵防御機能を3回分、全て使い切ってしまっている。だから、もう少し慎重に行動しないとマジでヤバい事になりかねない。
「うおらあああああぁぁぁぁーーーっ!! ちょこまかちょこまかと、バッタみたいに飛び回って逃げるんじゃねえぜええええぇぇぇ!! さっさと俺の拳を受けて、くたばりやがれええぇぇぇーーッ!!!」
猛獣と化した鼻息の荒いモンスーンが、凄い勢いでこちらに迫ってくる。
対する俺は、すぐにその場で立ち直り。
迫り来る猛獣に対する迎撃態勢を整えて。両手を顔の前に構える、ボクサーのような体勢をとった。
もし、俺が剣とか槍の使い手だったなら。ここは格好良く武器を構えるポーズをして、敵を待ち構える所なんだろうけどな。
でも残念ながら、俺はそういった武器の使い手系の勇者ではない。だからこうして素手を構えて、接近戦を得意とする武闘家のようなスタイルを取るしかなかった。
……まあ、実際には拳で殴るような事なしないけどな。
どっちかというとイメージ的には、吸血ヴァンパイアが自分の着ている漆黒の黒マントを振り回して、敵と戦うような感じだろう。
「うるおぉああああああぁぁぁぁーーーッ!!!」
”ドスーーーーーン!!”
モンスーンの渾身の左ストレートを――。今度は完璧な間合いで、俺は見事に受け止めてみせる。
すかさず左右両方の拳を、交互に追加で叩き込んでくるモンスーン。
俺は軽快な足のフットワークを使って、ギリギリのタイミングそれら全ての攻撃を巧みに避わしていく。
「――おい、モンスーン! お前は自分の力の限界を超えて、この世界で最強の魔王になる事を目指しているとか、さっきほざいてやがったよなぁ?」
「あーーんん? 誰が、何をほざいただってええぇぇぇ? 俺様はいつ、どんな時でも、常に高らかに宣言をしているぜえええぇぇぇ!! この俺様が誰よりも強い『最強の魔王』なんだって事をよおおおぉぉぉーーーっ!!」
「へぇ〜。最強を目指している割には、マイラ村に住む小さな女の子を生贄に出させたり。人間を東の土地からさらってきたりと、随分と姑息な事もしているようじゃないかよ!」
モンスーンの攻撃をかわしつつ。時にはその全力パンチを、硬化させたロングコートで全て受け止めて。
それとなく俺は、モンスーンに問いかけてみた。
俺の問いかけに対する、奴の回答は……。
「ハアあああぁぁぁッ!? なーーに言ってんだ、おめええぇぇはよおおぉぉ? 虫けらみたいなクソ雑魚の人間が、俺様の肉体強化の為に死ぬのなんざ当たり前の事だろうがぁぁ!! 弱えぇぇ生き物は、存在する価値なんてねええぇぇんだよッ!! この世界の人間を殺すのが最もレベルを上げるのに効率がいいんだから、魔王になった後でも、定期的に人間共を殺してレベルアップするか試しておくべきだろうがああぁぁッ!!」
「……お前、自分が一体何を言っているのか理解出来ているのか? それでも本当に、元異世界の勇者なのかよ!」
目の前にいる砂漠の魔王の返答が、あまりにもぶっとんでいやがったので……。
俺はマジで、目を思いっきり見開いて聞き返してしまった。
「いいかあぁぁ? おめえみたいに、まだ『魔王化』もしていないような、ひよっ子の勇者には分からないかも知れないけどなああぁぁッ! 俺達魔王はレベルが99になってカンストしているから、自分の能力値が上がっているのかどうかなんて、もう分からねえんだよッ! でも実際には、数字には表示されない能力値上昇ってのもあるらしいんだぜぇ? だからそれを試す為にも、定期的にアリ以下の存在価値しかない人間共を殺して。自分の能力値が上がるのかを、常に試しておく必要があるだろうがあぁぁぁ!!」
「……とても、元『異世界の勇者』が言う台詞とは思えないな。不老の魔王になっても、脳みそだけは不老化せずに、そのまま完全に腐っちまったんじゃないのか? てめえだって、元は異世界人だろう? 人間が生きていく上で守られるべき『人権』ってものを何だと思ってるんだッ!!」
俺はモンスーンのメガトンパンチを、黒いロングコートで防御しながら。
野郎の周りをピョンピョンと跳躍をして、ギリギリのラインで攻撃をかわし続ける。
「――ハアああああッ!? 『人権』だぁぁぁ!? よく分からない言葉を叫ぶんじゃねええぇぇっ!! 俺の父親は、俺の母親の夫を殺して無理矢理俺を孕ませた敵国の兵士だったぜ! しかも俺が生まれてすぐにその母親も父親も、更に別の国から侵略してきた敵兵に殺されちまったから、俺は親の顔なんて全く覚えちゃいねええんだよぉッ!! 生きる為に、弱えぇぇ奴は常に強い奴にぶち殺されるッ! 蹂躙されるッ! それが俺がいた『元の世界』での常識だぜええぇぇ! 訳分かんない言葉ばっかり並び立てるんじゃねええぇぇッ!!」
モンスーンが最大加速で振り回してきたパンチが、見事に俺の体をガードしていた、ロングコートに直撃する。
「ぐふううぅっーーーーッ!?」
ヤバい……今のはかなり脳が揺れたな。
何とか、脳震とうを起こす事だけは避けられたようだが……。強烈すぎるモンスーンの怒りのパンチで、俺の体は遥か後方にまで弾き飛ばされてしまった。
クソっ……! 少しだけ目眩がする。
頭の回転もヤバいけど、奴が語った話の内容も相当にヤバかった。
――でも、なるほど。そういう事か。
現代日本から召喚された異世界の勇者以外の存在を、俺はあまり知らなかったから。つい、俺のよく知っている日本の常識で奴の存在を量れると思っちまった。
どうやら奴は、俺達の常識が通じる世界から召喚されてきた人間ではないらしいな。
仮に俺と同じ世界から召喚されていたとしても――。それはきっと戦争の絶えなかった中世暗黒時代のヨーロッパ辺りからやって来たのかもしれない。
それどころか、そもそも全く違う。常に戦乱に明け暮れているような、どこか『別の世界』から召喚をされてきた可能性の方が強そうだ。
こっちの世界に召喚されると、全員がこの世界の言葉を最初から話せるようになっているから、正直……その出身は分かりづらい。
だが……最初から人間には人権があるとか。生存権が認められているだなんていう、俺達の世界の常識が全く通じない奴なら、そもそも話が通じる訳がない。
それこそ、このモンスーンには……。ソラディスの森でティーナを助けた時に遭遇した、あの野蛮な盗賊達レベルの脳みそしかないのかもしれないな。
そんなクソ野郎が、今はこの世界で魔王になってしまっている。そしてそのせいで、砂漠で奴隷のように扱われて。何世代にも渡って砂漠の中で過酷な生活を強いられてしまっている人間が大勢いる事を、俺は絶対に許す訳にはいかない!
俺はその場ですぐに立ち上がると――。
再びこちらに向けて全力疾走してきている、モンスーンの体に向けて――。
コンビニ支店3号店と4号店から、ガトリング砲による重火力砲撃を一斉に加える事にした。
「よーし、これでもくらいやがれーーーッ!! 頭の完全にイカれたれた狂戦士野郎がぁぁーーッ!!」
スマートウォッチを操作して。ガトリング砲の照準を全てモンスーンに向ける。
そして、そのまますぐに俺は砲撃を指示をするアイコンをタッチしたのだが………。
「えっ……!? どうしたんだよ!? 何でガトリング砲が発射されないんだよ!」
俺が焦り顔を浮かべるのを見て。こちらに向けて走りながら、ニヤリとほくそ笑むモンスーン。
周囲を見ると、いつの間にかに……。幻想の森の両端に配置させておいた2つのコンビニ支店が、黄色い巨大サソリ達の大波によって完全に飲み込まれてしまっていた。
屋上に装備されていた2門のガトリングショック砲の砲台も、サソリの大群によって完全に埋め尽くされている。
おかげでガトリング砲はもう……。操作をする事も、動かす事も出来ないと状態となり。完全にその存在が無力化されてしまっていた。
クソ……そうかッ!
俺がモンスーンと格闘戦をずっとしていたから。
無限に増殖するサソリ達が、どんどんとその数を増やして。ドローンやコンビニガード達を生み出している2つの拠点、コンビニ支店3号店と、4号店を完全に制圧してしまっていたのか……。
元々、無限兵隊である巨大サソリと、機械兵を生み出すスピードにも俺とモンスーンには差があった。
砂漠の魔王として異世界の勇者レベルが完全にカンストしているモンスーンと違って。俺の異世界の勇者レベルは、まだ30でしかない。
コンビニから出撃させられるドローンや、コンビニガードの数もその上限数が限られている。俺の能力は決して『無限』という訳ではなかった。
森の中に潜ませていたコンビニガード達も、徐々に巨大サソリ達の大群によって駆逐されていき。
コンビニという出撃拠点を失ったドローンも、その数を次々と減少させてしまっている。
野郎……まさかこれを狙って。
さっきから俺にばかり、攻撃を集中させていたって訳なのかよ……。
「ハッハッハッハあああぁぁぁーーーッ!! まあ、そういうこったぁぁーーーッ!! 諦めてさっさと俺の特大パンチを食らって、粉々に砕けちまいやがれよおおぉぉぉ!! この半熟勇者があああぁぁーーーッ!!」
モンスーンがその場で大きくジャンプをする。
上空から重力の加速を、自身の落下スピードに付加して。今までで最大の力を込めた渾身の一撃を俺に加えようと、雄叫びを上げながら空から襲い掛かってきた。
この至近距離じゃ、ドローンからのミサイル攻撃も当てる事は出来ない。無理矢理撃てば、確実に俺にも命中をしてしまうだろう。
でも、今の俺にならきっと……。
俺は覚悟を決めて、その場で大きく深呼吸をする。
そして、大きく息を吐いた後で。
中指を突き立てて、空から落ちてくるマヌケな猛獣に向けてこう叫び返してやった。
「バーーカーーッ!! この単細胞野郎ッ!! ずっと待ち構えていたのはこっちの方なんだよッ!! わざとドローンのミサイル攻撃を当てないようにして、お前のお得意の肉弾戦に付き合ってやっていた事に全く気付かないなんて。やっぱりお前は、頭の脳みそが腐った超絶どアホ野郎だぜーー!」