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第百五十二話 サソリサソリサソリサソリ


 マイラ村に押し寄せる、黄色いサソリの大群。


 それは青い神官メフィストが先程、村に引き連れてきた魔物達と同種のタイプのようだった。



 一匹一匹の大きさが、人間サイズくらいはある巨大サソリの魔物達。



 別にコレがほんの10匹くらいの襲撃なら、どうって事はないんだ。その程度の数ならマイラ村の人々にだって、武器さえ有れば何とか自力で撃退出来るレベルだろう。



 でも、一番問題なのは……。


 村をぐるりと囲んで。砂漠から一斉に押し寄せてきている巨大サソリの群れが、数万匹以上の凄まじい数がいるという事だ。


 おいおい、地平線の彼方までサソリの大群で埋め尽くされているんじゃないのかよ、アレは……!



 ああ……しかも、俺。

 こういう昆虫系の敵が、超苦手なんだよな。


 虫系の生き物が集団でカサカサ来るのだけは、本当に勘弁して欲しい。

 別に色が黄色の昆虫だから、今回はまだOKという訳ではないんだが……。もしこれが黒色だったなら、生理的に完全NGだな。


 これじゃあまるで、ハリウッド映画でよくあるビッグ・バグズ系のパニック映画のワンシーンじゃないかよ。巨大昆虫に襲撃される人類みたいな感じで、マジでヤバい。……っていうか、どこから湧いてきやがったんだ、この巨大サソリ軍団は……!



 俺は雪咲ゆきさきを乗せたシールドドローンを、最大速度で加速させる。



 ――早く、早くマイラ村に戻らないと!!



 ドローンがマイラ村に到着をした時には、予想通り。

 村の中はサソリの襲来に怯える村人達で、大混乱に陥っていた。



「勇者様だーーっ!! 勇者様がお帰りになられたぞーー!!」


「ゆ、勇者様ーーっ!! 大変なんです!! 魔物達がこの村に大群で押し寄せて来ています!! ど、どうしましょう……!?」



 押し寄せて来る巨大サソリの群れに動揺して。大パニックに陥っているマイラ村の人々。


 ドローンから降りた俺は、慌てふためく村人達の中からターニャを見つけ出して。急いで声を掛けた。



「ターニャ、頼みがある! 雪咲を……いや、この意識を失っている女性を、コンビニの事務所の中に連れていって欲しいんだ! きっと水分不足で脱水症状を起こしていると思う。簡易ベッドに寝かせて、水分補給をしてあげて欲しいんだ」


「ハイ、分かりました、勇者様! すぐにコンビニの中にそちらの女性をお運びさせて頂きますね!」



 ターニャとそのご両親の2人が協力をしてくれて。

 雪咲を肩に担いで、コンビニの事務所にまで一緒に運んでいってくれる。


 良かった。とりあえず雪咲は体を休めて、しっかりと水分の補給が摂れれば回復するだろう。



 俺が安心をしてホッと胸を撫で下ろすと。

 突然、村の奥から大きな叫び声が聞こえてきた。



「皆の者ーーっ!! ワシの言う事をよーく聞くのじゃーーっ!!」


 この大混乱に陥っているマイラ村の中で。

 一際、大きな声を上げて、村人達全員を扇動(せんどう)するような内容を叫んでいる奴がいるらしい。



 ……何だ、何だ!? 

 今は緊急事態だっていうのに、今度は一体何なんだよ?


 よく見ると。大声で叫んでいるのは、あの白髪頭の強欲村長さんだった。


 まーた、あの人なのかよ……。今はあの爺さんに構っているような暇はないから勘弁して欲しいんだが。



 村長さんは、マイラ村の人々全員に向けて大声で呼びかける。



「……皆、よーく聞くのじゃ!! とうとうモンスーン様の神罰がこの村に下されたのじゃっ!! 青の神官様を殺害するという、恐ろしい行為をした愚かな他所者(よそもの)を村に受け入れ。その者が振る舞う、怪しげな食べ物を食べた我らに砂漠の神様、モンスーン様は大変お怒りになっておられるぞッ!! もう、こうなってしまっては……モンスーン様の怒りを鎮めて、我らがこのピンチから生き延びる為の方法は1つしかないっ!!」



 動揺していた村の人達が一斉にピタリと足を止めて。村長さんの言葉に耳を傾け始めた。



 その光景を見た村長さんは、更に嬉しそうに語気を荒げると。大声で村人達に向けて叫び声を上げる。



「全ての元凶となった、モンスーン様へ捧げるマイラ村の聖なる供物(くもつ)……ターニャを、今すぐにでもこの場で殺し、その心臓をモンスーン様へ忠誠の(あかし)としてサソリの群れに献上するのだ!! そうすれば、この村は必ずや助かるであろう! モンスーン様への忠誠を尽くさず、聖なる役務(えきむ)から逃げ出したターニャを絶対に許してはならぬのじゃ!! さあ、皆の者、もはや時間は無いぞッ! 一刻も早くターニャの命を奪って、偉大なるモンスーン様に……………あっ、痛いいぃぃッッ!!!」



 俺は、気持ちよく演説している爺さんの頭を……後ろからゲンコツでポカリと殴りつけた。



 結構、大きな音が鳴ったかもしれないな。



 まぁ、悪いな。今は緊急事態なんでな。

 お年寄りだからって今回は手加減をせずに、思いっきり叩かせて貰ったぜ。

 

 村長さんの言葉を聞き入っていたマイラ村のみんなに、俺は爺さんよりも更に大きな声で呼びかけた。



「みんなーー! どうか心配しないでくれーー! あの巨大サソリの群れは、異世界の勇者であるこの俺が、必ず何とかしてみせる!! だから安心して全部俺に任せてくれーー! 異世界の勇者は何だって出来る、伝説の存在なんだからな。あんな魔物の群れくらい簡単にこの俺がなぎ倒してみせるさ!!」



「おおおーーーっ!! 凄いッ!! さすがは、異世界の勇者様だッ!」


「勇者様ぁーー!! お願いをしますーー!! どうかこの村をお救い下さいーー!!」


「勇者のお兄ちゃーーん!! カッコ良いよーーッ!! あんな魔物達なんて、全部退治しちゃってよーーっ!!」



「おーーう!! ぜーんぶ俺に任せておけーー!! あんなサソリ達なんて全然楽勝だぜ!! さあ、みんなはいったんそれぞれの家の中に避難をするんだ! 俺はこれから大魔法をたくさん唱えるんで、外にいたら危険だぞ! 全部終わるまで、みんなは家の中から絶対に外に出ないでくれよーー!!」



 異世界の勇者である俺の呼びかけに、マイラ村の人々は大歓声をあげて応えてくれた。


「分かりましたーー!! さあ、みんなー!! 家の中に隠れるんだーー! 勇者様のお邪魔をしては大変だ! 勇者様が魔物の群れを撃退して下さるまで、絶対に家から外に出てはダメだぞー!!」


「おおーーッ!! 勇者様ーー!! 村の事をどうかよろしくお願い致します!!」


「勇者様、ご無事をお祈りしております!! どうか、お怪我はなさらないで下さいね!!」



 村人達は俺に向かって何度も頭を下げながら。それぞれ一斉に駆け出して、自分達の家に向かって走っていく。



 ふう〜〜。


 とりあえず、これで何とか村のみんなの不安は鎮められたようだな……。



 さすがにこれだけの緊急事態だ。


 どんなにまともな人だって。自分の命が危険に晒されている状況下では……。(わら)にもすがる思いで、あのアホ爺さんの言葉に耳を傾けてしまう可能性もある。


 俺としては、あまり根拠のない自信を出したり。

 俺に全てを任せろ的な、ヒーローオーラを全開で出すのは、性格的にちょっと苦手だったんだが……。



 今回ばかりは仕方がない。

 村のみんなを、いったん安心させないといけなかった。


 恐怖にかられた村人達の何人かが、ターニャを生贄に捧げようだなんていう、アホ爺さんの扇動に乗ってしまいかねない雰囲気も、今の村には確かにあったからな。



 よーし! さあ、やるぞ!!

 


 ……ってホントに、どうしようかな。

 分かっているとは思うけど。全くのノープランだぞ、俺。


 あんな津波みたいな勢いで迫って来てる巨大サソリ軍団に、一体どうやって対処をしろって言うんだよ。

 マジで誰が代わってくれよ! 無能なコンビニの勇者じゃ、こんな大ピンチを乗り越えられっこないだろ。



 おーい、真の異世界の勇者さーん! 

 マイラ村が大ピンチなんで、助けて来て下さいよーー!!



 ……うん。

 自分で言うのも何だけど、正直すまんかった。



 一瞬だけ、現実逃避モードに脳内が侵食されかけちまったな。そうさ。ここは俺が1人で何とかするしかないんだ。


 そういえば、さっきまたアホな事をしでかそうとしていた村の村長さんは、どこに行ったんだ?


 俺は村長さんを見つけて、とっちめてやろうと村の中をキョロキョロと見回して見たけれど。

 あの強欲村長さんの姿は、いつの間にか消えてしまっていた。


 あの爺さん……。あれだけ村の空気を乱すだけ乱しておいて。自分は怖いからって、真っ先に家の中に避難したのかよ。


 全てが終わったら後で必ずお仕置きをしてやるからな、覚悟しておけよな。



 俺はスマートウォッチを操作して、出せる限りのコンビニガード達をコンビニから緊急出撃させる。


 上空の偵察ドローンの映像から分析をすると。おおよそ、後……数分くらいで。あの巨大サソリの群れは村に押し寄せて来るだろう。


 しかも、360度全方角からだ。逃げ場なんてもうどこにもないから、この村を捨ててみんなで急いで外に逃げ出そうという選択肢は選べない。


 他にも、村人達全員を飛行型のシールドドローンに乗せて、空から避難をさせるという方法もあったけれど……まあ、それもさすがにキツいな。


 ドローンの操作に慣れない村人達は、余裕で飛行中のドローンから砂漠に落ちてしまうだろう。


 俺だって、ドローンの空中飛行操作に慣れるには、相当時間をかけて訓練をしたからな。それに村人達全員を乗せるにはシールドドローンの数が足りなさ過ぎる。



 ……だとしたら、やはりこの村の中に籠って。

 あのサソリ達を、何とかここで撃退するしかないみたいだな。


 せめて、カディナの街みたいに巨大な城壁が村の周りにあって欲しい。でもこの砂漠の村には、外敵の侵入を防ぐような立派な囲いなんて何もない。

 だから、出撃させたコンビニガード達おおよそ300体を、マイラ村をぐるりと取り囲むように整列させて。何とかサソリの侵入を防ぐ防壁代わりにして戦うしかなさそうだ。



「――よし!! まずは、こちらから先制攻撃をしかけるぞ! 少しでも押し寄せてくるサソリ軍団の数を減らしてやるんだ!」



 マイラ村の中央に建っている、コンビニ支店2号店の屋上にあるハッチが開き。


 中から爆撃やミサイル攻撃の出来る、攻撃型のドローン達がスクランブル発進して、次々とコンビニの屋上から離陸を開始する。



 今回は、あまりにも時間が無さ過ぎたからな。


 全機を発進させる事は出来ないだろう。それでも出せるだけの攻撃ドローンは、全機出撃させるしかない。


 俺はコンビニの屋上に飛び乗って、周囲をぐるりと見回しながら現在の戦況を確認する。


 マイラ村には高さのある高層建築物は何もないからな。

 うちのコンビニ支店2号店の屋上が、周囲をぐるりと見渡すには最も適した高さの位置にあるから。俺はここに待機をして、全体の戦況を見守る事にした。



 黄色いサソリの群れは、物凄い迫力を伴って突進を開始している。その距離は、既に村から半径500メートル付近にまで迫って来ていた。



 多分、このままだとあと数十秒もしたら――。


 マイラ村は完全に、あの黄色いサソリの大波に飲み込まれてしまうだろう。



「いくぞーーッ! ドローン全機、火力大放出(オープンファイアー)だ!! 一斉砲火で、押し寄せるサソリの群れに大ダメージを与えてやれーーッ!!」



 ”ズドドドドドーーーーーーーーン!!!”



 ドローン部隊による空中からの一斉爆撃で、マイラ村周辺の砂に大爆発が巻き起こった。



 爆風で舞い上がった砂の粉塵で、村の周辺は強烈な砂嵐に飲み込まれていく。


 襲い掛かって来たサソリ達の先頭集団が、ドローンが落とす小型爆弾とミサイルによって、その体ごと粉々に爆風で吹き飛ばされていく。



 ――だが……。


 粉々になったサソリの死骸の後ろから。勢いをつけた後続のサソリ軍団の波が、更に加速するようにして背後から猛烈な勢いで押し寄せて来る。



「ダメだ……全然、火力が足りな過ぎる! もっと絨毯(じゅうたん)爆撃が出来るくらいの空中戦力がないと――とてもじゃないが、あのサソリの群れ全てを食い止める事は出来ない……!」


 先頭の集団を爆撃で失ったサソリ集団は――。少しだけ突進をする勢いにブレーキがかかったようだが……。


 無限に押し寄せて来るんじゃないかと思える、圧倒的な数量と戦力で。マイラ村を飲み込もうとする勢いは、全く衰えていない。



 もし、あのサソリ達がこのまま、全力でマイラ村に押し寄せて来たら。村の周辺を守るコンビニガード達じゃ、とても防ぎきれないだろう。


 今、村の周辺に出撃をさせているコンビニガード達の数はせいぜい300体程度だ。


 正直――300体 vs 100000匹の大群では、全くこちらに勝ち目は無い。


 これが最強を誇る古代ギリシャのスパルタ兵達なら、300人ぐらいで数万のペルシャ兵を押し返せるくらい出来たかもしれないけれどな。残念ながらうちのコンビニガード達は、そんなに屈強な精鋭達ではない。

 正直、コンビニガード1体で、巨大サソリを2〜3匹でも倒せたら、本当にラッキーなくらいの戦力だぞ。



 参ったな……。こいつは作戦の変更が必要だな。


 空からの爆撃で止められないなら。現在のコンビニの最大火力をサソリ達にぶつけるしかない。



 俺はコンビニの屋上に装備されている、5連装式の自動ガトリング砲に飛びついた。


 スマートウォッチを操作して、上空にいる攻撃ドローン部隊の操作を自動操縦に切り替える。

 ドローン達はマイラ村の周りを自動で旋回させ。定期的に爆弾を落として、サソリ達の足を鈍らせる役に回す事にする。



 そして俺はこの5連装式のガトリング砲で、近づいてくるサソリ達を全部残らず蹴散らしてやるんだ!



「うおおおおおおおおーーーーッッ!! こっちに来るんじゃねええええええッッ!! このサソリ野郎共ーーー!!」



 ”ズドドドドドドドドドドドドド――ーー!!!”



 5連装式のガトリングショック砲が、火花を散らして赤い閃光弾を乱射させる。


 ガトリング砲を回転させながら。迫り来る巨大サソリの大波を吹き飛ばすかのように、蹴散らしていく。



「クソッ……! これでもまだ火力不足なのかよ!!」



 空からのドローンの爆撃攻撃も弱まってきている。


 きっと搭載していたミサイルや小型爆弾が弾切れを起こしているんだ。だが、いちいちドローンをコンビニの屋上に呼び戻して弾薬の補充をするような時間はもう無い。


 こうなったら火力を失ったドローンはそのまま、サソリ達の群れに突撃をさせて自爆させるしかない。

 爆破したドローンの分を新たに補充するように。再離陸が可能になったドローンは、次々とコンビニから発進させて。また弾切れを起こすまで攻撃をし続けるローテーション爆撃を、このまま繰り返していくしかないだろう。



 せめてサソリ達の攻撃を、どこか1箇所だけにまとめる事が出来たなら……まだ救いはあるのに。


 360度、全方位から押し寄せてくるサソリの群れを、ガトリング砲だけで全部……回転をしながら押し返していくのには無理がある。


 このままだと……マイラ村も、俺も。

 マジで、終わっちまうな。


 俺はガトリング砲を連射させながらも……何か打開策はないかと必死で頭の中で考え続ける。


 何か、何か……この状況を、好転させる突破口はないのか。


 このままじゃ、マイラ村を……ターニャを、俺は守る事が出来ないで終わっちまうぞ。



 くそっ……どうやら、考える時間も与えて貰えないみたいだな。

 次から次へと、サソリ達が無限に押し寄せ来るから、思考を集中させられるような時間がまるで与えて貰えない。



 ……ん? 無限に敵が押し寄せて来るだって?


 そうか。俺もそうだが、敵も魔王である以上は、元は異世界の勇者って事か。


 しかも、それはすなわち……『無限の勇者インフィニット・シリーズ』だったって事なんだなよな。



 まったく。無限の敵と戦うってのが、こんなにも厄介な事だとは思わなかったぜ。


 どうせなら俺みたいに、無限にコンビニの美味しいおにぎりをみんなに出し続けて。人々を幸せにする事にその能力を使えよ、モンスーンのクソ野郎め。何で気色の悪いサソリばかり無限量産してるんだよ……。



 その時――。


 とうとう、ガトリング砲とドローンの爆撃を逃れた――ほんの数匹の巨大サソリが。ガサガサと砂漠の上を移動して、マイラ村の入り口にまで辿り着こうとしていた。



 やって来たサソリ達は、マイラ村を守っている槍を持ったコンビニガード達の隊列に襲い掛かり。


 激しい戦闘の末に、コンビニガード達は何とかサソリの迎撃をする事には成功をしたが……。


 たった数匹侵入した巨大サソリを退治するのに、こちらのコンビニガードは、合計で10体もの損害を出してしまった。



 おいおい、これはヤバいぞ。

 あのサソリ達、マジで強すぎだろう。


 今は遠距離からのガトリングショック砲と。ドローンのミサイル攻撃で撃破をしているけれど。


 やっぱり直接の近接戦闘になると、あの黄色いサソリ達の攻撃力はかなり強いらしい。


 サソリの後部に付いている巨大な尻尾の攻撃は、一撃でコンビニガードの体を貫き破壊してしまう。しかも、前方部分の鋭いハサミによる攻撃もかなり強力だ。


 幸い、うちのコンビニのガトリング砲は弾切れはないみたいだから、ずっと連射し続ける事が出来るけど。



 このままじゃ、マイラ村を守る防御陣が崩されるのは、もう時間の問題だろう……。



 しかも、もう少ししたら完全にドローンの爆撃も尽きて。

 マイラ村は完全にサソリの大波に飲み込まれて、陥落してしまうかもしれない。



 俺は一瞬だけ、心が挫けそうになり。

 ガトリング砲を連射しながら、そっと目を閉じてしまう――。



 すると、そんな俺の耳元に……。



「――1人で苦戦しているようね、彼方くん? うちも加勢してあげようか?」


 すぐ横から、女性の声が聞こえて来た。



 そっと目を開くと。

 俺のすぐ隣には……。


 剣術使い(ソードマスター)の勇者、雪咲詩織(ゆきさきしおり)が剣を構えて立っていた。


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外れスキルコンビニ、コミック第1巻、2巻発売中です☆ ぜひお読み頂けると嬉しいです!
― 新着の感想 ―
[気になる点] コンビニ出し入れは制限があるのか気になります。特に制限がなければ、ペットボトルを持ってこなかったことを悔やまなくても3号店出せば良いかなとか、サソリの群れにはいくらでもコンビニメテオす…
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