episode6~社長室~
episode6「社長室」
とある日の事。会社員の男性は、書類を渡しに社長室に訪れていた。
扉を開けて、中に入る男性。
男性「あのすいません。社長」
中には誰もいない。
男性「社長。いないんですか?」
諦めて帰ろうとしたとき、ふと思いついた。
社長室には誰もいないから、好き勝手出来ると
男性は微笑み、机の引き出しを開く。
男性「え?」
中には大量のエロ本が入っていた。
男性「社長、こういう趣味あったんだ。引くわ」
さらに絵が気になり見つめる。
すると、絵から誰かが出てきた。明らかにスーツ姿の男性だ。
驚く男性。
男性「誰?」
ボディーガード「ボディーガードです」
男性「ボディーガード?」
ボディーガード「えぇ、ずっと監視してるんです」
男性「絵から?」
ボディーガード「そうです」
男性「いや普通、社長室の前とかにいるでしょ。それか中にとか」
ボディーガード「いや、社長からの命令なので」
男性「社長、やっぱりどういう考えしてるんだ」
するとボディーガードが、ライフルを出した。
慌てて両手を挙げる男性。
男性「な、なんだよ」
ボディーガード「社長を侮辱したら、撃ちますよ」
男性「撃つなよ。やめなさいよ」
ライフルを置くボディーガード。不機嫌ながら絵を閉じる。
男性「なんだよ。あいつ」
男性が不機嫌になりながら帰ろうとすると、何か目線を感じ、振り向くとそこには、大きな熊の置物が目の前まで来ていた。
男性が叫び声を上げると、熊も倒れこんだ。
男性「大丈夫?」
熊の頭が取れて、明らかに女性だった。
男性「誰?」
秘書「社長の秘書ですけど。驚かせないでくださいよ」
男性「いや、あれで驚かないって至難の技だからね」
秘書「すいません」
男性「てか、秘書が何してるの」
秘書「いや、社長の命令で」
男性「秘書に何やらせてるんだよ。あのバカ社長」
すると絵が開き、ライフルを向けるボディーガード。
男性と秘書が両手を上げて
男性「すまなかったって」
ライフルを下すボディーガード。
男性があることを思いつき、引き出しの方に行き、エロ本を引き出しから取り出し、それを秘書に見せる。
男性「これ知ってるか?」
男性は秘書が引くと思っていたが、秘書は驚くどこか
秘書「あぁ、それね」
男性は少し戸惑いながら
男性「え?知ってるの?」
秘書「だって、私は社長と」
そこから微笑みだし、笑顔で黙り込んでしまう。
少し察した男性は、驚きながら
男性「え?マジで?」
秘書が頷く。
すると、近くから足音が聞こえて
秘書「あっ社長戻ってきた」
ボディーガードは慌てて絵を閉じて、秘書は熊の頭を被り定位置に立つ。男性はエロ本を引き出しにしまい、書類を持ち、待っていた。
扉が開き、社長が入ってきた。
社長「おぉ、益田君。どうしたんだ」
男性「い、いえ、なんでも。書類を渡しに来ただけです」
社長「そうか、ご苦労様」
社長は椅子に座った。すると熊の置物に扮した秘書を見て
社長「見た?」
男性は動揺しながら
男性「いえ、見てません」
社長「あっそ」
男性が一つため息をつき
社長「やっぱり見た?」
男性「いえ全然。良い虎ですよね」
社長「熊だよ」
~終~