episode2~犬のアニー~
episode2「犬のアニー」
とある日の事。男は上司からの頼みで、柴犬のメスであるアニーを一週間だけ預かることになった。
家に帰り、アニーを放す。駆け回るアニー。
男はソファに座る。
男「はぁ、それより餌とかどうしようかな。課長って本当勝手だよな、俺ばっかこんなこと押し付けて」
するとどこからか、声がしてきた。
よく耳を澄ませて聞いてみると、アニーからだった。
アニー「おい、おい、おい」
驚く男。よく目をこすって見るが、アニーは「おい」と言っている。
男は恐る恐る。
男「な、なんだよ」
アニー「あっやっと返事してくれた。何回言えば気が済むんだよ」
男は少し動揺しながら
男「お、お前喋れるのか?」
アニー「そそ、旦那さんには内緒な」
男「課長の事か?」
アニー「そそ、あいつ歳だから、死なれちゃ迷惑だからよ」
男「口悪いな」
アニー「あっそれでさ。ちょっと餌の件で相談があるんだけど」
男「お、おう」
アニー「餌ね。プレミアムドッグフードにしてもらえるかな」
男はそのドッグフードの存在を知っている。
CMでやっていたが、100グラムで6000円する、とても高級で世界最高峰の材料を使っている、まさにタイトル通りプレミアムな一品である。
男「あれだろ。CMでやってた高級品やろ」
アニー「そそ、あれ1キロ頼むね」
男「無理だわ。どんだけ金かかると思っているんだよ」
男は少しキレ気味に言う。
アニー「そんな、持ってるでしょぉ」
男「あのさ。俺なんだと思ってるんだよ。平社員だよ?」
アニー「えぇー、旦那さんは1000万は貯金持ってるって言ってたよ」
男「どんだけだよ。課長どこで稼いだんだよ」
アニー「裏の世界」
男「裏の世界?!」
アニー「なんか、白い粉を運ぶ仕事らしい」
男「あとで警察行こう」
アニー「じゃあ私飼ってよ」
男「えぇーマジで?」
アニー「お願い」
アニーがある意味のキラキラ攻撃をする。
男はその誘惑に負け
男「はいはい。わかったよ」
アニー「やった。じゃあプレミアムドッグフード2キロね」
男「それはやだね」
~終~