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資材置場  作者: 雨森琥珀
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『色とりどりの世界』31.それぞれの

使えなくなったもの。

タイトルは同じですがかなり内容が変わるので、移動しておきます。

BL展開です


どうも最近あいつの様子がおかしい。

 青柳の方を見ながらため息をついてみたり、青柳に気を許した様子を見せたと思うと急に距離を取ろうとしてみたり。

 そうかと思うと、完全誓言の解除の仕方なんてものを必死こいて探していたりする。

 はたから見ると青柳のことが気になってるのが丸わかりなんだけどな。

 本人は隠そうと必死らしい。

 まあ、群衆と色付きなんてまるっきり別の生き物だからな。

 やめときゃいいのにとは思うけど、こんなのは言ったって仕方がないだろう。

 それより今は月草の仕事だ。

 手伝いだしてわかったけど、これ明らかにひとりでさばける量じゃないぞ。

 月草がめちゃめちゃ有能だからなんとかなってるけど、来る仕事を次々片付けていくやり方じゃいつまでたっても終わらない。

 この間の土日に一日がかりで手伝ってたら、一時くらいにまだまだ書類の山があるのに、こう言われた。

「そろそろ休憩入ってください」

「お前全然休んでないじゃん」

「オレの仕事は二十四時間年中無休です。だからこそ、部下ができたら常識的な仕事時間と休憩は絶対に確保しようと決めていたんです」

 じゃあお前はどうするんだよ。なんて押し問答をしても仕方がないから、コンビニでパンと飲み物を買ってきて二人で食べながら仕事の続きをした。

 これ絶対、栄養とかも偏ってるよな。

 おれが料理とかできりゃやってもいいんだけど、そういうのはからっきしだ。

 青柳家の仕事にはまだ手が出せないけど、せめて学園内で青柳がやらかすことの尻拭いくらいはおれが何とかできるようにしておきたい。

 何かあってもできるだけ被害が少なくなるように、できるだけ先に準備をしておく。仕事が発生しなきゃそれが一番だからな。

 青柳がもうちょっと仕事やってくれりゃ効率も違うのに、従者程度の言うことは聞く気もないらしい。

 ……あいつの言うことなら聞きそうな気もするけどな。

 完全誓言をしてからの青柳は見ていてちょっと面白いくらいあいつに対して下手に出ている。

 青柳が群衆に恋愛感情なんてあるわけないだろと思ってたけど、案外月草の言うことも間違いじゃないのかもしれない。

 今日なんて「俺は君の事をどう思ってるんだろう?」なんて本人に直接聞く暴挙に出てたらしい。

 それを廊下で隠れて聞いてたっていう月草も大概だけどな。

 月草は意外と恋愛話が好きで、よく他人の恋愛を見ては「きゅんきゅんします」とか言っている。

 お前自身は好きなやつとかいねえの?と何気なく聞いたら、なぜかピシリと固まった。

 ……まあ、これだけ仕事があったら恋愛してる暇なんかないよな。

 とりあえず常識的な仕事時間と休憩をこの過労死寸前な上司にも取らせてやらないと。こんな状態じゃ、好きなやつができたってデートもできないだろう。

 それにしても、月草が好きになるやつってどんなのだろうな?

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