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アザミの花が咲く頃に  作者: 蒼
第一章 始まりの事件
2/3

第二話

暑いです。

優斗の父は警察官で、今回の事件の担当をしているらしい。


そんな父のことを優斗はいつも尊敬していた。


「それで、どんな共通点なんだ?」


「被害者の全員が()()()()()って」


「医者だった?今は医者じゃないのか?」


「うん、何か過去に――」


優斗がその先を言おうとすると―――



「お客様、店内は食事をする所です。用がなければ……出て行ってもらえるかしら」


「げ……天川」


声を掛けてきたのは悠のクラスメイトである天川(あまかわ) ルイ


半年前に転校してきた子で、容姿端麗、博学才穎、運度神経も良く、非の打ち所がない子だと思っていたが…


この子実は・・・ちょっと、いや、かなり()()()()()()


授業中に急に抜け出して、そのまま帰ってこなかかったことがあった。

クラスの女の子が理由を聞くと・・・


――――――


「ルイさん!昨日は急にどうしたの?体調でも悪かった?」


「いえ、ちょっと右目が疼いたので」


「目!?目が悪いの?大丈夫?病院行った!?」


「え、病院なんて行ってませんが」


「なんで!手遅れになったら大変だよ!早く病院行かなきゃ!」


「大丈夫です。この目は()()に反応した時にしか疼きませんから」


「・・・・・・・・・え?」


俺は多分その時のクラスメイトの顔を一生忘れないと思う。あの学校でも羨望の人がまさか厨二病だったなんて思うわけないもんな。



「あら、どうしました?」


「いや、うん。まあ、色々あるよね人には!」


((顔が引きつってるぞ))


そう思いながら周りのクラスメイト達は見ていた。



「はぁ……?」


「私は大丈夫だよ。これからもずっと友達だよ。」


少女の顔は悟りきっていた。


「え……?あ、ありがとう」


周りからも、


「僕も友達だからな」

「私達も大丈夫よ!」


等と励ましの言葉が降り注いでいた。

俺は笑っていた。


――――――



と、まあこんな感じで、ちょっと残念な子だ……

顔は可愛いけど。



「げっ、て何よ失礼ね」


「ごめんね、天川さん。確かに店も混んできたし、出ようか悠」


「そうするか、じゃーな天川」


「ありがとうございました」




店から出た二人はこれからどうするか話し合う。



「これからどーする?誰か誘ってカラオケでも行くか?」


「うーん、それもいいけど、僕の家来る?新しい連続技考えたから試したいんだ」


「えー、またボコられんのかよ俺」


「ちゃんと手加減するから、ハンデもあげるし」


「手加減しても、ハンデで50%から始めても全然勝てないのにどーしろと」


「お願いー、CPUだと動きがワンパターンになっちゃうんだ」


「ネットの人とやればいいじゃん」


「だって、大会まで手の内見せたくないし」


あ、拗ねた。



「はぁ〜、しょうがねぇなぁ」


「本当!助かるー!」

「調子の良い奴め」





「もう、こんな時間か」


時刻を見ると午後6時、今は9月だから、もう少ししたら日が落ちるだろう。


「優斗、俺そろそろ―――」


〈 コンコン 〉



「悠くん、夕飯食べていかない?あの人、今日帰りが遅くなるらしいから、ご飯一人分余っちゃうのよ」

「え、いいんですか?」


「ええ。あ、でも家には連絡しておいてね」


「はい!」


そう伝え、優斗の母が出て行った後、俺は家に電話する。


「母さん。俺、今日優斗の家で夕飯ご馳走になるから……うん。分かってるって、ちゃんとお礼言っとくよ」


電話を切り、優斗と一緒にリビングに向かう。そこには美味しそうなご飯が用意されていた。


「さあ、召し上がれ」

「いただきます!」



――――――――――――――



「ご馳走様でした!」

「お粗末さまでした」


夕飯を終え、二人が休憩していると、優斗の母が小さな袋を持ってきた。


「優斗、父さんにこれ持っていってくれない?」


中には丸く握られたおにぎりが3つほど入っていた。


「あの人、どうせ夜も食べないつもりだろうし…お願い」

「うん、分かったよ」



優斗は袋を受け取り、悠の方を見る。


「悠はどうする?」

「うーん・・・そうだな、優斗のそれについて行って、そのまま帰るわ、どうせ帰り道だし」


「分かった、じゃあ準備出来たら言ってね」

「おう」


そして直ぐに準備を済ませ、優斗の家を出る。


空には綺麗な満月が浮かんでいた。





「それでさ、そいつが罰ゲームで一日中、語尾に『ニャン』をつけて過ごさないといけなくなってさ〜」


「うわ、キツいねそれ」


「だろ?その結果そいつ―――――おっ、着いたな」


二人は警察署に着いたが……何かがおかしい。


「・・・・・・電気がついてない」

「本当だ。でも、警察署ってこの時間でも明かりは着いてるはずなんだけど…」


「父さんに電話してみろよ」

「うん」


優斗は電話するが………


「繋がらない」

「・・・・・・どうする?家戻るか?」

「……そうしようかな」


二人は引き返そうとすると―――






















































プルルルル、プルルルル








































電話が鳴った。


「お父さんからだ。もしもし?」
















「優斗!逃げ―――――」























そして、警察署の中から銃声が響いた。













































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