召喚成功した人たち 冷美視点
~冷美視点~
宇宙が、森の主から逃げてるころ、冷美達は……
……一体何があったんだ!?教室が光ったと思ったら、なんかこう……お城?みたいな内装が見えるんだが?……これは夢か?……いや、現実逃避はよくないな。いや、夢の可能性も…
―――冷美が現実か夢かで悩んでいると、周りがざわついてきた
「え?なに?教室じゃない?」
「えー!?やだ!もう帰りたい!」
「おおー!すげえ!まさにファンタジーって雰囲気がするぜ!」
おい、最後。さっき殴ったのにもう復活してるし。不死身かあいつは。
「ゲホッ!ゲホッ!…おうふ……やばっ失敗してしまいました…」
……周りがざわついてたから、気づかなかった。ところで誰だ?
そう聞こうとしたと同時に、扉が勢いよくバァン!と開いた。
「鈴音様!どうなさいました!?」
そして、石になったかのように固まるクラスメイト達。
「……魔方陣の書き方間違ってたみたいで…………あはははは……」
「……どうやったら召喚の魔方陣とその帰還?の魔方陣を間違えるんですか!」
「いや~昨日、召喚魔法の仕組みが気になりまして……図書室で読んでたんです…で、多分召喚の魔方陣と帰還の魔方陣がごっちゃになってたらしくて…失敗しました……」
「「「「「「「「ハア!?」」」」」」」」」
と、聞いていたクラスメイト達のほとんどが言った。
…しかし、本当に息ピッタリだなここのクラスは…前日に打ち合わせしてたのかってくらい、息ピッタリなんだが。それはいいんだけども……なんか、そんなファンタジー系小説とかあった気がするが…本当にあったのかそんな世界……で、会話がもう途切れたのだが?うん、みんな大方なるほど、みたいな顔してた。……絶対凖の影響だな。あいついっつもファンタジー系小説読もうぜって勧誘してくるもんな。あれはうざかった。
黙らせたけど。
「…どうする?」
「うん…どうしよう」
「おう、これはちょっとやばいかもな!」
「お前は言っている事と表情が矛盾してるぞ」
「でもさー俺達別に、勇者として召喚された訳でもないしさ。それに、足手まといだからサヨナラーみたいな感じになるかもよ?」
やっぱりKYは黙っとくべきだ。
「え?ちょっと?冷美?顔怖いよ?え、ちょ、待って!俺が何したのさ!?止めて!その今にも殴りそうな拳を下ろして!」
「分かった、下ろせばいいんだな?」
「待って!?違う!勢いよく振り下ろすんじゃなくて!あ、うん、もう駄目だこれ。お母さん、お父さん、今まで育ててくれて、ありがとうございました」
そして、凖はまた、動かなくなった。
「…御愁傷様……」
「凖…あの世でも元気でな………」
「うわ~おっかない……」
「と、ところで鈴音様」
「…あ、うん?ゴメン何?」
「…えーと、この者達はその帰還の魔法で帰すことができるのでは?」
「ああ、なるほど!その手がありましたか!」
おお、帰えれるのか、じゃあ大丈夫だな。クラスメイト達もやったぜとか、良かった帰れるのか~とか言っている。
「だけど、残念!帰還の魔法は使えません!」
とたんに周りがまたざわつき始める。
「なんでなの!?」
「出来るんじゃなかったのか!?」
「…出来ない理由は二つ、一つ目は、気力が無いからです!」
「「「ふざけんな!」」」
三天王が見事にハモった
「でも……魔方陣って書くのめちゃくちゃ面倒なんですよ…さて、二つ目!二つ目は……魔方陣の書き方…忘れました………」
「……あの…でも確か鈴音様は、その帰還の魔方陣の書き方を本に記録してませんでしたか?」
「…うん…ごめんなさい……その本、今の衝撃で原型が分からないほどボロボロに……咄嗟の事だったから…私自身にしか結界を張れなくて…」
「「「「「「「………」」」」」」」
ああ…うん……………
――――暫くの間この雰囲気が続いた…がその雰囲気を壊す第二のKYが現れた
「おーい!どうした?何があった?うおっ!?なんだこれ!?鈴音また失敗か?しかし…今回は召喚するとはな!しかも、こんなに大人数!」
「…うるさいです!!KY野郎は黙ってて下さい!!」
「うげっ!?」
と、セリフを言い終わったと同時に鈴音と呼ばれた人が、そのKYの鳩尾に蹴りを入れた
――そして、クラスメイトの一人が一言
「何か…凖みたいな人だったな……」
「過去形になってるぞ?」
いや、流石に死ぬことはないと思うんだが……
そう思った冷美であった