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Interlud1
昨日の戦闘にどうして、リョウが居たのか雪羽は聞かなかった
聞くつもりもないし、聞きたくもない
だが、雪羽が見た限りではリョウは殺されかけていた
だから、咄嗟に助けたのだが
「今日は欠席か…」
雪羽はため息と一緒にそう呟いた
だが、雪羽の胸の中にはどうしようもない不安が渦巻いていた
そして、同時に昨日の上司との会話が頭から離れなかった
『それで、被害は?』
上司がふと、そんなことを言った
『知り合いが一人…ですが、大した負傷もないようなので一旦家に返しました』
『大した負傷がない?』
上司は訝しげな声を挙げた
『まぁ、いいか』
『はぁ…』
上司は適当に投げた
『まぁ、明日御見舞に行ってこい。悪魔と出くわすかもしれないから聖剣も持っていきな』
『…わかりました』
雪羽はしぶしぶ承諾した
どうせ、行くつもりだったのだが
だが、行ってみれば鍵は開けっ放しですごく不用心だ
一応行くことはメールで伝えといたし、一応見てはくれているだろう
ということで入ってみると彼がそこで泣いていた
そして、雪羽は彼の涙が赤色になっているのに嫌な不安を感じた
「…リョウ」
雪羽は自然とつぶやいていた