8.不幸かもしれない
ポーン、ポーン、ポーン
≪新たなスキルを習得しました≫
≪クロノさんが称号を入手しました≫
≪GMからメールが届きました≫
入団早々、スキルに称号って何?あとはフェリからメール・・・イヤな予感がする。さっき後頭部に蹴り入れたからなぁ
「クロノ君。難しい顔してどうしました?」
「ク~君、そんなにギルド入るのいやだったのかい?」
ミヤビは勘違いして今にも泣きそうだ・・・
「イヤならなぜ断らないのかしら?」
「中途半端なのはたちが悪いぜクロノ!」
エミルとエンは理由もなく悪ノリすることを選択したらしい
「違う。入団早々、GMメールが・・・イヤな予感しかない」
「だ、大丈夫ですよ~ろくでもないことしてない限りは・・・」
ミズキはやや困った顔をしながら言う
「してるからイヤな予感しかしない。キャラクタークリエイトの時とPvPの時にやらかした」
「・・・何してますか」
ミズキから白い目を向けられた
「悪口言って、後頭部蹴った」
「・・・バカです!」
うるせぇ。野となれ山となれだ!
「んなっ!」
クロノはメールを開き、絶句した
内容は・・・
≪やぁ、クロノくん。これを見ているということはどこかのギルドに入団したみたいだね。さっき言ったことの仕返しをするね~
ステータスとスキルイジリました~イエーイbyフェリ≫
仕返しにしては酷い。とりあえず状況を確認しよう
クロノ Lv:1
【称号:呪いを授かりし者】
STR :60
VIT :0
INT :0
MIN:0
AGI :60
DEX:0
ステータスがマジでイジられた!
あのチンクシャめ、威力高いの一撃貰ったら即死コースじゃねぇか!
それに何かよくわからねぇ称号まで所得してるし何だよこれ?
【呪いを授かりし者】:GMが嫌がらせするためのみに作った称号
趣味の悪いことだ。
一応、確認できるものは全部見ておこう
【Equipment】
メインウェポン:古い刀 STR+50
サブウェポン:錆びた銃 AGI+50
tops:黒のコート AGI+3 VIT+1
inner:黒のシャツ AGI+2 VIT+1
bottoms:黒のズボン AGI+2 VIT+1
shoes:黒の靴 AGI+3 VIT+1
Accessory:呪われた髑髏(new)
【Skill】
生存本能:即死級のダメージでも必ず、1だけ残る:PS
疾走 :遠距離系武器AGI+10% 発動時間60秒:AS
危機察知:攻撃の軌道が見える:PS
決死の一撃:HPが1の時、STR,AGIが25%上昇 発動時間、戦闘終了まで且つ、回復不可:PS
討刃:近接系武器STR+10% 発動時間60秒:AS
体術(new):素手での攻撃が1.5倍ダメージ上昇:PS
呪われし証(new):エネミーが全ステータス1.5倍、3倍、6倍でのみランダムで出現、逃走不可。経験値ボーナス無し:PS
あれ?アクセサリー無かったはず・・・それにスキルが増えてね?
体術は使えるからいいけど・・・“呪われた証”はエネミーが強いだけで経験値ボーナス無しの危なくても逃げられない。複数出現したら袋叩きに遭う!出ませんように・・・
【呪いの髑髏】:髑髏の指輪
:フィールドに出るとエネミーを必ず複数呼び寄せる。初期ステータスの最大値にすべての値が強制的に集約される。一定のレベルまで外せない。
終わった。このアクセサリーがなければ希望があったのに・・・
「急に顔色悪くしたり、死んだ魚みたいな眼したり一人で忙しそうですね」
ミズキは俺の心情も理解してるわけもなく不思議そうに言う
ほかのギルドメンバーから何も言わないけど同じような視線があった
「お前らも見たら分かるよ」
ステータスの設定を全プレイヤーが見えるように変更した
通常ステータスは他プレイヤーに閲覧することはできない。しかし本人がその設定を解除すれば誰でも閲覧できる
「「「「・・・」」」」
ギルメンが黙ってしまった。元βテスターが黙るあたり余程酷いのだろう
「・・・そんなに酷いのか?」
「酷いなんてものじゃありません!」
凄い剣幕で言うミズキ
「そうだよク~君!エネミーのステータスがアップした状態でしか出ないんだよ!」
驚いてさっきとあまり変化のない話し方のミヤビ。ク~君は定着なのか?
「ステータスがおかしいわ。死ぬ気なの?」
エミル、人を異常者みたいな眼で見るな!
「死ぬ気ねぇよ。折角したステ振りをイジられたんだよ」
「それは可哀想に思えなくもないけど貴方だからどうにかするでしょ?それよりも“侵食核付き”の方が問題かしら」
「何だよその“侵食核付き”っていうのは」
「簡単に言えば強化エネミーの総称。侵食核には三段階あって種、芽、花の順番に強くなっているわ」
「何かレアっぽいよな」
いいアイテムとか落としてくれそう!
「なんてノンキな人。侵食核付きを倒せば貴方の期待通り固有のドロップはあるけど今のレベルではまだいらないわ」
「そっか。ならそのレアアイテムは全部お前に預けておく」
「何か分からないのにアッサリ預けるなんて言えるのは貴方らしいわ」
エミルから期待のしてると言わんばかりの笑みが送られた
「元オーガバーサスプレイヤーの戦闘職から生産職への信頼だ」
「俺には何もないのかよ?」
「言わなくても理解しろバカエン」
とりあえず、張本人を呼んでどうにかするか!