7.ギルド加入
今回は短めです
さぁ~てギルドに戻って、挨拶からし直さないと・・・
クロノは再びギルド【宴】の扉を開けるとさっきのことが嘘のように和気あいあいとギルドメンバー同士で談笑していた
「クロノ君!急にハクさん追いかけていったからまた・・・」
「戦ってない!俺を何だと思ってる」
「戦闘狂!」
「躊躇いなく即答するな!少しくらいは躊躇え!」
「お断りします!それよりも自己紹介してください」
「誘っといて俺かよ。プレイヤー名クロノ、新規プレイヤー、ミズキのフレンド」
「雑っ!私がお手本を見せて上げます!改めまして、ミズキです。武器は双銃です。この鎧はギルドメンバーに作ってもらいました。以上!これからもよろしくお願いいたします」
ミズキは“しっかりしましたよ”アピールのドヤ顔をする
最後の鎧アピール何?
「おお!スゲェ!やるじゃん!次、次~」
クロノは棒読みで誉めちぎり流した
「ひどいです!せっかくクロノ君のお手本になるような素晴らしい自己紹介したのに~」
「誰も頼んでない」
「こ、この敵はギルドマスターであるミヤビさんに!タッチ」
「キラーパスだな」
さっき、ハクを足止めしてた奴か
ミズキが鎧アピールしてた成果?分からないけど、目が行くようになった。少し肩の見える花の刺繍の入った着物。コイツの獲物を狙うような目付きによく似合っている。例えるなら豹、女だから牝豹か・・・ミズキの場合は犬だな愛玩犬。番犬には向かないな
「アタシはミヤビ!さっきミズキも言ってたけどギルドマスター。武器はこの扇と風魔法。よろしくお願いするよク~君」
扇を媒介にして魔法を使うねかな?魔法は確か、INTが高ければスキルとして出てくるんだよなぁ~
「とりあえず変な渾名をつけないでくれ」
「ダメかい?けど、アタシはそう呼ぶから!次はエミル」
エミルと呼ばれたプレイヤーは微かに反応し俺を見た
「・・・」
何も話さない。無反応それが正しい表現の仕方だろう。
けど格好はいかにもゴズロリファッション一直線、まるで人形みたいだ。
眼は俺と同じ真紅。髪は紫のセミロング。
「変な奴だな」
「・・・黙っているから変とは失礼ね」
「悪かったな」
「謝るならちゃんと心を込めて言いなさい」
「大変申し訳ありません生産職様」
「よく分かったわね私が生産職だなんて」
「なんとなくそういう匂いがしたんだよ」
「さすが“黒鬼”というところかしら」
エミルは妖しく嗤う
「・・・元プレイヤー同士、よく引き合うのか“鍛冶屋”?」
元プレイヤーとは、オーガバーサスを指す
「懐かしい呼び方ね」
「あんたには世話になってたからよく覚えている」
「あら、嬉しいこと言ってくれるわね」
「俺も・・・」
「ふ、二人で盛り上がり過ぎです!早く次に進めてください」
なぜかミズキに中断され、話は強制的に次に移される
「こんな流れでオレの番かよ!」
紅いホウキ頭の山賊が毒づく
「いや、頼んでないから別にいいよ。お前は知る気ないし・・・」
「何だよ、男はどうでもいいってか“黒鬼”?」
「そういうことだ“紅鬼”諦めろよっ!」
と肩を叩き、笑う
「変わらねぇなぁ」
「お前はプレイヤー名も武器も変化のない進歩もない猿にも劣るけどな」
「それは酷いぜ・・・クロノ」
「分かったよ。原始人より退化してることにすればいいんだろエン?」
「オウ!」
「・・・」
いい返事!バカだなコイツ
「あんまり変わらねぇぜ!」
やっと気づいたか
「相変わらずバカだなぁ~」
「ミヤビ、PvP制限を解け!コイツをこの槍で!」
「しないよ!何言ってんだい。いくらあんたがアタシより強くてもギルド内の私闘禁止」
「そ、そんな」
「残念だな~戦いたかったなぁ」
「ハイハイ。ク~君は煽るじゃない!」
「で、貴方はうちのギルドに入るのかしら?」
エミルが期待の眼差しを俺に向ける
「入ってやるよ」
≪クロノさんがギルド【宴】への入団申請をしました≫
≪ギルドマスターから入団が受理されました。クロノさんがギルド【宴】に入団しました≫
「改めまして、よろしく」
「「「「よろしく」」」」