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『Materialize World Online』  作者: 高須 白
33/35

32.会議と性能

久しぶりに更新。只今、停滞してます


「ただいま。人間やめちまった」

転送陣から【宴】に戻るなり乱暴に椅子に座り込み、大きく息を漏らす。

「あら、おかえりなさい。無事、鬼の復活・・・いえ、再誕かしらおめでとう」

慣れた手つきでソーサーにティーカップを置き、紅茶らしきものを注ぎ妖しい笑みを浮かべるエミル

「一応、勝ちはしたけど無事とはとても言い難い辛勝だ。やっぱり鬼人(アレ)は人で相手するのはキツイ・・・化物だ」

鬼人との戦闘を思いだしてそんな言葉が出た。

「やっぱ、クロノでもそう思うんだな」

話を聞いていたエンが会話に加わる

「まぁな」

軽い相槌を打ち、ティーカップを口に近づける

「でもよ、お前はなんでまた、鬼になろうと思ったわけ?」


「前にも言ったはずだろ。サシで戦りたい化け物がいる!それだけのために鬼になっただけだ」

クロノは瞳を餓えた獣のようにギラつかせてそう答えた。

「おかえり。戦闘バカなのは鬼になっても変化ないわね。重症よ、重症」

軽い挨拶もそこそこに額に手を当てるアオヒメ

「うるせぇよ」

「何よ。事実じゃない」

「お前も似たり寄ったりじゃねぇか」

「文句ある?あるならやりましょ」

二人の間で小さな火花が飛び散る

「はい、はい。二人とも、子供みたいな喧嘩を始めようとしないでよ~今から作戦会議するのにできないじゃないさ」

揉め始める二人の間に割って入るミヤビ

「そうです!明後日のギルド対抗イベント・フラッグ奪取の会議ですよ~なので皆さん、席に着いてください」

ミヤビの後ろからミズキの間延びした声が届く

「らしいから話はまた、後でな」

「分かった」

アオヒメはクロノから離れて適当な席に座る


「なぁ、ミヤビ。会議って言ってもコウはいいのか?」

席を見渡す限り、俺、ミヤビ、ミズキ、アオヒメ、エミル、エンの六人しかいない。あと一席にコウがいるはずなんだけど・・・

「フハハハ!クロやん、俺っちはここにいるのだ~☆見えないだろ~♪」

空席のところから目には見えないがウザイ声だけ聞こえる。

クロノは静かにナイフを取りだし、躊躇いなく空席に向けて投擲する

「・・・え、人でなし!」

慌てて姿を表して当然のように指の間で掴み取り、即座に投げ返すコウ

「人じゃないし鬼だから。そう怒るなよ誰だって変なところから声が聞こえたら反射的にナイフくらい投げるだろ」

返されたナイフを二枚回収し、クロノは人の悪い笑みを作る

「・・・どこの戦場だ!“反射的に”とかわざわざ、射線に重ねるようにもう1つ投げて俺っちじゃなきゃ死んでるぞクロやん!」

「もちろん、お前じゃなきゃやらないから安心しろ」

「・・・俺っち、扱いがかわいそ過ぎる・・・誰か、慰めて☆ハグ、ハグ~」

コウが一人、悲しみに浸るが誰一人、慰める仲間(ギルドメンバー)はいなかった。

「えっと・・・二人とも話はその辺でいい?」

「・・・悪い」

「オッケー☆」

「じゃあ、作戦会議始めるよ!ミズキ、説明して」

「了解です、ギルドマスター。今回のイベント、ギルド対抗【フラッグ奪取】について説明します。まずはお手元の資料をお読み下さい」

目の前に送られてきた資料データに目を通す。


【≪ギルド対抗イベント・フラッグ奪取について≫

基本ルールとして特別なフィールドで設置された自拠点から他ギルド拠点に行き、フラッグを奪って自陣に持ち帰ることまたはプレイヤーを倒すことでポイントが貰える。

ポイント制ルール。

フラッグ:10ポイント

プレイヤー:3ポイント

他、一定の条件を満たすことでポイントが貰える。

拠点ポイント上位の一位、二位、三位にはプレゼントあり。

個人ポイント一位、ニ位、三位にプレゼントあり。

死亡時、フラッグを奪取された場合について

・自拠点フラッグを奪われた場合、自拠点のポイント損失。その後フラッグの再出現。

・自プレイヤー死亡時、個人での獲得ポイントの損失、自拠点に強制転移の後、復活。

・自拠点メンバーの死亡しても拠点のポイントには影響せず、自拠点フラッグが奪われた場合のみ、損失】


「資料には目を通して貰いましたか?ルールはそれに書いてある通り。この場で決めて貰うのは防衛班と襲撃班です」

ミズキはぐるっと全体を見て、確認するとてきぱきと話を進めていく。

「あっ説明だけお願いしたのに何も言えてない。ギルドマスターとしての威厳がミズキに奪われた返せ~ミズキのバカ~うわ~ん」

「ごめんなさい、ミヤビさん~叩くのやめてください~」

ミヤビは突如、席を立ち上がり思い出したようにポツリと呟き、泣きながらポカポカパンチをミズキにくらわせていた。

ミヤビ、お前の威厳はすでにないと思うんだが・・・ミズキも苦労してるなぁ


「んんっ!じゃあ、襲撃班4人と防衛班3人で。まずは襲撃に行きたい人~挙手!」

仕切り直すようにわざとらしく咳払いして話を進め始めるミヤビ

「「「「「「ハイ!」」」」」」

「なんでアタシ以外、全員挙げるのさ・・・前線出たがり多すぎ!決まらないじゃないのさ!君たち、防衛の意味分かってるよね・・・?」

「「「「「「攻撃は最大の防御」」」」」」

一様に口を揃えて答える六人にミヤビはあきれ顔しか浮かべることしかできなかった。

「・・・このまま何、言っても不毛な会話を辿りそうな気がするから六人でジャケンして負けた二人が防衛、あとの四人が襲撃ね」


「「「「「「ジャンケン・・・ポン!」」」」」」


ジャンケンの結果、

【防衛班:ミヤビ、エミル、エン】、

【襲撃班:クロノ、コウ、ミズキ、アオヒメ】となった。


「よし、暴れるぞ」

とクロノ

「やりますよ!」

とミズキ

「やるわよ!」

とアオヒメ

「俺っちは運命の女神に愛されてる~♪」

とコウ

「チキショー、防衛なんて気が乗らねぇぜ」

とエン

「フラッグ、どこかのギルドに渡しに行こうかしら」

とエミル

「うわ~ん、二人とも守る気0だ~防衛も立派な役目なんだよ~一緒に守ろう?っていうか守って~!」

とミヤビ

そんなクダグダな感じで襲撃班、防衛班が決まって次は班ごとに別れての作戦会議となった。



「んで、班別で作戦会議になったんだけど具体的に何するんだ?」

襲撃班四人は何故か、クロノの部屋に移動して話し合っている。

「特に話し合うことないんじゃない~みんな、単機で動けばいいじゃんクロやん☆」

「それも良いな。二人は何かあるか?」

「強いて挙げるとするなら、襲撃班はフラッグ奪取が目的なので取った後に一人だと護衛もいないので途中で襲われる可能性がありますよね?」

とミズキが意見を出す

「言われてみたらそうよね。じゃあ、昔みたいに二人組(ツーマンセル)で行けばいいわね」

意見を聞いてアオヒメが次の提案を出した。

「それも一理あるな。組む相手によって問題が発生したりしなかったりするけど・・・」

コウとミズキに目をやり視線をそらす。

「何で俺っち見るの!問題ないじゃん☆」

「私もですか?何もしてませんよ!超問題なしです」

視線に気づいた二人が抗議の声をしきりに挙げるのでクロノは説明をすることにした。

「・・・コウはやることが無茶苦茶で安心して背中を預けづらい。ミズキは組んだことなくて未知数だから動きが合わせづらいだけ。その点、アオヒメはそういう問題なく良い相手なんだよな」

「褒めても何も出ないわよバカ。戦闘に関しての評価は正当性があるからありがたく受け取るけど・・・・・・前みたいに組んでみる?」

アオヒメは頬を染めてどっちでもいい感を出しつつも上目遣いで視線を向ける。

「俺はむしろ、このメンツだとお前が信頼できるからそういう話に持って行ってるんだけど・・・頼めるかアオヒメ」

「了解。暴れさせてあげる」

クロノの返答にアオヒメの表情がパッと華やいだのは言うまでもない。

「二人とも会話に入れて下さい・・・って話す間もなく勝手に決まってるやないか!」

ミズキ、何でそこで大阪弁?変なスイッチ入ったか?

「とりあえず、片方決まったからもう片方はコウとミズキの急造コンビで頑張れよ」

「「は~い」」

同じ返答なのに声のトーンが違い過ぎる。片方は明るく、片方は暗く重い。言わなくても分かると思うが前者がコウで後者はミズキである。

「他にすることある?」

「ないけど何かあるかアオヒメ?」

「ない。ミズキ、クズ男は何かある?」

「ありませんよ~」

「ないぴょん☆っていうか!アオヒメっち俺っち泣いちゃうよグスングスン」

「勝手に泣けば?」

見え見えの泣き真似にアオヒメが冷たい視線を浴びせる

「特に・・・何もないみたいだから解散!コウは・・・居残りで」

「了解しました」

「了解。明後日はよろしく」

「じゃあ、俺っちもって・・・居残り~?グヘッ!」

「逃げるな!」

部屋を後にする二人を見送り、どさくさ紛れに出ようとコウの首を掴み、強制的に居残らせる。


「・・・クロやん」

「なんだ?」

「これは・・・何?」

「必要な措置だけど?問題があるか?」

「・・・あるない以前に俺っちの周りをナイフで囲まないで!」

「簡単に逃げれるだろ。何、言ってんだか」

「無理、無理~逃げれな~い☆」

コウを逃がさないために周囲にナイフを展開しているが形式的(ポーズ)の意味合いが強い。


「まぁ、冗談はここまでにしてだ。本題に入るぞ」

「了解♪」

「明後日のフラッグ奪取で広範囲のを一発ぶちこみたいから手伝え。お前なら凍りの礫以外も範囲系の魔法あるだろ?」

「“全魔の奇策師”コウ様に出来ないことはない!隕石、地割れ、濁流、雷雨、吹雪、霧なんでもござれだよ~んマイベストフレンドクロやん!」

「一人でそれだけできると手札選び放題かよ・・・怖いやつ」

「それほどでもある!」

「明後日はどれか頼む。俺はそれに合わせる」

「了解~♪って俺っちだけ情報提供しててクロやんは黙秘か!ズルイぞ!」


ラピスいわく“情報とは武器である”と言ってたのを思い出したな。要求にはこたえてやるか。


「何を知りたいんだ?」

「ぜ・ん・ぶ☆」

野郎から上目遣いで言われても嬉しくないんだけど・・・

「勝手に見て対俺対策でも練りやがれ」

ウィンドウをタップしてステータス諸々を見えるように設定する。




クロノ Lv:25

【称号:大罪を纏う刀鬼】


STR:250

VIT:55   

INT:55   

MIN:55

AGI:250

DEX:55


【Equipment】

 メインウェポン:鬼哭刀・怨鎖 STR+300:属性:闇(new)

 サブウェポン:プレデター:AGI+100 STR+40:属性:炎


tops:漆黒のレザージャケット

STR+15 AGI+15 VIT+3

inner:漆黒のシャツ

STR+15 AGI+15 VIT+3

bottoms:漆黒のズボン

STR+15 AGI+15 VIT+3

shoes:漆黒のレザーブーツ

STR+15 AGI+15 VIT+3


【Skill】

生存本能:即死級のダメージでも必ず、1だけ残る:PS


疾躯  :遠距離系武器AGI+15%  発動時間60秒:AS(new)


危機察知:攻撃の軌道が見える:PS


決死の一撃:HPが1になるダメージ受けるまたは1なる行為をした時、強制的にSTR,AGIが25%上昇 発動時間、戦闘行為終了まで、回復不可:PS


戦刃:近接系武器STR+15% 発動時間60秒:AS(new)


体術:素手での攻撃が1.5倍ダメージ上昇:PS


呪われし証:エネミーが全ステータス1.5倍、3倍、6倍でのみランダムで出現、逃走不可。経験値ボーナス無し:PS

 

氣術:全ステータス、武器、防具を5~20%強化。使用時、HPとMPの消費量に依存する:AS/PS


投擲:投擲物でのダメージが1.5倍:PS


氣術操作:氣の込めたモノを自由に操作できる:PS


氣術浸透:氣を浸透させる:PS

 

喰奪:敵を喰べることでHP、MPが一回に付き、3%回復する:PS


状態異常滅性:毒、麻痺、幻覚、燃焼、凍結、鈍重、石化、呪怨、睡眠の状態異常にとてもなりにくい(new)


鬼気解放:鬼人に変化する、全ステータス1.5倍。即死ダメージ受けるまたはそのような行為した時にHP1のみ残して強制的発動。その場合、HP及びMPの回復不可 発動時間180秒:AS/PS(new)


鬼の威圧:睨み付けられた相手は一瞬、硬直する:PS(new)


鬼哭きの風:鬼人変化時、3m範囲内に防御不可の衝撃波を放つ。変化時STR値×1.5倍のダメージ:PS(new)


≪鬼呪装備固有能力≫


第一能力:瘴気

自身を中心に周囲3mに赤黒い霧のようなモノを噴出し、範囲内にいるプレイヤーにダメージを与え続ける:3秒に一回、自STR値の1/2を継続ダメージとして与え続ける:AS 180秒




「クロやん、刀のレベル高過ぎ!それにスキルがたち悪すぎ!ほぼチート!」

「チートじゃないけどな」

そんなに高いのか?鬼人倒した後、何にも見てないから知らないんだけどスキルもさっき増えてたし刀も確認するか。

システムからメインウェポンをタップして詳細を開く


メインウェポン:鬼哭刀・怨鎖:レベル3


詳細:鬼人の慟哭と怨念が形を成し、持っているだけで呪われそうな声が聞こえる刀。


「レベル3!!上がり過ぎだろこれ。いくらあの鬼人が強いからって・・・でもある意味は間違ってないとも言えるけど今後のことを考えるとでも・・・チートに近い上がり方だ」

刀自体も進化して多少錆のあった刀は刀身は長くなるし刃は闇色に黒く染まって俺の服装も相まって黒い刀使いだな。

「クロやん自身もそう思うんだっていうか刀長くなったけどまともに扱えるの?」

「問題ねぇよ。そのくらいのなら十二分に使いこなせる!なんなら今すぐに見せてやろうか?」

からかうように鯉口を切って見せる

「やめとく」

「あっそ、話はこれで終わりだからもういい。サンキュ。明後日よろしくな」

「OK♪」

部屋を出ていくコウを見送り、部屋の向こういる別の人物に声をかける

「なんで、分かんよ!アンタの感覚おかし過ぎ人間じゃない」

ドアを開けて開口一番にひどい事を宣うアオヒメ

「話を終わるまで待ってたんだから何か話があるんだろ?」

「あの・・・その・・・私の・・・武器が・・・変わったの」

体をモジモジさせ、上を向いたり下を向いたりして真面目な顔したり、困った顔をしたりとコロコロと表情を変化させて話を切り出す

「武器が進化したってことか?」

「そうなんだけど少し違う」

「進化するのは仕様だよな。武器のカテゴリーは進化しても変わらねぇはずだったっけ?」

「たぶん」

「とりあえず、聞く方が早いな」

アイツにしか聞けないのが面倒だけどしょうがねぇな。アオヒメが困ってるみてぇだからな

嫌々、DMコールをすると俺の隣に魔法陣らしきモノが出現し、アイツが出現する

「やっほぅーおひさだねクロノ君。一体、何用かな?」

「俺は用がねぇんだけどアオヒメが聞きたいことあるんだと」

「今回はパシリなんだね」

一瞥しフッと鼻で笑われる

「うるせぇ。さっさとアオヒメの聞いてやれ運営(ゲームマスター)

「はーい。アオヒメちゃんなにー?」

フェリの呼びかけにアオヒメはフェリの両肩を掴み、激しく揺らしながら問い正す

「アンタ、武器進化したんだけど何で双銃から弓に変わってんのよ!」

「ありゃりゃ。アオヒメちゃんはそうなっちゃったか」

「どういう意味よ?」

「このゲームはというよりVRMMOゲーム全般に言えることだけど意識というより脳の情報を丸ごとこっちに持ってくるのは分かるよね。その情報には自身の現実の身体能力、自己経験が含まれているんだよ」

「当たり前じゃないプレイヤーにとっての常識よそれくらい。武器だってその経験からの適正にしたがって武器が選べるようになるんじゃない」

「そう、その通り。キャラクターメイキング時に最初に選べる武器はプレイヤー自身のその武器に対する高い適正値によってシステムが算出して選択させてくれるんだ。つまりは適正値があればなんでも選び放題ってことなんだけど適正値が低いのってプレイヤー自身は違和感を感じるんだよねその場合、システムが武器を進化させる時にごく稀に低いのからもっとも適正の高い武器を進化させた状態でプレイヤーに渡すんだ」

「それで私は弓を受け取ることになったってこと?」

「このシステムの判断は一応、適正の低い武器を使ってる人用の救済措置のはずなんだけどね。アオヒメちゃんがひっかかると思わなかったよ。まぁ、双銃のアーツは消えちゃったけど頑張ってとしか言えないやごめんね」

「アーツも一応、作ってあるし戦闘スタイルが昔に戻って少し嫌なだけよ。とりあえずはフラッグ奪取でさび付いた当て感を取り戻さないとね」

「切り替え早いなぁさすが“蒼弓”だね」

ウンウンと関心したようにフェリは頷く

「私の二つ名まで知ってるなんてほんとにアンタって何者よ」

眼前にいるフェリを訝しむように見つめる

「ボクはただの運営で一“鬼の宴”ファンさ。それ以上でもそれ以下でもないよアオヒメちゃん」

「食えないヤツね」

とぼけるように首をかしげて笑って見せるフェリに少し眉間に皺を寄せるアオヒメだった。

「用は終わったみたいだし、フェリ、もう帰れ」

「酷い・・・急に呼び出してすること済ましたらすぐにポイなんてボクと君の関係はそんなものだったの!」

何かのドラマよろしくなフリをするなよ。なんだその悲壮感漂う目線は!

「クロノ、アンタ・・・」

アオヒメから冷徹な視線が突き刺さる

お前も乗るなアオヒメ!

「そんなもんだろ。何を言ってるんだ運営の癖に」

「実家に帰らせて貰うもん!うわ~んまたね~♪」

フェリは分かりやすい嘘泣きをかましながら笑顔で手を振ってフッといなくなった。


「あの子、何がやりたかったんだろ?」

「さぁな。アイツのことは気にしててもしょうがねぇ明後日まで時間ないからトレーニングルーム行くぞアオヒメ」

消えたフェリの場所を一瞥し、そのまま部屋を出ようとドアに手を掛けたまま声を掛ける。

「なんでよ?」

「一時的とはいえ、背中を任せる相方(パートナー)が微妙に使えるよりしっかり使える奴の方が良いからな」

「勘を取り戻すのを手伝うってこと?」

「必要ないならしないだけだけど?」

振り返らず、故意に質問を質問で返すクロノにアオヒメはやや底意地の悪さを覚えつつも笑ってしまう。

「何、笑ってんだよ?」

「回りくどく言わずに“手伝ってやる”って言えばいいのに」

「う、うるせぇ」

ごまかすようにぶっきらぼうに言って部屋をツカツカと足早に出ていってしまう。

「もう、待ちなさいよ!」

少し、やり過ぎたかな?と軽く思いつつもクロノのあとを追うのであった。

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