29.一段階上昇
ギルド対抗イベントまで残り十日に迫る中、俺はギルドホームで不味い肉を口にしている。石化と呪怨以外の耐性スキルは“無力化”まで到達しているけど、この二つだけが未だに“軽減”を彷徨っている
「石化と呪怨が無力化にまで行けば・・・・・・イベントが進むと思うけど。あと、幾つ喰えば終わるかだな」
懐から紙を取り出して正の字を記入して個数を数えると現状で1151。あと少しで1200だからそろそろのはずなんだけど・・・・・・どうにかなることを祈るか。あとは武器に変化の兆しが一向に見られないことが気がかりってくらいだな。マジでそろそろ、一段階上に上がってほしんだけど・・・と刀と銃を見つめた
「・・・・・・・・・おっ!?」
アイテムから肉を取り出そうとして無いことをクロノは顔をしかめて、すぐさまにギルドホームから足繁く通う西の森に移動した
「さっすがに見慣れた風景は飽きるな」
メイプを西側から出てすぐにうっそうと茂る木々を一瞥して突き進み、セキアントとニルキャタのコンビが3セットの計六体に遭遇する。
「赤蟻と赤毛虫か・・・ちょうど良い。風穴だらけにして風通しよくしてやる」
先手を取ったセキアントは六本の脚で素早く接近し、強靭な顎で喰い殺さんと標的を挟み上げる
「・・・虫にたかい、たか~いされても嬉しくねぇんだよ!」
セキアントの攻撃を両腕で押さえつけて逆上がりをするように顎を蹴り上げて解放された勢いで身体は一瞬の落下と同時に浮上し、セキアントの頭上で制止する。
ばら撒いておいた投げナイフに乗って浮けるとは思いもよらなかったな。俺自身の重さの所為で精々、瞬間的な足場くらいにしか使えないと踏んでたのに・・・STRが高いおかげでその問題も解消されたし、今後、空中戦になった時に活躍できる!
「っと。人が気分良くしてる時に強酸飛ばしたり、体毛飛ばしたりしてんじゃねぇ、害虫ども!」
咄嗟に自分の乗った投げナイフを操り、避けるが本来、戦闘中に油断してるのが悪いのだから攻撃をされて怒る方が間違っているのである
「氣術・武器強化、アーツ・散壊」
氣術によって強化されたアーツは輝きをさらに増して銃から青い尾を引いて放たれ当たった瞬間、内から膨張し鳴き声を聞く間もなく体液となんとも言えない臭気だけを残して虫たちは一匹残らずにその身を四散させた
「あ・・・」
無意味に武器強化しすぎてHPとMPがろくに残ってねぇ・・・高火力イコール消耗激しいってことは分ってるけどついつい、やっちまうな。雑魚相手だからいいけど直さないとなこの悪癖。
ポーン
≪サブウェポンが一定の経験値を得たことにより進化できるようになりました。進化させますか?それとも現状を維持させますか?Yes or No≫
システムアナウンスから目の前に選択画面から即座にYesをタップすると・・・銃は目も眩むような光を放ち、その形を変容させて光は収束し消失した
≪サブウェポンがレベル2になりました≫
やっと一段階上がりやがったって言っても・・・
重くてデカイ回転式拳銃の形した鈍器にしか見えない・・・明らかに対人用じゃねぇ対物ライフルみたいな口径の黒いバレルが上下に二本、炎のレリーフがグリップに彫られてる
「銃の見た目よりもレベルアップによる火力がどのくらいになったかの方が気になる」
早速、ウィンドウから装備を選択し見てみると
プレデター:AGI+100 STR+40:属性:炎
AGI、STRともに二倍になってるし特にAGI+100は嬉しい。攻撃からの回避スピードは高くなって被弾率は下がるし瞬間的とはいえ距離を詰めるのがより早くなって先制しやすくなる。それに火力が低くても属性が取れたからある程度は補填が利く
ポーン
「また鳴った。次はなんだ?」
≪武器に属性が付いたことにより斬撃、貫通、破砕の武器属性および“アーツ”に属性付与ができるようになりました。また、スキルによっては同様の効果を得ることができます≫
「これって武器に付いてる属性は装備者が装備している限り、別の属性が付いている武器にも付与できるってことだよな?だとすると・・・後々に面白いことができると思うけど今はプレデターに属性付加してみるか」
「属性付加:炎、アーツ・チャージショット!」
銃弾を装填し、銃を構える。すると銃口の先に掌大の紅い光球が精製され、目の前の大木に向けて引き金を引き、光球は大木を丸い穴を穿ち、瞬時に炭化させて消失させる結果を残した。
「さて、良い結果も残せたし・・・虫狩りはレベルアップしたから止めて鬼狩りに全力を注ぎますか!」
と自身を鼓舞してその足でフィールドを駆け回り、出現する大鬼や虫類を満足するまで蹂躙した
ポーン
≪イベント条件“鬼の肉を喰らう” “状態異常全耐性スキルを獲得する” “単独で蹂躙”を満たしたことにより【人間やめますか】を進行します≫




