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『Materialize World Online』  作者: 高須 白
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28.雑談

「ク、クロノくん大変ですぅぅぅ!!!ひゃあああ」

 ミズキはギルドホームに勢いよく駆け込むとテーブルの角にサッカー選手ばりのヘッドスライディングを決める

「ヘッドシュートの練習か」

 シュート決めるよりシュートポストに頭ぶつけそうで少し心配になるな。頭ぱっくり流血沙汰とか、頭ぱっくり流血沙汰とか大事なことなので二回言いました

「転けて頭ぶつけただけでそんな練習してません!それが本当だったらどうするんですか!」

 涙目で額を押さえながら立ち上がり速射砲並みの速さで突っ込みが発射される

「その時は“ガンバレー、ガンバレー、ミズキ”って全力で棒読みしてやるよ」

「心から応援して下さいよ!ってそんなことはどうでもいいですが・・・何してるんですか?」

「最近流行りの“お肉タイム”だ」

 あれから数日、鬼の肉が一定量貯まるたびにギルドホームに戻って食べるというのが習慣化し、今日も不味い肉を口にしている。

「それはクロノくんだけだと思います」

 ふざけて言ったのにバッサリ斬られた

「それで何が大変なんだ?」

「一ヶ月後に・・・・・・・・・ギルド対抗のイベントがあるんです!」

「間が長げぇよ!イベントってあれだろ?ギルド同士で旗取りするんだろ」

「フラッグ奪取です!古めかしい言い方はやめてください」

「意味一緒じゃん!」

「雰囲気の問題です」

「・・・すっげぇどうでもいい」

 イベントまでに人間やめられればいいんだな

 クロノは口角を上げて嗤った

「クロノくん、その笑顔はやめた方がいいと思います。悪魔が嗤ってるようにしか見えませんよ」

「うるせぇよ」

 人の笑顔を気味悪がるな。泣くぞ!

「そんなに怒らなくても・・・」

「怒ってないから。そんなことで怒ってたらコウをサンドバッグにするだけだ」

「そ、そうですか・・・」

 アレ、引かれてる・・・?別の話題に変えよう

「そういえば“神様のお使い”は順調か?」

「ま、まぁ・・・じゅ、順調デスヨ?」

 へぇー。だったら目線を逸らしたり、口笛を吹いたり、声が裏返ってるのは何でだろうな?

「ミズキ、嘘下手だな」

「クロノくんに言われたくありません」

「それで何に詰まってるんだ?」

「もう最終段階のところまでは進んでいるんですがフライングデビルの羽と尻尾がまったく落ちなくて・・・でも倒すことはできるんですよ」

 フライングデビルって聞いたことないな。エミルからもらったリストにも載ってなかったし、イベントモンスターの一種か。必要ならラピスに聞いてみるか。

「困ってるみたいだな。フライングデビルの情報いる?」

「え、知ってるんですか!」

「俺は知らねぇ。知り合いがお前と同じイベントしてるから知ってると思うけど・・・聞こうか?」

「・・・・・・ぜひ、よろしくお願いします」

「分かった。少し待ってろ」

 ミズキをその場に放置し、自室で

 クロノはウインドウからボイスチャットを選択し、ラピスを呼び出す


≪クロノさんがラピスさんにボイスチャットを申請しました≫


(こんにちは~クロノさん)

「よう、急に連絡して悪い。“神様のお使い”イベントで聞きたいことあるんだけどいいか?」

(いいよ。ギルメンから頼まれたんだよね)

「正解。フライングデビルの羽と尻尾のドロップを教えてくれ」

(その部位だけに一発も外さずにダメージを与えて倒すことだね。外したらドロップは何もないよ、経験値が手に入るだけ)

 地味に難しい条件付きドロップだな。ミズキにできるのか?

「サンキュ。報告することがあったら連絡する」

(了解。いつでも連絡待ってるから、またね~)

 俺はボイスチャットを終了し、ミズキのところへ戻って情報を教えてあげた



「知り合いに聞いたけど、フライングデビルの羽と尻尾はその部位だけを一発も外さずに狙って倒せばいいってよ」

「それって地味にハードじゃないですか!!!私にできると思ってるんですか?」

 条件付きドロップの不平をクロノにぶつける

「・・・できるできないじゃなくてとりあえずやってみろ。文句はそれから聞いてやる」

 クロノはやむ無く、自信のないミズキに葉っぱをかけた

 射撃武器を選んでんだからそれなりに腕は悪くないはずなんだけど・・・本人にその気がなきゃ当たるものも当たらない。手は貸せねぇから言葉だけでも送っておこう

「・・・ちょっとチャレンジャーしてみます!!!」

「お、おう!?」

 勇み足で出ていくミズキの背に挑戦者(チャレンジャー)じゃなくて挑戦(チャレンジ)の間違いだろ?というツッコミを入れたのは間違ってない



「・・・上手く人をのせるようになったわね」

 ミズキが出て行ってすぐに立ち聞きしていたらしいエミルは人の悪い笑顔で悠然と階段から降りてくる

「お前ほどじゃねぇよ」

 ミズキが単純なだけで俺にはミヤビをあんな風にするほどの腕前はないから!というよりも引く

「そんなに褒めても何もサービスしないわ」

「いや、誉めてないから」

 お前、暇だから降りてきたのかよ・・・レベリングしてろ

「それよりも退屈しのぎに楽しい話を聞かせなさい」


「・・・・・・特に楽しい話はねぇけど状態異常耐性スキルが一通り取得できたぞ」

「あら、それはよかったじゃない。首尾良く進んでいる証拠ね」

「って言っても下位から最上位まで幅広く習得してるから“鬼人”を殺る時には全部、最上位になってると思うけどな」

「フラグかしら?」

「違う、ただの直感だ。現状の時点で毒無力化、麻痺無力化、鈍重軽減、燃焼軽減、幻覚軽減、魅了軽減、混乱軽減、石化耐性、呪怨耐性、睡眠耐性・・・etcって言葉通りに幅広く習得してるからその流れで全部、無力化までは習得できるだろ」

 たぶん・・・大丈夫だ!

 不確定要素たっぷりの直感であった

「何だか、適当。でも貴方なら出来そうな気がするから不思議ね」

 エミルから何となく“一悶着起こしてくれ”って強い期待感が背後から滲み出ているのは気のせいだと思いたい

「期待に応えられるようになればいいけど・・・」

 不味い肉を取りだし、顔を顰めるクロノであった


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