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敵ボス登場

話の展開が急になってしまいました…

筆力がなくてすみませぬ


今日は体がだるい。絶対昨日のせいだ。


「嬢ちゃん、大丈夫かい?」


今日は珍しく下ネタ混じりの感想がない。


「…みずぶろにはいりたい」

「ああ、今用意するな」


昨日は体を拭えなかったから肌が汗でぺっとりしていて気持ち悪い。すごい嫌な気分。


少ししたら宵さんが戻ってきてくれて、わたしはお姫さま抱っこをされて脱衣場まで運ばれる。


「あらおチビちゃん、体は大丈夫?」

「…うん」


ここからはお姉ちゃんにバトンタッチ。服を脱いだらお風呂にいれてもらう。


水の属性を持ったわたしは溺れることがないから、一人で大丈夫。備え付けのチャイムを鳴らせば誰か来てくれるし。


「じゃあおチビちゃん、後でね」

「…うん」


(水風呂気持ちいい…)


体質が変わってから、お湯のお風呂よりこっちの方が好きになった。


(…そういえば、わたしってなにかすごいことできないかな)


化け物なんだもの、少しぐらいすごい能力がなきゃやってられないよ。


例えば…そう、水が宙に浮いたり…


「………………わぉ」


本当に浮いた。球状になってる。


 ジャー


とりあえずお風呂の水を追加。


「…うごくのかな」


頭の中でふよふよ動く水を想像すると、目の前の水球も同じように動く。


「………もういいや」


飽きた。


ため息を吐いた瞬間、お風呂の扉が開く。


「ここかっ!チビの…」


バチャッ


「あ…」


侵入者に水球直撃。


あーあ、脱衣場までびしょびしょ。ごめんね宵さん。


「なにをする!このぶれいも…」


ビチャッ バシャッ


全弾命中。


「ふぇ…いきなりにゃにをしゅるのだ!おようふくがぬれちゃったのだぞ!」


噛み噛みになりながらもギャーギャー騒ぐ侵入者を見る。


子どもだ。わたしと同じぐらいかな。


黒と紫のゴスロリっぽいワンピースを着てて、頭の横に角が二本生えている。尻尾も生えてるし悪魔みたいだ。


とりあえず脱衣場にある洋服を水を使って取ってきて、もう一度着る。


ついでに蛇口をひねって水を出し、その水で体を包む。水中でも息ができるから問題ない。


「おいむしするな!わらわがはなしているのだぞ!」

「…うるさい」


五連続で水球を発射。もちろん全弾命中。


「ふぇ…」


まったく、せっかくのリラックスタイムをめちゃくちゃにして。


「るうやぁっ!からやぁっ!チビがいじめるのだぁっ!!」


泣き始めた。本当に迷惑な侵入者。


「姫っ!?あぁなんてこと、この瑠雨夜がいながら…」

「大丈夫ですか!?…お召し物がびしょびしょに…この火羅夜がいながらの不祥事、全身全霊をもってお詫び致しまする!」


何か執事っぽい人(双子かな?)がやって来て、侵入者をあやす。服を拭いたり抱き上げて飴をくわえさせたり…


「…ロリコンか」


どうでもいいけど出てってくれないかな。一応入浴中なんだけど。


「でてって。はやくしないとまたびしょびしょにするよ」

「ふふん!るうやとからやがきたからもうだいじょうぶなのだ!」


意味わかんない。


「おまえをくってやる!」


なに、新手のジョーク?


「おさないにんげんのほうがおにくがやわらかくておいしいからな、おまえをくってやるのだ!」


あら、本気みたい。


「わらわはプレトのリーダー、るかなのだ!こうえいにおもえ!」


プレト…確かわたしたちの入ってる集団(ギルドって言ってたっけ?)と間反対の、人間撲滅が目標のギルドだった気がする。


「…みんなはどうしたの」

「おまえのなかまはきぜつさせてけっかいにとじこめたのだ!たすけはこんぞ!」


もしかして絶体絶命?


「…もしわたしをたべたら、みんなをどうするの?」

「たべるのだ」


わたしがなんとかするしかないっぽいけど、瑠雨夜って人と火羅夜って人は強そうだ。


困った困った…


『嬢ちゃん!大丈夫かっ!!』

「宵さん…?」


湯ぶねの縁に掴まって身を乗り出すと…


「―っ!!」

『嬢ちゃん!嬢ちゃん!!』


…宵さんが、頭や腕から血を流している宵さんが、ここに張られているらしい結界を叩いている。


「…宵さんにけがさせたの?」


宵さんが血を出してる。血を、血を、真っ赤な血を…




血、母さん、血、刺した、血、痛い、母さん、血、赤い、血、血、母さん、血、痛い、血、血、血、血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血傷つけた血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血宵さんを血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血

血血血血こいつらが血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血血…


宵さんを傷つけた


「…なんじゃ?」


こいつら、宵さんに、怪我させた。


「…わたし、ちが、きらい」


やっちゃ、いけない、ことをした…


『…許されないことをした』

「ひっ…」


大きな水球を作り、圧力を掛けて小さく、小さく縮めていく。


『………許さない』

「「姫さまっ!!」」


圧力を解放すると、水は矢のように瑠火一直線に飛ぶ。


ブシュッ


『…………チッ』


避けられたか。


バリバリっ!


「嬢ちゃん!!」

「なにっ結界を素手で引き裂いただとっ!?」

「てっ、てったいじゃっ!」

『逃がさないっ!!』


全力で攻撃したけど、一瞬早く消えてしまった。


「嬢ちゃん!!」


宵さんに抱きしめられる。


このままじゃ宵さんが溺れちゃうから、慌てて水を操るのをやめる。


「大丈夫…もう大丈夫だよ…」


優しい宵さんの声。


「もう大丈夫だから…嬢ちゃん、ほら、リラックスして」

『…………?』


少し焦ったような宵さんの声で、ようやく自分の状態を理解する。


体に鱗が生え、脚が尾鰭に変わり、そして額に角が生えていた。


かれこれ一年振りかな。


「…だいじょうぶ」


深呼吸をすると体が元に戻った。


「宵さんこそ…」

「ん?…ああ、このぐらいの怪我はなんともないって」


そんなこと言っても手は焼けただれている。結界を手で引き裂いたって言ってたし…


「しっかし嬢ちゃんはすごいな!水を操れるのか!」

「そんなことはいいからてあてしなきゃ!!」


風呂からでて意識すると、服から水が離れていった。服を乾かせるのは便利かも。


「…そうだ」


水を飛ばして前に宵さんが買ってくれた浮き輪(一人でお風呂に入るときに遊べる用)を持って来させ、空気に代わりに水を詰める。


これで一人でも行動できる。


「ほら宵さん、はやくてあてしないとっ」

「はぁ〜…どんな時でも嬢ちゃんは可愛いなぁ〜」


ほんわかしてる宵さんを引っ張って、とりあえずリビングに戻った。


「おチビちゃん!大丈夫だった!?」

「うん」


見たところ、お姉ちゃんには怪我はない。赤い人はいなかった。


「宵さんてあて」


救急箱を取ってきて、消毒をして包帯を巻く。


「あらおチビちゃん、すごいわね。どうやって浮いてるの?」

「…いろいろあって」


面倒だから説明は端折る。


「この家にも結界を張らないとね」

「ああ…プレトの瑠火が来るとは思わなかった。満月じゃなくて良かったな」


満月だと力が強くなるとか、そんなのかな?


くぅ〜


「…おなかへった」

「そうだな、じゃあご飯を作るな」


ちょっと疲れた。


ご飯ができるまで、わたしはソファでちょっと寝ることにした。


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