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間者の準完

作者: じゅラン椿
掲載日:2026/05/05

職員室のなんとも言えぬ空気は、いつだって、私の内側を重く支配する。生徒たちの無関心、指示待ちの態度。それは生徒だけではなく、私たち教員の間にも同じようにまん延しているように感じられる。


 誰かが指示を出すまで、動かない空気、生徒指導も校務分掌も、何か問題が発生するたびに、誰かの責任を追及する声が聞こえる。


今日も放課後私はため息をつきながら窓の外を見ていた。

隣の席に座る先輩教師の田辺が言う。

 「桐谷君、また片付けやってるねっ・・・」

 「桐谷君・・・」

私が尋ねると、田辺先生は小さく頷いた。

 「そうなんです、自らすすんで当たり前のように、ゴミを拾ったり、椅子、机を、整えている」


 私は驚いた。そんな生徒がいるなんて・・・・・・。


そして、文化祭の準備の話を聞いた。


文化祭の準備で生徒たちは担当された準備があったがお喋りが盛り上がる中、桐谷が黙々と準備を進めていた。すると、普段悪ふざけで、目立っている佐藤が、桐谷が準備で出たごみを、何も言わずゴミ袋に集めた。


桐谷君は一言"ありがとう"と言っただけ。

 でも、その声がなんだか、クラス全体に響いたのか、生徒たちが変わっていったという。

指示待ちだった生徒が自発的に手伝い始め、協力、協調の輪が生まれ広がったのはまぎれもない事実だ。


私たち教師は、生徒たちに数多くの事を教えようと、言葉を必死に尽くしているのかもしれない。


大切な事は、もっとシンプルで、もっと身近ですぐそばにあるのだろう。

教師や、大人が教えるべきことは、指示に従うことではなく、自ら考え行動し、感謝の気持ちを伝えること、その連鎖が温かい光に替え、育っていくものだと、改めて感じた。



 「先生方も、お疲れ様です、いつもありがとうございます」

職員室を去り際、田辺先生はそう声をかけてくれた。


私にはその一言が私の深心に響き染みた。

 「こちらこそ、ありがとうございます」

私も、そう言い返し、他の教員達にも"ありがとう"を伝えた。


この感謝の気持ちが教師たちの間にも、冷たい空気をゆっくり温めてくれることを願い信じながら。




この物語はありふれた日常風景から着想しました。私たち社会が特に若い世代がまるで指示されることを、待っているかのように見えてしまうことにもどかしさを感じてしまいがちです。

 "ツメタイ空気"という単語は教室だけではなく、職場や地域にも広がっているように、感じてならないのです。

 何気ない行動で、感謝を受け止めることをきっかけに、何か気づきが生まれることが増えるといいなぁ、と思っています。


最後まで拝読ありがとうございます。


♧♧♧ じゅラン 椿 ♧♧♧♧♧

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