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無情の魔術師  作者: 情緒箱
第一章:学園入学編
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第七話:早々な潜入失敗の危機

 ミリアの通っていたゴードンでは、黒を基調とした暗い色の服が基本だったが、セレスティナでは違う。

 セレスティナでは、白を基調とした明るい色の服が基本となる。

 それは、貴族は華やかに、そして美しくあるべきという考えからきたものだ。

 セレスティナでは、男子生徒はキリッとした服にズボンを着、女子生徒は足首まであるワンピースを着、男女共に手袋をつける、以上が制服に関しての校則として決められている。

 ここまで肌を見せないような校則があるのは、貴族ではむやみに肌を見せることははしたない行為とされる。

 セレスティナは貴族学園故に、社交界に相応しい態度、姿でなければいけないのだ。


 現在は夏であるためそのままでは汗が出るし、ミリアは暑すぎて気絶するのではと思ったほどの暑さだ。

 だが、ニナは少し暑いと感じただけでミリアほど暑く感じていないため、単にミリアが暑がりなだけだ。

 しかしミリアもニナも貴族ではないため、暑い日には冷房の結界を体に展開することで温度を調節している。

 ミリア達は社交界には七賢者として出ていたので、最低限はできるだろうと自惚れていた。

 しかし、最高を求められる貴族の世界で、最低限では話にならないのだ。

 しかもそれに加えて『ミリア・マイルは話せない』という設定があるのに、どうしてミリアが無事に過ごせるのだろう。


「こちら、編入生のミリア・マイル坊です」


 ミリアは教室の教壇に立った。

 隣には既にサクッと自己紹介を終わらせた。

 喋れない設定のミリアからすると、好きに話すのは避けたい所だ。


「挨拶を」


 教師に促されたミリアは、苦肉の策を取ることにした。


「ミリ、ア・マ、イル…です。 よ、ろろしく…お願、い、しま…す」


 それは区切り区切りで喋ることだ。

 『話せないのは喉が焼けたから』設定に過大解釈する。

 喉が焼けてるのを嘘だと見破られないように、ゆっくり喋り、言葉の途中で区切って、話すのが痛そうに話すのだ。


「では、2人とも廊下側の2席に座りなさい」


 教師に言われた席に向かう途中、冷めた視線で見られたが、きっと成功しているのだろうとミリアは考えた。


 そうして2人は席に座り、授業を受け始めた。

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