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無情の魔術師  作者: 情緒箱
第七章:学園祭編
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第七十七話:休息

 ついに午前の部終了のチャイムが鳴り、ミリアの地獄のメイドコスの時間も終わりを告げた。


「ようやく、終わった…はあ…」


 ミリアは疲労を喉から出した。

 多くのクラスメイト達はメイド喫茶の疲労などなかったかのように楽しく談笑している。


「次の午後の部も楽しみよね」

「そうですわね。ちなみに、かの七賢者『結界の魔術師』様も観られるそうよ」

「まあ!わたくし『結界の魔術師』様の方に意識が向いてしまいそう!」


 ここまでローランに人気があるのはどうしてかと次第に気になり始めたミリアはローランの今までやってきた行動を思い出してみることにした。


 1つ、ローランのゴードン在学時、暴れまくったせいで何度も停学をくらっていたこと。

 2つ、王国魔法団の団長になり、歴代三位の竜討伐数を叩き出す。

 3つ、そんな中、好きな人ができたこと。

 4つ、好きな人と結婚する条件に、父親から七賢者になることを出されたこと

 5つ、見事合格し結婚。幸せな家庭を築き、奥さんの尻に敷かれるようになったこと。

 6つ、クセの強い同僚達の中で数少ない常識枠になっていたこと。

 7つ、同僚に対してはほぼ全員に容赦なく喧嘩口で接すること。


(最近は内側に隠してるから外面だけ良くなって、結果昔より余計にたち悪くなってないか?)


 ダメじゃん…そう思いつつ、ミリアは教室を出た。

 ローランが学園に来ており、そして劇も観に来るなら、護衛の心配もいらないだろう。

 ローランは超短縮詠唱も扱えるし、緊急事態になったとしても大丈夫だ。うん、大丈夫なはずだ。


(劇も見に行く必要はなくなったし、適当に暇つぶしに行こっと)


 ミリアは『責任持ってないから何してもいいでしょ』状態になり、ルンルンで飛び跳ねながら裏庭を歩いていると、肩が叩かれた。


「ん?」

「あ、あの…」

「ああ、モナカじゃん。どうしたの?」


 振り向いてからモナカと話そうとすると、なぜか彼女は俯いてしまった。

 最近は監査の仕事をしている時でもかなり


「…どうしたの?」

「え?あ…えっと…ミリア、化粧とかするんだなって…」


 ミリアは一瞬沈黙した末に、自分がまだ化粧を洗っていなかったことを思い出した。


「…そ、れ、は…出し物で…メイド喫茶をしてたんだよね。

 終わった後に洗うの忘れてて…」

「え?!あ、そうだったんだ…」

「そ、それで!何があって、僕を呼んだの?」

「ローランさんに連れてこいって言われて」

「え?」


 すっかり休む気でいたミリアは狼狽し、走り逃げる準備を急いで整えた。

 しかし、それを見透かしていたかのように、振り返るとニナがおり、ニナに一瞬で肩をつかまれた。


「ニナさん、ありがとうございます」

「いやいや、全然大丈夫よ。

 一人だけサボろうとしてたミリアが悪いんだし」

「あ〜!嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ、いやだーー!

 あたしは休むんだ!あたしには精神の休息が必要なんだー!」


 嘆くミリアの抵抗も虚しく、ミリアは連行されていった。


 * * *


 連れてこられたミリアは前にセフィル、左にニナ、右にモナカ、後ろにローランという、とんでもない席構成になっていた。


(ふざけんな!なんで皆はあたしを!僕を休ませてくれないんだ!

 メイドコスってみんなが思ってるより恥ずかしいんだぞ!そうだよ、女子はウキウキ楽しそうに来てさぁ。けど僕は違うんだよ!

 僕はあんなに素肌出すなんて恥ずかしいんだよ!わざわざ同性をキュンとさせる顔と!萌え声を作って!そして客にキモい顔されるのがいっちばぁん辛いんだぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!)


 ミリアは現実空間とは切り離された独立した精神空間で愚痴っていた。


 是非劇が始まるまでにこの気持ちが落ち着いていてほしいものだ。

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