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無情の魔術師  作者: 情緒箱
第六章:大会編
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第六十四話:退屈で仕方がない時のリス

 三校大会当日。

 朝の早い時間から、ミリアは運営用の腕章をつけ、会場の地図を手に会場内を歩いていた。


(問題なし)


 * * *


 ミリアは校門前で他校の生徒を待っていた。

 普段の生徒の登校時間と被らないよう、他校の生徒は毎年早く来校するからだ。


「あ、ミリアじゃないっすか!おはようっす!」

「おはよう、メラン」

「それにしても、こんな早くに登校なんて偉いっすね」

「運営担当だから。…それにしても、メランが、早く来るなんてな…」


 メランはいつも遅刻ギリギリで登校していることで有名な生徒だ。

 普段ならこんな朝早くには来ない。


「いつもは実家の手伝いしてるんすよ。これがいろいろ大変なんすけど楽しくって、いつの間にか時間過ぎちゃうんすよね」

「なんで、今日に限って?」

「父ちゃんと母ちゃんが、『大会なんてあるならちゃんと見に行きなさい』って言って蹴飛ばしてきたんっすよ」

「それは、まぁ…なんとも、いい人だな」

「はいっす!最高の両親っすよ!」

(家庭環境怖いな)


 ミリアは一瞬だけ視線を逸らすが、すぐに戻した。


「話を戻すけど…今日の日程は、ちゃんと覚えてる?」

「勿論っすよ!」

「言ってみて」

「えぇっ!?」


 メランは驚くも、声を出しながら数え始めた。


「えっと〜、確か今日が言論、明日チェス、明後日演奏…だったっすよね?」

「合ってる」

「良かった〜。それじゃ俺、そろそろ教室行くんでまたっす」


 ミリアは教室に走っていくメランを見ながら校門で待ち続けた。


 * * *


 その後の初日は難なく終わった。

 ゴードン、カロライナの生徒は時間通りに来校し、言論大会も滞り無く行った。

 テーマは『力には自由と責任のどちらが大切か』というテーマだったのだが、ミリアは退屈で仕方なかった。

 そのせいで内容を覚えておらず、メランに言論の解説を求められた際に割と適当に答えたのは秘密だ。

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