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無情の魔術師  作者: 情緒箱
第三章:生活編
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第二十一話:荷物整理と不穏な知らせ

三章開幕

 ミリアは荷物の確認をしていた。

 荷物の中には七賢者とバレル物や危険物もあるので、必ず一週間に一度は確認するようにしている。


 ローブ…それぞれの七賢者ごとに施された専用のローブで、簡単な魔術や物理攻撃では擦れもしない優れもの。


 杖…それほど華美ではない装飾が施された、背丈を超える長さの、金色の杖。

 杖は魔術師の階級によってその特徴が変わる。

 下級魔術師は木製で背丈の三分の一の長さの杖、中級魔術師は金属製で背丈の二分の一の長さの杖、上級魔術師は金製で背丈と同じ長さの杖を使うことになっている。

 そして七賢者になると、純金製で自分の背丈以上の長さの杖を使うことができるようになる。


 治療の首飾り…いつも身に着けているもので、ミリアの妹の形見だ。また、毒、精神異常、状態異常などの全ての異常を分解する解毒魔術の効果を常時得られる。

 治癒の指輪…左手にはめることで、常時治癒魔術の効果を得られる。

 結界の指輪…右手にはめることで、対物理・魔術結界の効果を常時得られる。

 霊圧の腕輪…左腕に装着することで、常時身体強化魔術の効果を得られる。また、魔力の循環速度を上げたり、魔力効率・出力を限界まで高めることもできる。


 ミリアはラークと同じく魔力過剰摂取症状をもっており、その魔力接種速度はラークを優に超える。

 これら四つの魔道具は、ミリアからあふれる魔力をもとに発動しているため、ほぼ魔力切れの心配がない一品たちだ。


 鳴鎖…魔力の切り替えで伸縮を自在に扱える魔道具で、鎖は常に電気を帯びている。

 紅劫…筒状の魔道具で、常に熱を帯びている。

 凍棺…小さい棺のような魔道具で、内側から冷気があふれている。

 晩鐘…小さい鐘のような魔道具で、周囲の魔力を無尽蔵に吸収・貯蔵し、それを放出する魔道具。


 これらの魔道具は禁具として禁忌に登録されている。

 その理由は魔道具の効果が、人道的・倫理的・自然影響に問題を与えるとされているからである。


 後の荷物は簡単な本だ。

 すべての荷物を確認したミリアは、寝床に倒れた。

 さすがに一週間と少しでいろいろありすぎて疲れたのだ。

 そうしてミリアは寝ようとしてー


「起きなさいミリア! あの『結界』様からの伝令よ!」


 起こされた。


「人の名前を覚える努力をしろ」

「ミリアが読んでないのに覚えると思う?」


 ぐうの音も出ない。


「…それで、伝令っていうのは?」

「これから!」


 そうしてメロから渡されたのは小さな水晶だ。

 遠距離で映像・音声を相手に直接伝えたいときに使われる連絡手段だ。

 ミリアは水晶を手に取り、魔量を通した。

 そうして出てきたのは見慣れたローランの顔だ。


「朝早くに申し訳ありません。 至急七賢者にお伝えすべき事態が発生いたしまして」

「何があった?」


 ここまでローランが焦り、七賢者に通達しなければいけない事態など、そうそう起こることではない。


「…師匠が開発後、厳重に保管されていた禁具の一部が、盗み出されました」


 ミリアは8種の魔道具を発明後、そのすべてが禁具に指定され、ローランと『黄昏の預言者」の二人の七賢者の下、厳重に保管されていた。

 魔道具一つ一つが凶悪な性能を誇り、中には暗殺目的で使用されてしまうものもある。

 それがこの潜入護衛時にー七賢者による各地方の監視が不足な時に起きたとなれば、こちらの状況を知り好機と判断したうえで反抗した可能性が高い。

 その重大な事態に、ミリアは言葉を失った。


「現在、私、王国警備兵、『黄昏の預言者』殿で捜索していますが、まだ見つかっていません。 潜入護衛しているほか二人にも、警戒しておくことを伝えておいてください」

「…分かった」

「それでは、失礼します」


 ローランがそう言うと、水晶の映像が消えた。

 ローランが魔力を切ったのだろう。


 ミリアはだるい体を起こして、寝床から出た。

 ミリアはメロに「ありがとう」と伝えると、その部屋を出た。

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