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無情の魔術師  作者: 情緒箱
第一章:学園入学編
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第八話:中庭のご飯

 昼休憩の時間になった。

 セレスティナでの昼食は、基本的に屋上か中庭で取ることになっている。

 セレスティナに中庭は表庭と裏庭の2つがあり、生徒達は中庭で昼食をとる際は表庭を使用している。

 そのため、裏庭で昼食をとる生徒は少ない。


 ミリアは設定的にも話せないし、話したい相手もいないので、昼食を食べようと裏庭へ向かう。

 ニナが昼食を誘ってきたが、1人で食べたい気分のミリアは断ったのだ。

 なお、ニナは仕方なく仲良くなった男女友達と食べることにしたらしい。


 セレスティナの表庭と裏庭では、作りはほとんど同じなのだが、咲いている花が違う。

 表庭では美しく華美な花が咲いているのに対し、美しくもどこか儚さを感じる花が咲いていている。

 ミリアは表庭の花も好きだが、表庭と裏庭のどちらが好きかと聞かれれば好きなのは裏庭である。

 しかも表庭に生徒が多いおかげで裏庭には人が全くいないので、ミリアは裏庭を占拠できるというわけだ。


 ミリアはルンルンで裏庭の噴水付近に入った。

 噴水付近では周りが高い生垣で見えなくなっている。

 プライバシーが守れる親切設計となっているのだ。


 ミリアは噴水の恥に座ろうとした。

 そこで、ミリアは噴水の反対側に人影があることに気づいた。

 金髪の、ズボンをはいているので少年だろう。


「見つけたぞ! 殿下の命を狙う暗殺者め!」


 そう言い、茶髪の男に金髪の少年を見ている間に腕をつかまれた。


「ッ! 硬…」


 当然だがミリアの腕はびくともしない。

 細い腕だが筋肉はついているし、身体強化の魔術も常時発動しているからだ。

 一瞬、ミリアはこの茶髪が暗殺者かと考えたが、自分を暗殺者と思い込み、なおかつ王子殿下が所属する生徒会の生徒専用のバッジを付けている、という2点から考えを外した。


「大丈夫だよ、エリック。 どうやら迷い込んでしまったみたいだね」


 そう言い、金髪の少年…フィリップ王子がエリックと呼ばれた茶髪の男を止めた。


「すまないね、驚かせてしまった」


 フィリップはそう言い、柔らかい笑みを浮かべながらミリアに近づく。


「いいえ、大丈、夫…です」


 王子相手なので礼儀として、ミリアは返事をした。


「何とも歯切れの悪いことだ」

「仕方ないだろう、エリックも編入生の火傷の話は聞いたろう?」

「…そんなのもあったな」


 ミリアはそんな話を彼らがしてる間に裏庭を走り脱出した。

 あそこにいれば何が起きるか分かったなものではないからだ。

 そうしてミリアは午後の授業を受けた。

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