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暁色に染まった建物をじっと眺めていると、だんだんと、なんだかオレンジ色に染まってゆくようで、哀しさが注がれてゆくのでした。そんな淡いことを考えているうちに、いつの間にか建物は、薄い藍色を含み始めているのでした。そんな中を何ともつかない鳥が一羽、視界の端をちらついて、私はそれに目をやりました。そうしてしばらく、いいえ、ずっとの間見つめていたのでしょう。いつしか鳥は見えなくなり、建物はすっかり、星を散らしたようになっていました。それに驚きつつ私は、さっきの鳥はきっと鳩なのだろうと、根拠のない思いを巡らせるのでした。
自然とは美しく、だから、人というものも美しい。




