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暗闇。そこの映し出される濃黄色の鋭利な円弧。それは高く、どうしようもなく高く、彼方遠くにあった。肌寒い風、いや、それどころか体の芯に届かんとするほどの風が、濃黄色のそれをもっと彼方へと押し流そうと吹いている。しかしその風は、濃黄色のそれに届くことなく、しんとした地面をかすめていくばかりである。音もい風の静寂は、まるですべてを凍てつかせるようであり、この静寂こそが身をさす寒さの原因ですらあるように思えた。この澄み切ったどこか寂しい感じのする空間に、私はいつまでもいたい。
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ぬるぽ




