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「脳内物質のせいにしてはいけないが、知っておくべきである」



(手影絵サークルの部室にて)


野田さん(生真面目にノートを取りつつ)

「……最近、ちょっと眠れない夜が続いてまして、神経伝達物質というのが関係しているらしいんです。今、GABAを調べてます。」


富澤さん(いつもの調子で)

「ガバ?なんか元気出そうな名前だな。『ガバッ』て起きるとか……」


部長(腕を組みながらピシャリ)

「違う。GABAは“γアミノ酪酸”。脳の興奮を抑える神経伝達物質。交感神経の暴走を鎮める作用があるの。リラックスを司る、いわば“抑制系の番人”よ。」


副部長(急に静かに)

「GABAが働くと…夜の湖のように、脳内が静まるのですな…。波が立たず、心は鎮まり…」


野田さん(うなずきながら)

「ええ…それで、セロトニンという物質も調べました。これは“調整役”。興奮と抑制のバランスを整えて、感情の安定に関わるそうです。」


富澤さん(お茶をすすりつつ)

「てことは、イライラしやすい私は、セロトニン不足か…。ていうか、それ、どこで売ってるんだ?(笑)」


部長(真顔で)

「売ってない。だからこそ呼吸法や日光浴、軽い運動が必要なの。特に日中のセロトニン合成は、夜の“メラトニン”分泌にもつながるから、不眠改善にも直結する。」


副部長(眼鏡を曇らせながら)

「まるで、昼の穏やかな微光が、夜の眠りの糧となるように……」


野田さん(ノートをめくりながら)

「それと、ドーパミンは“快の化学物質”で、達成感ややる気に関わるらしいです。“報酬系”を司る物質…」


富澤さん(ちょっと反応して)

「それめっちゃ大事じゃん。私、最近“やる気出ねぇ”ってずっと言ってたけど、ドーパミンだったのか!やっぱ脳のせいか!」


部長(微笑みながらも冷静に)

「“ドーパミンの出しすぎ”も問題よ。ギャンブル、SNS、ゲーム――過剰な報酬刺激は中毒的傾向を生む。調整できなければ、快楽に支配される。」


副部長そっとささやく

「欲望は焚き火のようなもの…小さな炎なら暖をとれるが、制御を失えば…すべてを焼き尽くす……」


野田さん(小声で)

「そしてノルアドレナリンは、緊張や集中を高めるんですよね。過剰だと不安になって、少なすぎると注意力が続かない……」


富澤さん(ちょっと納得)

「なるほど…あのプレゼン前の震えとか、急に汗かくのって、ノルアドレナリンのせいか。敵じゃないけど、使いどころ難しいヤツだな…」


部長(スライド的にまとめ)


脳内物質の簡易整理


神経伝達物質主な役割多すぎたとき/少なすぎたときの傾向

ドーパミン快楽・やる気・報酬系中毒/無気力・鬱

セロトニン感情の調整・安定安定しすぎ/イライラ・不安定

ノルアドレナリン緊張・警戒・集中過覚醒/注意欠如

GABA抑制・鎮静・安心感鈍麻/興奮・不眠

オキシトシン愛着・信頼・母子の絆過剰依存/愛着障害

エンドルフィン鎮痛・多幸感鈍感化/痛み感受性UP


副部長(小声で)

「脳の中には…まるで五重奏のように、さまざまな音色が共存している…。調和こそが、健康の旋律なのですな。」


野田さん(真面目にメモしながら)

「神経伝達物質は“いい悪い”ではなく、“多すぎても少なすぎても困る”もの……。バランスをとるのが“生きる”ってことなのかもしれませんね。」


富澤さん(しみじみ)

「…いやあ、私、ちゃんと寝よ。」


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