『捕まえられた速記者』
ある国がよその国に攻め込まれて、首都を占領されてしまいました。王様こそ逃げおおせましたが、多くの大臣たちや政府の役人たちは、よその国の兵隊に捕まってしまいました。
そんな中、一人の速記者が捕まりました。速記者は必死で訴えました。私を殺さないでくれ。私は一介の速記者にすぎない。私にできることといったら、王様や大臣の言葉を書き取って国民たちに伝えたり、町へ出て、国民たちの言葉を書き取って、王様や大臣に伝えたりするだけなんだ。
よその国の兵隊は、互いに顔を見合わせ、大きくうなずいて、速記者を引き立てていきました。
教訓:自分では大した仕事ではないと思っていても、実は国の根幹にかかわっているということがある。