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二千年越しの返事を君に  作者: 霧生うと
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プロローグ〜夢〜

 これは夢なのだろう。

 僕は、目を開けてすぐにそう確信した。


 全く見覚えの無い部屋だ。しかし、なぜか懐かしいと感じる、そんな部屋だ。


 どんな夢なのだろうか?


 そう思いつつ、周りの状況を確認しようとして違和感に気づいた。頭を動かすことが出来なかったのだ。それどころか、目線を動かすことすらも出来ない。

 どうやら僕は、この夢の中では体を動かすことはできないようだ。


 しょうがないと思いつつ、どんな夢なのか把握しようと、視界に映るものについて考えた僕だったが、意外にもこれがどんな夢なのか簡単に把握することが出来た。


 これは僕が戦っている夢なのだろう。肘の先あたりで黒い服がちぎれている、傷だらけの腕。その腕で持った剣を前に向かって構えている。そして剣の先には、一人の男が悠然とたたずみ、こちらを見ているのに気づいた。状況的に見て、この男が戦っている相手で間違いないだろう。


 真っ白な髪の毛を眉のあたりで切りそろえているその男は、余裕があるのか、剣を構えずにこちらを見ている。こちらが傷だらけなのに比べ、白髪の男に傷らしい傷は見られない。


 どうやら戦いは、男の方が優勢な様だ。


 視界に映る二人の状態を見て僕はそう判断した。

 こちらを見る男には明らかな余裕が見られる。


 僕はなぜかこの男を知っている気がした。どんなに思い出そうとしても、記憶の中にこの男の姿はない。にもかかわらず、僕は確信を持てるほどにこの男を知っているのだ。


 なんとか思い出そうと記憶を漁っていた僕だが、男が口を開いたのを見て考えるのをやめる。


 こちらに向かって何かを言っているのだろう。しかし、その声を聞くことは叶わなかった。なぜか男の声は僕には聞こえなかったのだ。


 男が口を閉じると同時に、空気が変わったのを感じた。戦いが再開するのだろう。


 男が剣を構えたのを合図にするかのように、こちらから男に向かって走り出す。対する男もこちらに向かって走りだす。そして、ちょうど二人が立っていた中間の位置で互いの振るう剣が衝突した。


 拳一つ分のの距離まで近づいたことで、僕は男の顔を近くから見ることが出来た。非常に端正な顔立ちをした、中性的な顔をしているだ。にも関わらずその表情には色がなく、瞳には深い闇が広がっていた。白い髪とは真反対の何処までも深い闇を抱えた黒い瞳。


その瞳を覗いたと同時に、


 僕の意識は途切れた。

初めての作品なので、至らないところ多くあると思いますが、暖かい目で見て頂けたらありがたいです

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