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第二論:ホットスタートはなぜ必要なのか

 一応伝えておくが、この話は基本的になろうを始めとするWEB小説のエンターテイメントを基準にして話を行っている。


 また、あなたが作者であるなら、作品とは読まれたいものであり、多くの読者に作品を最後まで楽しんでもらいたいという欲求があるものとする。

 WEB連載でもれっきとした文学作品を書いているとか、読者に読まれたいと願っていないなら、この項目は読まなくて構わない。


 そしてこの論を書いている作者である私は書籍化作家ではない。

 よってプロではない単なるアマチュアの意見として聞くべきだ。

 一応異世界恋愛の中編で5万pt取ったあたりが実績。それを含めて1万pt以上の作品が5作ある程度。

 その程度の奴の創作論など聞く価値がないと思うのは全く構わないので、その場合はとっととブラバするように。


 さて、あなたが自身の作品を読んでもらいたいとして、まず作品がより多くの人の目に留まるために何をすべきかということである。

 投稿時間や、逆お気に入りユーザを多くする、Twitter等での告知という作品外での話や努力を除くと、作品内でできることは本質的に、


・タイトル、あらすじで読者の興味を惹くこと。

・タイトル、あらすじ、キーワードに検索性の高いワードを入れること。


 この2つしかない。

 作品の出来はどうなのか?と思われるだろう。実のところ極論ではあるが、まず手に取ってもらうこと。作品の出来はその次の話である。


 わたし自身あまり長文タイトルを好むわけではないが、それでも有用であるのは間違いない。

 短くてもインパクトがあり、時流に沿っていて、既存のものと被らず、多くの読者の心を掴むタイトルが浮かべば良いが、それが浮かぶことは滅多にないだろう。


 とまあ長文タイトルの是非はともかくとして、では作品の冒頭をホットスタートにする意味とは何か。


 いわゆる起承転結という作法を持ってきたとして、「起」の部分、プロローグやオープニングを面白く書けるであろうか?ということである。


 ホットスタートが早い段階から読者・視聴者の興味を惹き、楽しんでもらうための手段であるのは間違いない。


 ただ、WEB小説の場合は特に、そこで読むのをやめないようにさせたいという意味が大きい。

 オープニング読まれた段階でブラバ(ブラウザバック)され、読むのをやめられることの無いようにしたいのだ。


 あなたがなろうで長編作品を書いているというのであれば、KASASAGIで部分別PVというのを見ることができる。


例えば

1話:10人

2話:10人

3話:9人

4話:7人……


のように読者がついているならそれは冒頭が面白い、興味深いという意味になるだろう。そこでの離脱者がいないのだから。


だが

1話:10人

2話:5人

3話:4人

4話:3人……


のようになっているならばどうだろうか。これは半分の読者が冒頭でもう読むのをやめているということになる。


 つまり第一話がクソである。


 これは文学的にクソという意味ではない。冒頭に書いた通り、『多くの読者に作品を最後まで楽しんでもらいたい』という目的に対してクソである。


 マーケティング的表現で作品の価値を語るならば、


タイトルは作品を手に取ってもらうために、

あらすじは第一話を読ませるために、

第一話は第二話を読ませるために、

第二話は第三話を読ませるために、

……

最終話は次回作を読ませるために存在する。


 もちろん、全ての読者を同時に満足させる話なんて存在しない。

 だがエンターテイメントである以上、離脱率が高い作品や高い部分があるのであれば、その作品あるいはその部分はクソである。


 そんな毎話面白いとか無理じゃね?とか、エンターテイメントのプロの小説や映画だって、一話分程度の内容でどこも面白いわけではないよと言うかも知れない。


 なるほど。市販の小説でもそういったシーンはあるだろう。そしてそれは許される。だが、あなたには許されない。無論、わたしにも。その理由は2つ。


 1つに我々はプロではないからである。プロの作品ならこの後面白くなる信頼がある。我々にはない。今つまらなければ先もつまらないと思われるのである。


 別に全シーンが同じテンションで面白いという必要はない。それはむしろ面白くない作品だろう。


 例えば、なろうで鬱展開はダメ、読者が剥がれるという話があるだろう。

 あれは、単に主人公が凹まされてるだけのシーンを書くからだ。

 主人公が苦境にあるシーンであっても、読者が将来の逆転を期待できるシーンになってないからダメなのである。


 ちょうどこの文章を書いている7月頭だが、今連載している、

「王都の決闘士」

https://ncode.syosetu.com/n3936gz/

下の海村さんのイラストがバナーの作品だが、主人公ボコボコにされてるとこであるよ。

 でもそんなシーンでも面白くない?と言いたいのだ。主人公が強くなる期待が持てないか?と言いたいのだ。


 つまり、ストーリーは面白いか、先が面白いと期待させ続けろ。

 全ての読者にではない。それは無理だ。でもあなたが想定する読者層があるだろう。それに刺さり続けることは意識すべきだ。


 もう1つはあなたの書いているそれがWEB連載だからである。小説や映画なら、もう金を貰っているのだ。売った段階で目的を達しているとすら言える。また駄作であろうと、映画を途中で見るのやめて帰る者は少なくないか?


 だがWEB連載はそうではない。読者が見始めるためにコストを払ってない以上、いつでも読むのをやめるのだ。


 この考えは週刊誌の漫画連載に近いと言える。


 つまり、打ち切りだ。

 編集者が打ち切るか、読者が読むのやめるかだけの違いである。


 さて、これを踏まえてだ。

 そもそも第一話や序盤がつまらないと読者に思われるのは最悪である。


 あなたが好きで100話まで読んだ作品の101話がつまらなかったらどうだろう。多くの読者は読み続けると思うのだ。


 それは先程言ったコストを払っているから。

 無料公開の作品でもね。


 そう。時間だ。読者は時間というリソースを割いて作品を楽しんでいるため、先に行けば行くほど途中で読むのをやめようという気にはならない。

 長期連載を読むのをやめるとしたら、作品のマンネリ化により飽きたとか、ライフスタイルが変わって読めなくなったという別の理由による。


 でも第一話は違う。まだ読者は全くコストを支払っていない。つまり「まあ読まなくていいかな」と最も言いやすいのだ。


 だからオープニングはこだわるべきだ。


 だから出来るだけ読者を逃さないオープニングにすべきで、そのためにみんな頭を悩ませるのだ。


 ホットスタートとはそのために必要な考えである。

 何となく私の主張が見えてきただろうか。ホットスタートとは別に熱いシーン、アクションやバトルから始めろと言ってるのでは無いということを。


 あなたが書いた作品、それを好んでくれる読者層がイメージできるだろうか。

 それはランキングからなろうの作品を読んでる人なのかもしれない。なろうのハイファンが好きな人なのかもしれない。もっと狭い人たち。SFとか、ダークファンタジーが好きなのかもしれない。

 男性向け、女性向け、大人向け、子供向け色々あるよな。

 これによってあなたの獲得できる読者の数は変わるだろう。

 ダークファンタジー書いてる奴がなろうのランキングを駆け上がるのは厳しい。分かってるだろ?


 でもな、逆に言うけどさ。あなたの力作、それを最後まで読んでくれれば、作品のターゲットである読者はきっと満足してくれると思って書いてるよね。

 その読者は途中で読むのやめることは無いと言えるか?

 特にオープニングでもういいやと言われる事は無いと言えるか?


 静かな出だしでも良いんだよ。そこに光るモノはあるか?その出だしを好む奴が読んだらもう最後までぶっ続けで読みたくなると言えるか?


 無論、全員という事はないさ。どんな面白い作品でも嫌いな人は必ずいるから。

 でもそれだけの熱量をオープニングに込めたか?ってこと。

 今回はここまで。

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i555396
― 新着の感想 ―
[一言] なろうのアクセス解析、部分別の累計ユニークが見れると離脱率の把握がしやすいんですけどねえ… データが2日遅れというのもなんともかんとも(´・ω・`)
[一言] 無料というのが強みでもあり、弱みでもありますよね。事前情報無しで読まれるには、それなりの用意をしておかないと、見てもらえない。読み手が長かったのでその辺の感覚は分かります。用意出来るのかが問…
[良い点] 面白いです。 ぼんやり感じてはいるけど、ぼんやりしすぎていたモノが頭にすとんと入ってきます。 >読者が見始めるためにコストを払ってない以上、いつでも読むのをやめるのだ。 刺さりました。
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