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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍発売中】  作者: かっぱん


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970/1359

970 クウちゃんさまは、1人、ウニを思う





 おはようございます、クウちゃんさまです。

 水滴を浴びて目覚めたら、なんか空の上に超巨大な青い龍がいました。


 龍です。


 神社にいるような……。

 蛇に足と翼のような付いたタイプのドラゴンです。


 ふむ。


 いったい、何がおきているんだろうね。


 体に付いた水滴には、しっかりと水の魔力が混じっている。

 悪い魔力ではない。

 うん。

 とても澄んだ、綺麗な魔力だね。


 あと、なんか龍がいるのに、私の敵感知は反応していない。

 邪悪な力も感じない。

 龍は純粋に、純粋な水の力の集合体のようだ。


 まわりを見れば、町は水びたしだ。

 水路や噴水から水が溢れて、大変なことになっているね……。

 ただ、騒ぎにはなっていない。

 みんな、まだ――。

 青空に浮かんだ龍の姿を見上げてポカンとしている。


 龍が咆哮をあげる。


 町全体が、震えるようだった。


 それで、ゴムが弾けたように、一部の人はパニックとなった。


 バケモノだー!

 バケモノだー!


 と、半狂乱で逃げ出す。


 ただそれでも、半数以上の人は、まだ空を見ていたけど。


 私も空を見ていた。


 龍には、町を襲ってくる様子はない。

 咆哮の後は――。

 まるで自分の姿を見せつけるように、空を優雅に舞い始めた。

 青く輝いた美しい姿だった。

 その姿は、なんというか、空の王……。

 ううん、ちがうなぁ……。

 どちらかと言えば、海が似合うような気がする。

 水だし。

 海の王かな……。

 ただ、ダメか。

 なにしろ海といえば、カメ様の領域だ。

 ウニなのに。


 …………。

 ……。


 どうしてカメ様はウニ様なんだろうね。


 どうして水の龍は空にいるんだろうね。


 どっちも変だよね。


 うん。


 というか、カメ様はウニだから、南の海の主だったね。

 ということは、この龍が西や東の海の主である可能性はあるのか。

 なら、うん。

 この龍は、カニとかヒトデなのかな?

 ウニではないよね……。

 うん。

 だって、ウニはカメ様なんだし。


 ああ、なんか。


 頭が痛くなってきたよ……。


 もう、いいか。


 寝ようかな。


 私は、龍のことは忘れて、ベンチにもう一度、横になろうと思った。

 サンネイラは帝都と同じく、平和な町だった。

 私みたいなスーパー美少女が1人で無防備にお昼寝していても、変なちょっかいはかけられない。

 のんびりと、眠ることができた。

 目が覚めちゃったけど。


 うん。


 もう眠くはないかな。

 魔力も回復した。

 仮に龍が暴れても、軽く処理できるくらいには。


 ああ、でも……。


 ウニかぁ。


 ウニって、なんだろうねえ……。


 カメ様かぁ……。


 いったい、どうして私は……。

 水の龍を見ながら、ウニのことを考えているんだろうねえ。

 わけがわからないよ。


 そういえば、タムは元気なのかなぁ。


 タムは、南の海で出会った、リザードマンの女の子だ。

 カメ様をウニと言った、この世界でただ1人の存在だ。

 まあ、うん。

 南の島は、平和な島だし……。

 ではないか。

 魔物の生み出される魔力だまりがあったし、エルフ族とは犬猿だったし。

 でも、きっと、元気でやっているよね。

 また会える日が楽しみだ。


 来年の夏も、バカンスに行けるといいなぁ……。


 次は冬休みだけど。


 今は11月。


 今年もあと一ヶ月と少しでおわりなのだ。


「ふぁー」


 やっぱり眠くなってきた。

 寝よっと。

 空ではなんか、龍の舞いが狂気のような激しさになっているけど……。

 舞いというよりは、なんというか、苦しみに耐えかねて身をよじらせているだけのような気もするけど……。

 まあ、いいよね。

 なんか、きっと、そういう、すごい踊りなのだろう……。

 敵感知も反応していないし。

 私はベンチに寝転んで、再び目を閉じた。

 おやすみー。


 寝ようとすると、感じる……。


 気のせいか、なんだか急に空気が変わったね。

 ゆるやかな清涼感が消えて――。

 ピリついた――。

 まるで落雷でも落ちてくるかのような、イヤな緊張感を覚える。


 なんだろ……。


 面倒だけど、私は目を開けた。


 すると、空を踊り狂っていた水の龍が動きを止めていた。


 ん……?


 水の龍の魔力が一気に高まるのを感じる。

 なんだろ。

 水の祝福でもするのかな?


 見ていると――。

 敵感知が急に強い反応を示した。

 水の龍からだ。


 ということは、アレか。


 すごい攻撃でもする感じなのかな?

 空中で水の魔力を爆発させて――。

 私の魔法で言えば――。

 タイダルウェーブとか……。

 水属性の広域殲滅魔法で、貫通効果のある範囲攻撃だね……。

 町なんて、きっと一飲みにしてしまうことだろう。

 怖いね。

 もしもそうなら、それは大変なことだ。


 おやすみー。


 って。


 おやすみしている場合じゃなーい!


 私は慌てて『ユーザーインターフェース』を開いた。

 装備欄の武器スロットに『アストラル・ルーラー』をセットする。








今さらだけど気づいたこと……。作中は今、11月。リアルも今、11月。

なんと久々に、作中とリアルの季節が重なっています!

あとアマゾンでブラックフライデーが始まりましたね!

私はノートパソコンをポチりました!

ケチって、レッツノートの中古ですが……。

中古パソコンって、どんな感じなんでしょうね……。

初めて買うので、楽しみ半分、恐怖半分です\(^o^)/

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― 新着の感想 ―
[一言] やはり恐怖の大魔王ですね、攻撃魔法を祝福と勘違いするとは
[一言] アカン……魔王を見つけてしまった 魔王はすごい剣を装備してやる気だ もう間に合わない(色々とw
[一言] >いったい、どうして私は……。水の龍を見ながら、ウニのことを考えているんだろうねえ。 たぶん……ウニみたいに放射状に水の龍が爆散するからじゃないですかねえ? 今ならまだ間に合う、主を乗り換え…
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