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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍発売中】  作者: かっぱん


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868 大会の朝っ!




 新しい朝が来ました。

 大会の朝です。


 こんにちは、クウちゃんさまです。


 さあ、というわけで。


 いよいよ最強バーガー決定戦の当日がやってまいりました!


 今日の私は大忙しです。


 まずは夜明けに合わせてナオとエリカとユイを迎えに行く。

 今日、3人は帝都でお忍び散策だ。

 朝から遊んで、昼にはバーガー大会を見学する。

 夜は、帝国要人との交流として、いつもなら大宮殿のパーティーに参加するところだけど――。

 今回は自国の仕事も忙しくて、3人は夜になったら帰宅する予定だ。


 かわりにユイたちは、バーガー大会を陛下たちと一緒に高い場所にある特別観戦室で見ることになった。

 陛下たちは、とにかく東側の状況を知りたがっている。

 まあ、うん。

 お忍びの訪問を今回も快く了承してくれたわけだし、情報収集の時間くらいは差し上げるべきだろう。

 バーガー大会は、ずっと集中して見ているようなものではない。

 会話は普通にできるはずだ。


 ちなみに私は、試合の実況者。


 ずっと集中して見ているようなものではないからこそ……。

 私の抜群のトーク力と銀魔法『ライブスクリーン』を駆使して、大いに会場を盛り上げる予定だ。

 盛り上がりすぎて、会話できなかったらごめんねっ!


「じゃあ、ヒオリさん、フラウ。行ってくるねー。夕方には帰るからー」

「はい。いってらっしゃいませ」

「今日はたっぷりとカメたちと楽しんでくるのである」

「フラウも、来たいなら来てもいいよ?」

「野暮はやめておくのである。最後に顔を出してくれれば十分である」

「うん。わかった。じゃあ、夕方にね」


 2人に見送られて、私は出かけた。


 まずはナオの家。


 ナオの家には、庭に精霊界へとつながる泉があるので、私1人だけなら行くのは精霊界を経由して簡単だ。

 泉から外に出ると、すでにナオが待っていた。


「おはよう、クウ」

「おっはよー」


 元気よく手を振って、私はぶるりと震えた。

 さすがは自然豊かな獣王国。

 澄んだ夜明けの空気が、帝都と比べて遥かに冷たい。


「こっち、寒いねー」

「帝国と比べれば標高も高いし、田舎だし、やむなし」

「あはは」


 ナオは私服姿だった。

 どこにでもあるような、普通の長袖と長ズボン。

 背中にはリュックを担いでいる。

 リュックが、なんとなくカメの甲羅みたいな形と色と模様なのは、たぶん偶然ではなく趣味だろう。


 全体的に見れば、うん。

 ピクニックに出かける女の子だね、まさに。

 よい変装だ。


 ただ、まあ、うん……。


 戦士長として獣王国をまとめ、幾多の戦いを勝ち抜いてきたナオには、すっかりと貫禄が付いている。

 無表情なのは相変わらずなんだけど……。

 その鋭い眼光は、まさに狼だ。

 立ち姿も妙に様になっていて、これがいつもの士官服姿なら、さぞかし立派に見えることだろう。

 今日は、なにしろカメさんリュックなので、その可愛らしさが相反して、なんだか不思議な雰囲気になっているけど。


 まあ、いいか。


 ともかく私はナオを連れて、転移の魔法を使った。


 次はエリカだ。


 飛行の魔法を使って、空から、ジルドリア王城の上階にあるエリカの部屋のベランダに着地する。

 たくさんのバラの飾られた綺麗なベランダだ。


 エリカはそのベランダで私たちのことを待っていた。


「おっはよー、エリカ」

「おはー」


 私とナオが挨拶すると、エリカはくるりと回って、


「ふふ。どうですか、わたくしの今日の変装は? 我ながら完璧すぎて怖いくらいなんですけれど」

「うん、まあ、いいんじゃないの」


 エリカの服装は、ツバの広い帽子にベージュのワンピースだった。

 エリカにしては珍しく、赤色がない。

 それだけで、いつものエリカとは、かなり印象がちがう。

 ただ、うん。

 どこからどう見てもいいところのお嬢様なのは、相変わらずだけど。


「……もしかして微妙でしたか?」

「ううんー。いいと思うよー」


 とはいえ、派手好きなエリカしてはよく頑張ったと思う。


「そうですか。それならいいですの。ふふー。似合っているでしょう? さすがはわたくしでしょう?」


 エリカがモデルみたいにポースを決める。


「いぇす。さすエリ」


 ナオが拍手した。


「さすエリ」


 私も真似して拍手した。


 さあ、次だ。


 最後はユイのところだね。


 ユイのところは、家に転移陣があるので行くのも簡単だ。


 転移して、到着。


「およはう、みんなー。待ってたよー」


 ユイが朗らかに出迎えてれる。


 ユイは、髪をしばって帽子をかぶってメガネをかけた、いつものユイナちゃんスタイルだった。

 服装はブラウスにズボン。

 オシャレではあるけど、エリカと比べれば見た目のお嬢様力は低い。

 ユイの場合は、姿絵が大量に出回っているので……。

 信者の人にじっと見られてしまうと、まあ、うん、かなり不味いことになるかも知れないけど。

 そこは、今日もユイの肩に乗っている白いフェレットちゃんが、なんかこう上手いことしてくれることだろう。

 私は知らない。


 なにしろ今日の私はお大忙しなのだ。

 ユイたちをマリエに届けたら、そのまま会場に飛んで、最終チェックをしなければならないのだ。

 残念ながら、ユイたちと一緒に帝都散策をしている時間はない。

 試合中には実況もするので、合流は大会の終了後だ。








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[一言] 三人揃えば大惨事のフラグが
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