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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍化】  作者: かっぱん


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1379 交流試合、大将戦! ブレンダVSファラータ





 さあ、ついに最後。


 大将戦は、ブレンダさんとファラータさんの戦いだ。


 ブレンダさんは大技が得意なパワーファイター。

 武器は両手剣だ。

 男勝りな戦士気質の先輩だけど、実は相思相愛の婚約者がいて、学院を卒業したら結婚する予定の方でもある。

 まったく。

 羨ましいですね、相思相愛の相手がいるというのは。


 ファラータさんは、いかにも貴族令嬢といった雰囲気の毅然とした女性。

 だけどその実、自分より大きな男を屈服させるのが大好きといった性癖を持つ、なかなかに個性的な御方だ。

 武器は、以前は片手剣だったと思うけど、今日は両手剣だ。


 両手剣同士の戦い。


 本人たちの気質も含めて豪快な試合になりそうだ。


「クウちゃん、いよいよ最後ですね。この戦いでついに帝国と王国の勝ち負けが決まってしまいますね」

「ただの学生の余興だけどねー」


 なので勝ち負けに意味ない。

 私は笑ったけど、セラは緊張した面持ちだった。

 と思ったら。


「クウちゃんだけに、くう」


 とセラに言われて、


「え」


 思わず私は嫌な声を出してしまった。


「すみません、クウちゃん! ついうっかり! 緊張のあまり禁断の言葉を口に出してしまいましたぁぁぁ!」

「いや、うん。別に禁断ではないと思うけれどね……」


 だって私の名前だし。


「クウちゃんだけにくう!

 クウちゃんだけにくう!

 クウちゃんだけに――。くうううううう!」


「いや。うん。だからと言って、叫ばなくてもいいからね。ほら、ここはものすごく人目のある場所だし」


 幸いにも会場は騒がしい。

 むしろ喧騒に満ちているといってもよかったので。

 本当に幸いにもセラの声は、それほど目立つことはなかった。


「す、すみせまん、クウちゃん……。わたくしとしたことがはしたない……」


 セラは我に返って反省してくれた。

 ならばよし。


「あはは。面白かったよー」


 私は気にせず笑った。


「ううう。ごめんなさい」

「いいからいいから、ほら決戦を楽しもうよ」

「そうですね……。そうします」


 ステージではすでに、ブレンダさんとファラータさんが対峙している。

 決戦の時間だ。


 レイリさんが勇ましく宣言した。


「開始!」


 さあ、どうなるか!

 どちらが先に、どんな風に動くのか!


「うおらぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

「たぁぁぁぁぁ!」


 ブレンダさんが雄叫びを上げ、負けじとファラータさんが叫び、二人が裂帛の気合で正面からぶつかる。

 剣と剣との間に火花が散っても二人は引かない。

 戦いは堂々たる押し合いから始まった。


「さすが! 噂には聞いていましたが、たいした力ですわ!」


 ファラータさんが高揚した声で言った。


「はっ! そっちこそ、エリカ王女のお茶のみ友達って聞いていたが、なかなかどうしてたいした力だ!」

「ただの力ではありませんわよ! これはわたくしの鍛錬の賜物です!」

「それはそうだよな! ――っと!」


 ブレンダさんが競り合うファラータさんの剣を打ち上げた。

 ファラータさんの胸が空いた。

 ブレンダさんにとっては絶好の攻撃機会だ。

 と私は思ったけど――。

 ファラータさんが流れる体の勢いを利用して膝を上げた。

 その膝がブレンダさんの腹を狙う。

 ブレンダさんは距離を詰めた。

 一歩を踏み込んで組み付き、腹への攻撃を相殺すると共にもんどり打って倒れた。


 二人の手から剣が離れる。


 二人は石畳の上を転がり、互いに有利な位置を取ろうとする。

 寝技の勝負となった。

 と思った次の瞬間、下になったファラータさんがブレンダさんを蹴り上げ、ブレンダさんの体が宙に舞った。

 普通の人から見れば有り得ないレベルのパワーだ。

 観客席からは驚きの歓声が上った。


 二人はそれぞれに体勢を整え、自らの大剣を手に取って構えた。


 そして、まるで息を合わせたように――。


「「パワー・スラッシュ!」」


 完全に同時に、大剣の武技を放った。


 魔力を帯びた大剣の強打が、互いに正面からぶつかって――。


 パリン。


 二本の大剣の刃は砕けた。


 大剣には、ちゃんと保護の魔術がかけられていたけど、その魔術の効果を上回って剣と剣とが激突したのだった。


 ピーピーピー!


 司会のレイリさんが激しく笛を鳴らす。


「武器破損! 武器破損につき、この試合は引き分け! 保護魔術の効果すら上回った二人に称賛の拍手をお願いします!」


 レイリさんが必死に場をまとめようと大きな声をあげた。


 観客の人たちは呆然としていたけど――。


 ぱちぱちぱち。


 セラが拍手を始めたことで、会場は拍手に包まれた。


 かくして交流試合は――。

 帝国から見て――。

 1勝2引き分け、で、勝利におわった。


 ただ、うん。


 この戦いを見て、王国が弱かったという者はいないだろう。

 この戦いはまさに新しい時代の幕開けを告げる、新しい力と新しい力の堂々たるぶつかりあいだったのだから。


 最後はレイリさんの司会の下、帝国と王国のそれぞれの三人がステージに戻って、あらためて握手を交わした。


 生徒会長たるアリーシャお姉さまは出てこない。

 なぜならこの戦いは余興。

 武闘会の主役は、あくまで本戦に参加した生徒たちなのだから。


 ともかく大盛況の中――。


 今年の武闘会はおわった。









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― 新着の感想 ―
無事に終わって良かった良かった(*´ω`*)ホッ
うーむ、ふたりとも強い
この戦いを見て、王国が弱かったという者はいない、とは思いますが、そうは言っても悔しいでしょうからね。エリカさんから、クウさんに指導の要請があるかもしれませんね
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