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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍発売中】  作者: かっぱん


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1352/1359

1352 6月になりました






 6月に入って、いよいよ学院祭が迫ってきた、ある日の昼休み。


 たまたま昼食後にエンゼと2人になったので、何気なく対抗戦の王国側の3人目のメンバーは誰なのかなぁと聞いたところ――。


「あ、それなら僕だよ?」


 あっさりと判明した。


「え。そうなんだ?」

「これでも一応、『ローズ・レイピア』の一員だしね。と、これは悪いけどクラスのみんなには秘密でお願いね」

「うん。わかってる」


 話が広がると、いろいろ面倒もあるだろうしね。

 挑戦とかもされそうだし。


「でも、そうかー。まさかこんなに身近なところにいるとはねー」

「はは。それはどうも。クウは出ないんだよね?」

「うんー。でないよー」

「クウがとても強いことは、実はエリカ様から聞いていてね。機会があれば、ぜひ一度とは正直に言うと密かに思っていたけど」

「代表に決まったアンジェリカ・フォーンは、私の友達だよ。強いからねー」

「それは楽しみだ」


 まだ対戦相手は決まっていないけど、普通に考えれば、第一回戦でエンゼとアンジェがぶつかることになるだろう。


「私とやりたいなら、学院祭がおわって、王国に帰る前になら受けて立つよー」

「それはぜひお願いしたいな」

「うん。わかった。いいよー」


 せっかくだし、いい思い出にしてもらおう。

 と、高慢なこと思ったりもしてしまう私ではありますが……。

 実際のところ、剣については、このままではマズイかな、とも思っている。

 なぜなら、こちらの世界に来てからずっとではあるんだけど、本気で剣を振るって、本気でぶつかり合う機会がまったくない。

 私は最強すぎた。

 腕前が、完全になまってしまっているのだ。

 戦い自体は、最近はダンジョンによく行っているので、しているんだけどね……。

 このままでは、本気での剣の振り方を体が忘れてしまいそうで怖い。


 私がそんなことを思っていると……。


「でも正直、最近はちょっと体がなまっていてね。全力で戦えるか少し不安ではあるんだ」


 そんなことをエンゼが言った。


「どうして?」

「ほら、なかなか本気で練習できる場所がなくてね――」

「あー」


 それはそうか。


 留学生のエンゼは、帝都では王国の準備した別邸で暮らしているというけど、庭があっても暴れるには狭いだろうし。


「んー。そういうことなら、ダンジョンに行く?」

「いけるものなのかい?」

「私ならね」

「いいのかい? 迷惑になると思うけど」

「エンゼさえよければいいよー」

「ならせっかくだし、お願いしようかな」


 というわけで、エンゼともダンジョンに行くことになった。

 敵に塩を送る行為だけど――。

 公平でいいよね、その方がきっと。


 一応、メイヴィスさんたちには確認したけど、快くオーケーをもらえたし。

 一緒に行きたいというのは、さすがに却下しました。


 あと、エンゼの対戦相手は、やはりアンジェだった。


 メイヴィスさんはトーノさんに。

 ブレンダさんはファラーテさんに、それぞれ闘志を燃やしていた。


 ダンジョンでのエンゼは、ハッキリ言って強かった。

 アンジェの相手として不足はなかった。

 ハースティオさんたちは、本当に容赦なく鍛え上げている。

 エンゼなんて、いくらオトコノコに見えても、まだ今年で13歳の少女にね。

 それを言ったらアンジェもだけど。


 あとエンゼは、私のことをしっかりとは聞かされていなかったようで、気軽に転移魔法を使ったら本気で驚かれたけど――。

 実は私、エルフでも異国の王女でもなくて精霊さんなのでしたー、てへ☆

 と言ってしまいました。

 エンゼとはすっかり仲良しだしね、まあ、いいかなーと。

 エンゼは普段通りに接してくれました。

 よかったです。


 あとあと結局、おわったら最後にね、とか言っておきながら、エンゼとはダンジョン特訓のついでに打ち合ってしまいました。

 楽しかったです。

 やはり、剣と剣とのぶつかりあいは最高なのです。


 そんなこんなで――。

 6月はどんどん進んでいった。


 クラスの出店準備は順調。

 問題なし。


 帝都では、ラーメン屋がオープンして大賑わいとなった。

 ラーメン大会への期待はどんどん膨らんでいる。


 気温も上がって、夏が近づいてきた。


 そして――。

 ついに――。


 学院祭の当日は来たのだった。







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― 新着の感想 ―
クウさんが本気で戦えるとなると……………やっぱ先代の精霊女王かな?満足して消えちゃったそうだけど
なんという強者ゆえの悩み。 思いっきり縛りプレイするか、弟子なりゴーレムなり対戦相手を自分で用意するか、あとは…名刀電光◯でも作るしかないか…? いや、勇者が居たか。あっちも修行相手に困ってるんじゃ?
何が起きるなかなあw
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