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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍発売中】  作者: かっぱん


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1312/1359

1312 今日も工房は賑やかです


 工房に入ると、ヒオリさんとフラウが必死に精神集中をしていた。

 生成の最中だね。

 だけど残念ながら今回は失敗のようだ。


 かたまりかけた光は――。

 弾けた。


 テーブルの素材が、ぬいぐるみへと変化することはなかった。


「2人とも、朝から頑張ってるねー」


「なかなかうまくいかないのである」

「申し訳ありません、店長。ファー殿に差をつけられてしまい……」

「あはは。ファーは私の能力を引き継いでいるんだから、そりゃ、生成だって出来るよ。比べない方がいいと思うよー」

「はい……。そうですね……。しかし、無念です」


 ヒオリさんはガックリとうなだれる。


「で、ある。妾たちも、クウちゃんの力にもっとなりたいのである。ただぬいぐるみは、ゴーレムのように力づくで固めるだけでは上手くいかないのである。難しいのである。極めて繊細な魔力操作が必要なのである」

「もう少しだけお待ち下さい。必ずや成果をあげてご覧に入れます」

「あはは。期待はしているけど、そうなったら私、本気でやることがなくなるね」


 ちなみに期待です。キタイではありません。

 私は簡単に踊ったりする子ではないのです。


「店長は発展に尽力していただければ、と」

「で、ある。クウちゃんは走り続けるのである。足元は、妾たちが支えるのである」


 なんというありがたい言葉か。

 私にやる気さえあれば!

 でも、まあ、2人の気持ちはありがたく受け取っておこう。

 私はお礼に、今日も生成のコツを教えてあげた。


 しばらく工房にいると――。


 あああ……。


「「「クウちゃんだけに、くう!」」」


 お店の方から、イケナイ合唱が聞こえたぁぁぁぁぁぁ……。


 私は仕方なく店内に戻った。


 すると朝っぱらから、なぜかボンバーとサクナが来ていた。


 どうしてよりにもよって2人そろって!


 なんと偶然らしいけど……。

 2人とも、偶然にもポーションを買いに来たという……。


「ふふ。巫女ちゃんさんのいる時にこの偶然、まさに運命ですね」

「ええ。その通り! 我らクウちゃんず! 導かれる者たちです」


「ではあらためて、わたくしがクウちゃんの巫女として、もう一度だけ言いましょう」


「こほん」


 またやろうとしたセラの背後で、私は咳をした。


「クウちゃん!? いつからそこに!?」

「ねえ、セラ。約束したよね?」

「は、はう! ちがうんです! ちがうんです、クウちゃん! 今のは新年の挨拶! ただの新年の挨拶ですからぁぁ!」

「はぁ……。なら、もうしないよね?」

「はい! もちろんなのだ!」


 まったく、もう。

 いつから私の友人セラフィーヌさんは、こんなギャグキャラになったのか。

 ボンバーとサクナを従えて、ビシッと敬礼するセラの姿に……。

 私のため息は自然とこぼれるのでした。


「すみません、店長……。あまりの勢いに止める間もなくて……」

「ううん、いいよ。エミリーちゃんは気にしないで」


 エミリーちゃんを慰めていると――。

 ドアが開いて、今度はロックさんが現れた。


「よー、クウ! 来てやったぞ! おまえ、アニーたちんとこに行ってやったそうだな! いいとこあんじゃねーかよ! というわけで、おまえが来た記念に、アニーたちに鞄をくれてやることにしたから制作頼むわ、って――。なんでいるんだよ、テメェは!」

「ふ。ロックさんですか。なんですか? この私、ボンバーに何か御用でも?」

「あるわけねぇだろ、このデカブツが」


 ロックさんとボンバーは、早食い対決から始まって――。

 それなりに因縁の仲だ。

 とはいえ、あくまでそれなりなので、本気で憎しみ合っているわけではない。

 と、思う。

 放置でいいだろう。

 いつも、その内には収まるし。


 いがみ合う2人の横を抜けて、ブリジットさんが私のところに来た。


「おはよう、クウちゃん」

「おはようございます、ブリジットさん」

「今日もいい天気だね」

「はい」

「んき!? んき!?」


 いきなり手のひらを閉じたり開いたりして、ブリジットさんが奇声を上げた。


 なんだろか……。


 あ!


 わかった! そういうことか!


「今日も綺麗な手ですね!」


 いい手、んきんき!

 意味はよくわからないけど、さすがはブリジットさん。

 今日も好調だ!



 ――かくして今日も、私の工房は大賑わい。


 楽しい日々は、続くのでした!







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― 新着の感想 ―
〉いつから私の友人セラフィーヌさんは、こんなギャグキャラになったのか 割と初めから(*´・ω・)´-ω-)ウン
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