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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍発売中】  作者: かっぱん


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1311/1359

1311 かくして今日も






「クウちゃんだけに、くう! クウちゃんだけに、くう! クウちゃんだけに、くうううううう!」

「……えっと、どうしたの、セラ?」

「クウちゃんだけにぃぃぃぃ!」

「くう?」

「はい」


 たずねると、急に落ち着きを取り戻してセラはうなずいた。


 こんにちは、クウちゃんさまです。


 私は今、我が家であるふわふわ工房の店内にいます。


 マウンテン先輩が無事に合格した翌日、私は朝から店番をしていました。

 そして、昨日の約束通り、セラが遊びに来たのですが……。


 セラは私に挨拶した後、店内にいたファーにも言葉をかけて、私は束の間、セラから離れて棚の整理をしていたのですが……。

 いきなりセラが叫び出して驚いたのでした。


 幸いにも、まだ開店前。


 お客さんはいないのでいいのですが。


 ちなみにエミリーちゃんは、まだ出社していません。

 そろそろ来る頃だけど。


 フラウとヒオリさんは、ファーには負けてはいられないと、朝から熱心に奥の工房でぬいぐるみの生成に挑んでいる。


「ねえ、ファー。いったい、どうしたの?」

「おそらく、理由はこれかと」


 ファーが指し示すのは、ファーが襟につけた工房の社章だった。


「そうですー!」


 するとセラが全力で肯定してきた。


「クウちゃん! 酷いですよー! どうしてわたくしにはくれないのですかー!」

「え。だって、これは社章だよ……? うちの社員の証だし……」


 セラは違うよね。


「では、わたくしも社員になります」

「それは無理だよね?」


 さすがに。


「わたくし、今までも働いてきたではないですかー!」

「まあ、たまにだけね……」


 役に立ったことは……。

 ないけど……。


「クウちゃん」

「はい」

「わたくし、今日も全力で働く所存です。いえ、失礼。違いますね。こほん。ボクは今日も全力で働くのだ! だから社員にしてほしいのだ!」


 誰だー!

 なぜ、わざわざ気持ちを入れ替えて、謎のボクっ子になるのだー!

 その子は卒業したんじゃなかったのー!?

 したはずだよねー!


 と、私は大いにツッコミたかったけど、結局、負けました。


「……はい。これでいい?」


 セラの襟に社章をつけて差し上げました。


「ううう! やりましたー! ファーちゃん、わたくしもついに、ようやく、晴れて、ふわふわ工房の一員となれましたよー!」

「おめでとうございます、セラ」

「ありがとうござます! ありがとうござます!」


 セラが大いに感激していると――。


「おはようございます。あ、今日はセラちゃんもいるんですね」


 エミリーちゃんが出社してきた。


 セラは早速、自分も社章をもらえたことを自慢する。


「では、セラちゃん。今日は工房の仲間として、どうぞよろしくお願いします」

「もちろんなのだ! ボクも店員として頑張るのだ!」


 セラは元気いっぱいに力こぶを作って、やる気をアピールした。


 するとエミリーちゃんは……。

 いいんですか、これ?

 と言わんばかりの顔で、私の方に目を向けてきた。


 いや、うん。


 だよね。


 普段の言葉使いでいいのに、どうしてわざわざボクっ子になるのか。


「まあ、うん。よろしくね、エミリーちゃん」

「え?」

「私はちょっとヒオリさんたちの様子を見てくるからっ!」


 セラの指導は、エミリーちゃんに任せよう!

 その方がいいよね!

 私には、たぶん無理だし!


「さあ、エミリーちゃん。いいえ、エミリー先輩。ご指導をお願いします。お願いしますなのだ。ボクはまず何をすればいいのだ? 指示を下さいなのだ」

「えっと……。あの、クウちゃん……?」


 あははー!


 私はいったん逃げた!








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― 新着の感想 ―
エミリーちゃんのお説教タイム再び!?
迷惑なモード再来なのだw
この状態のセラさんをエミリーさんに押し付けて逃げるのはいかがなものかと。可哀そうすぎますよ。ある意味で上に立てるフラウさんとかヒオリさんならまだしも。まあエミリーさんは出来る少女なのでなんとかするので…
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