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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍発売中】  作者: かっぱん


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1239/1359

1239 昼間にゾンビ……?





 お昼のふわふわ工房にて。


 ランチ休憩中のエミリーちゃんに代わって私が店番をしていると――。

 カランカラン。

 心地よく鈴の音を鳴らしてドアが開いて――。


「クウ、ちゃぁぁぁん……」

「うわああ! ゾンビー! って、マリエかぁ」


 なんか、うん。

 外は明るく快晴なのに、どんより闇を背負ったお友達が現れて、私はあやうく椅子から転げ落ちるところなのでした。


「かぁ、じゃないよお。昨日はよくも置いていってくれたよねぇ。うらめしやぁ」

「幽霊!?」

「ちーがーいーまーすー」


「マスター、お客様も驚いていますので、まずは応接室にどうぞ」

「あ、うん。そだね」


 ファーに冷静に言われて気付いた。

 お店には、普通のお客さんが4人もいるんだった。


 というわけで。


 心配して奥から出てきたエミリーちゃんに大丈夫だよと笑いかけて、私はマリエと共にお店の奥の通路から応接室に入った。


「……で、えっと、ラシーダとは上手くいった?」

「クウちゃん」


 睨まれた!

 その後でマリエは深くため息をつくと、


「ラシーダ様は、ちゃんと大宮殿の客室で一泊なさいましたよ。明日の朝には護衛を付けて強制送還とのことです」

「かまー。かまかまかまま」

「……なにかな、それは?」


 にっこり睨まれた!


「いえ、あの。場を和ませようとカマ先輩のマネでね?」


 そかー。それはよかった、と。


「そういうのはいいからね?」

「あ、はい」


 ごめんなさい。


「ラシーダ様は来年、帝都中央学院に入学してこっちに来るから、その時には先輩として面倒を見てあげてね、蒼穹のスカイさん」

「いやそれはさすがに、幻影のミストさんの役割ですよね?」


 だって仲良しだし。


「残念だけど私、帝都中央学院の生徒じゃないので」

「頼んであげるよ! 陛下に! きっと、無試験で編入できると思うよ!」

「ふふ。それは遠慮しておくよ。裏口入学なんてよくないよね」

「たまにはいいと思うよ!」

「ふふ。ダメだよ、不正は」

「あははー。まあまあ、そう言わずにー」

「とにかくクウちゃん。明日の朝はラシーダ様のお見送りだからね? 大宮殿から迎えの馬車が来るから起きていてね」

「はい。ちなみに今日はどうしているの? マリエは一緒じゃなくていいの?」

「昨日は夜遅くまで一緒だったよ?」

「うん。そうだね」


 晩餐会にも出ていたしね。


「ラシーダ様のお相手は、今はセラちゃんがしてくれていると思うよ」

「セラも大変だ」

「蒼穹のスカイさんが手伝ってあげないとね」

「あはは。いえいえ、そこは幻影のミストさんにお譲りしますとも」

「お譲りされなくても、今日もこれから行く予定だよ」

「そかー。頑張ってねー」

「というわけで、続けてクウちゃん。もうすぐ馬車が来ると思うから、蒼穹のスカイさんとして準備をよろしくね?」

「え?」

「馬車はちゃんとここに来てもらうように頼んだから。任せて。当然だよね」


 さらに、にっこりされた!


「私、今日はお店を開けているんだけど……」

「クウちゃん、お店に要る?」

「要らない?」

「ふふ」

「ふふ」


 あははー。


 結局、マリエと一緒に大宮殿に行くことになりました。

 工房にはフラウとヒオリさんもいるし、お店のことに問題はないしね、実際。

 ラシーダとは楽しく遊べた。

 私たちとだけなら、素直でいい子なんだよね。

 第三者が入ると、幻影のミストさんへの敬愛が爆発して暴走しがちだけど。


 そして、夕方。


 私は帰ろうとしたけど、帰れなかった。

 皇妃様から夕食に誘われたのです。

 どうしても、料理長のバンザさんが私に食べてほしいということで。

 夕食は、ずらりと料理人に並ばれて、大変なプレッシャーの中で取ることになりました。

 私は頑張ってキチンと残さずにいただきました。


「美味しかったですよ」


 そう伝えると、料理人のヒトたちに泣かれて困ったけど。

 バンザさんなんて本気の号泣をしていた。

 まあ、うん。

 早めに解決できてよかった。


 さらにはその日は、大宮殿にお泊りとなった。

 もちろんマリエも一緒です。


 で、翌朝。


 たくさんの護衛に囲まれたラシーダをお見送りして……。


「おわったぁ」


 私はマリエと共に大きく息をついたのでした。

 こうして本当に、新年会はおわった。


 明日からこそ、平和な日常なのです!







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― 新着の感想 ―
丸投げなんてするからww
[一言] マリエのクウちゃんへの細やかな逆襲にワロタw マリエも只では転ばない娘ですね。
[一言] マリエさん強いですねーw
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