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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍発売中】  作者: かっぱん


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1206/1360

1206 大喜利大会の結果は……。





 私は解答をおえた。

 さあ、評価はどうかな……。

 私はドキドキと審査員たちの様子を窺った。

 カードが上がる。


 ◯、X、X。


 エミリーちゃん以外は、辛口でした。

 負けた……。

 私、クウちゃんなのに……。

 私、審判者を定めた者なのに……。

 クウちゃんだけにとヤマスバに負けてしまいました。


「ふわふわはクウちゃんらしいよねっ! ふわふわ!」


 エミリーちゃんが笑顔で論評してくれた。


「確かに。であるが、意味はよくわからなかったのである」

「そうですね……。残念ながら……」


 感じて!

 そこは、考えずに感じて!

 ドント・シンク!

 フィールだよ!


 と、私は言いたかったけど、ぐっと我慢した。

 評価は出たのだ。

 受け止めねば、ならないのだ。


「次のお題に移ります」


 ファーはすごいね。

 初司会なのにスムーズに進行してくれる。


「帝都の新名物を考えてください」

「はうううううううううううううううううううう!」


 問題が出た瞬間、セラが悲鳴を上げた!


「……どうしたの、セラ?」

「クウちゃん、帝都の新名物なんてクウバーガーに決まっていますよね……。だけどクウバーガーはすでに存在していて……。わたくし、クウちゃんだけにくうをする機会を見い出せません……。いったい、どうすれば」

「うん。普通の解答を考えようね?」


 ホントに。


「あ、思いつきました! わたくし、帝都の新名物を!」


 セラが手を上げた。


「セラ様、どうぞ」


「帝都の新名物……。それは、ズバリ! クウちゃん焼きです!

 時代は今――。

 『クウちゃんだけくう』から『クウちゃんをくう』へ!」


 セラが、とっても明るい声で言った。

 私は正直、引いた。

 だって、うん。

 セラの言い方じゃまるで、まさに私を焼いて食べるみたいだし……。


「あははっ! いいわね、それ!」

「そうだね。面白そうだ」


 アンジェとスオナの笑い声が聞こえた。

 審査員の判定は……。


 ◯◯◯!


 ウケたようだ。


「はいはいなの! それならイルもあるの! クウさまカラアゲ! 最高のカラアゲと最強のクウさまの合体なの!」


 ◯◯◯!


 えー。


「それなら私もあるわ。クウさまの土瓶蒸し。クウさまを閉じ込めて、ぐつぐつ煮てやるの……。ふふ、きっと美味しいと思うわ。ふわふわで」


 ◯◯◯!


 完全に拷問なんですけど……。


「それなら私も」


 マリエまで手を上げたぁぁぁ!


「私はクウちゃんなら、やっぱり、スイーツがいいなぁ。クウちゃんなら、ふわふわで甘くて美味しそうだよねー」


 やめてお願いっ!


 ◯◯◯!


 エミリーちゃんたちもノリノリでウケないでっ!


「さあ、あとはマスターです。どうぞ」

「え。私も?」


 自分で自分の料理を考えるの?


「パスされるなら、次に進みますが」

「あ、もちろんやります」


 うむ。


「じゃあねえ……。えっと……。私の料理かぁ……」

「帝都の新名物です」

「そう言えばそうだったね!」


 完全に誤解していたよ。

 気を取り直して私はネタを考えた。

 む!

 これだ!


 私は正拳突きの構えを取った!


「帝都名物! ていっ! ていっ! とん汁!」


 どや……。


 ていと。


 すなわち、てい、と、ん。

 それはとん汁。


 私はみんなの様子を窺った!


 反応は……。

 低い……だと……。

 評価は、XXX。


「残念ですが、とん汁は聖都名物な気がしますね……」

「わたしはクウちゃん焼きの方がいいかなぁ」

「である。クウちゃんには申し訳ないが、やはりクウちゃんこそが帝都の名物に相応しいのである」


 そ、そかー……。

 私、喜ぶべきなのかな、これ。


 この後も大会は続いた。

 私は、うん。

 ちょっと、とん汁でペースを乱してしまったみたいで……。

 いまいちウケなかったです……。

 結果……。

 10戦をおえて……。


「優勝はセラ様、準優勝はマリエ様です」


 ファーが結果を告げる。


「やりましたー!」

「ありがとうございました」


 セラが飛び跳ねて喜び、マリエは静かに一礼した。

 はい。

 セラが優勝ですよ。

 ほぼ、クウちゃんだけに、しか言っていないのに……。

 マリエだって、半分はヤマスバだったのに……。


 なんか、ね。


 なのに2人とも、ウケにウケまくってね。

 アンジェとミルは、キャッキャと笑っていたよ。

 アクアとスオナも、セラが「クウちゃんだけに」と言う度に、クスクスと肩を震わせていたし。


 おかしいよね、必死に考えた私が笑われないなんて……。

 定番ギャグ、強すぎるね……。

 大喜利大会なんて、もうやらねーよ!

 そう思いつつも私は、一応、頑張って笑顔で拍手をするのでした。






クウはとん汁と言っていますが、私はリアルではぶた汁派ですw


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― 新着の感想 ―
[一言] いや、滑りまくってたけど…(汗) 今の人が昔の漫才みて首傾げる様なもんでしょうけど、本気で面白いと思ってる彼女じゃぁ分からないのも仕方がないでしょうね…
[一言] 毎度企画を催すたびに率先して最下位を取りに行くクウちゃん様は企画者の鑑。
[良い点] ヒオリさんとフラウが意外と厳しく辛辣 [一言] 自分で言ってるじゃないか 「ドントシンク、フィール」 と そりゃあ考えに考えて出した回答は✕ですわー
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