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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍発売中】  作者: かっぱん


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1205/1360

1205 大喜利大会! 私が山に登った理由は……。




 これは、いかん。

 カラアゲに対して、まともな解答がない。


 大喜利大会をセラに蹂躙されないためにも……。


 ここはキチンと……。

 私が正しい解答を示さねば……。


「はい」


 私は手を上げた。


「マスター、どうぞ」


 では。


 いこうか。


「カラアゲかと思ったら石だったよ! 食うのこれ!? くえんよね!」

「まさに、クウちゃんだけにですね!」


 セラがかぶせてきたぁぁぁぁ!

 どっとウケたぁぁぁ!

 アンジェたちも笑っているうううう!


 上がったカードは、◯、◯、◯!


「マスター、3ポイントです」


 ありがとう。

 なんとなく複雑ではあるけど、まあ、いいか。


 しかし、いかん。


 クウちゃんだけになこの流れは、なんとしても断ち切らねば!


「はい」


 おおお!

 そこにマリエが手を上げたぁぁぁぁ!


「マリエ様。どうぞ」


 お願い、マリエ!

 断ち切ってえええええええええ!


 マリエは言った。


「ヤマスバ」


 と。


 え。


 私の時間が、一瞬、止まった。


 カードが上がる。

 ◯、◯、◯。


「マリエさん、3ポイントです」


「うむ。カラアゲの山だけに、ヤマスバ。よいのであるな」

「そうですね。今回はアリかと」

「山って素晴らしい。カラアゲの山も素晴らしい。つまりこれは、感動して食べられなかったってことだよね」


 フラウとヒオリさんとエミリーちゃんが論評する。


「よかったぁ。今回はちゃんと山だったし、いいかなあと思って」


 マリエがほっとしたように言った。


 私は時間を取り戻した。


 言われてみれば、今回はアリなのか。

 山つながりで。


 新春大喜利大会……。

 これはもう、このノリで進んでいくのかも知れないね……。


「では、次のお題を出します」


 第3問が始まる……!

 頼むよ、ファー!

 今度は、クウとかヤマとか関係ないお題でお願いね!


「マスターが山に登りました。何故でしょう」


 ファぁぁぁぁぁぁ!?

 クウ!

 ヤマ!

 どうしてピンポイントに来るのぉぉぉぉぉぉぉ!


「はい!」

「では、セラ様。どうぞ」

「クウちゃんだけに、くう! ために!」


 ◯◯◯!


「はい」

「では、マリエ様。どうぞ」

「ヤマスバ」


 ◯◯◯!


 駄目だこれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!

 ウケてるしぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!

 まあ、うん。

 定番のギャグっていいよね!

 わかるけどさ!

 私にも、にくきゅうにゃ~んがありますし!


「はいなの! やっとコツがわかったなの!」

「では、イル様。どうぞ」

「カラアゲを食べるためなの!」


 XXX。


「なんでなのー! カラアゲは最高なのになのー!」


「ふふ。イルはまだまだね。――はい」

「では、キオ様。どうぞ」

「クウさまが山を登る理由なんて決まっているわ! 私は知っているもの! バカと煙は高いところが好きなのよ!」

「は? おい、誰が煙だって?」

「え。あの……。クウさまはバカの方よね……?」

「は?」

「ふえ。うえーん! うえーん! クウさまが睨んだぁぁぁぁぁ! 私、ちゃんと言ったのにー!」


 おっと、いかん。


「ごめんごめん。なーてねー。怒ってないからねー」


 私はキオの頭をよしよししてあげた。


「ぐす。ぐす」


「それで、あの、店長……。評価はしてもよいのでしょうか?」

「あ、うん。ごめんね、お願いします」


 ◯、◯、◯。


 なんか同情票のような気がしなくもないけど、おめでとう。


「ふふー。さすがは私ね! イル、どう?」

「ううう! 悔しいなの! キオに負けるなんて!」

「あっはっはー!」


 まあ、うん。

 キオの機嫌が戻ってくれたから、よしとしよう。

 家の中で嵐を起こされたら大惨事だし。


「あとはマスターですが、いかがされますか?」

「はい。やります」


 私が山に登った理由、か……。

 それは……。

 なんだろう……。

 クウちゃんだけに、くうために……か……。

 絶景のために、すなわち、ヤマスバ……。

 いかんいかん!

 それでは、セラとマリエに、完全にかぶってしまう!

 私はそう――。

 もっと正しい大喜利をせねば!

 正しい笑いで、みんなのことを導かねば!


 よし……!


「私が山に登った理由――。

 それは――」


 静かな緊迫感の中、私は口を開いた。


「ふわっとね! ふわっとするためにかな!」


 私は行ったんだよね!

 きっとね!

 だって私、ふわふわのクウちゃんですし!


 私は軽く浮かんで、そう元気に答えた!





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― 新着の感想 ―
[一言] 〉なんか同情票のような気がしなくもないけど、おめでとう。 欽ちゃんの番組を思い出しますねー。 あの仮装番組の(苦笑)
[一言] まさかのテンドンw たしかにクウちゃんはアホよりバカの方だよね
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