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私、異世界で精霊になりました。なんだか最強っぽいけど、ふわふわ気楽に生きたいと思います【コミカライズ&書籍発売中】  作者: かっぱん


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1201/1359

1201 大激突? マリエvs大精霊!





「あ、そうだ、マリエ。ちょっといい?」

「変なことじゃなければいいよー」

「変なことじゃないよー。ほら、幼女2人を眠らせたままだったからさ、起こして来ようと思ってねー」

「行ってらっしゃい」


 マリエが爽やかな笑顔で言った。


「マリエも行こ」


 私はマリエの手を取った。


「なんで?」

「だって、その方が面白そうだよね?」

「ねえ、クウちゃん」

「どうしたの、マリエ」

「変なことじゃないよね?」

「あははー。変なことじゃないよー。起こすだけだしー」


 というわけで。

 マリエと一緒にイルとキオを起こしに行った。

 イルとキオは客室のベッドの中で、それはもう気持ちよさそうに、すやすやと眠りについていた。


 2人にかけてあった『昏睡』の魔法を解除する。

 すると2人は、すぐに目を覚ました。

 パチクリと瞬きして、可愛らしい童顔で私のことを見上げる。


「おはよ」


 私は笑いかけた。


「よくもやってくれたわねえ! 風の槍よ、我が敵を貫けえええええ!」

「水の怒りを思い知れなのおおおおお!」


 いきなり襲いかかってきたぁぁぁぁ!

 まあ、はい。

 幼女たちの攻撃は、指で弾き飛ばしましたけれど。


「やるなら表に出ようかー。ふふー。もう許さないからねー?」


 私は笑いかけた。


「な、なによ! 先に襲いかかってきたのはクウさまなのに! どうして私たちが消えるみたいにー!」

「なの! なのなのなのー! 理不尽なのー!」


 宙に浮いた2人が抗議してくる。


「3人とも、そこまで」


 マリエが両手を広げて、間に割って入った。

 動きが止まったのを確認してから、マリエは私に顔を向けた。


「クウちゃん」

「はい」

「こんな小さな子たちを相手に、いきなり暴力はよくないよ」

「いや、あの、」


 この2人、100歳とか400歳とかなんですけど。

 と私が言うより先に、マリエは今度は、キオとイルに言葉をかけた。


「怖かったよね。もう大丈夫だからね」


 マリエ的には、うん。

 優しさだよね。

 ところが。


「はぁー!? おまえはいったい何様なのよ!? 上から目線で偉そうに! ただのおっぱいちゃんの分際で!」

「なの! なの! おっぱいちゃんのクセに生意気なの!」


 はい。


 イルとキオが逆上しました。


「え、あの……」


 さすがのマリエもこの反応は予想していなかったようだ。


 ちなみに今日のマリエは、体にぴっちりとしたセーターを着ている。

 なので確かに、おっぱいちゃんではあった。


 大きさだけならアンジェもだけど……。

 アンジェはジャケットを着ていて、そんなに目立っていないしね。

 まあ、この部屋にはいないけど。


 ともかく。


「……マリエ、わかってくれたかな」


 私は優しく、マリエの肩をポンと叩いてあげた。

 うん。

 この2人には言うだけ無駄なのだ。

 やるしかないのだ。


「でも、暴力は駄目だよっ!」

「ならどうするの?」

「それは、アレだよ、アレ」

「アレって?」

「そう。アレ……。いつもの勝負でいこう! 新春一発芸大会!」

「おお!」


 その手があったか!

 私はやる気になったのだけど。


「ふふーん。この私に挑もうというの、おっぱいちゃん!」

「なの! 受けて立ってやるの、おっぱいちゃん!」


 なぜかキオとイルの敵意はマリエに向いていた。


「あのお、クウちゃん……」

「頑張ってね、マリエ!」

「さすがに、おっぱいちゃんは、やめさせてほしいんだけど……」

「あ、うん」


 だよね。


「2人とも、この子はマリエ! 名前で呼ぶように! 確かにおっぱいは大きいけど身体的な特徴で人を名指しするのは駄目です!」


 私はすぐに命じた。


「わかりました、クウちゃんさま! 勝負よ、マリエ!」

「マリエをやっつけるなの!」


 キオとイルが勇ましく声を上げる。


「あのお、お2人とも、喧嘩していたのはクウちゃんだよね?」

「何を言っているのよ。アナタは馬鹿なのね? クウさまと喧嘩して勝てるわけないでしょ。ほんの少し抗議してみただけよ」

「なの! ちょうどいい生贄が現れたから、かわりに退治して、すっきりしてやるなの!」


 キオとイルが、堂々、情けないことを宣言した。


「あのお、クウちゃん……」

「頑張ってね、マリエ!」


 ちゃんとマリエになったし、これで問題はないよねっ!


「クウさま、審判をお願いね」

「うん。リョーカイ」

「あのお、クウちゃん……。審判なら審判者の私が……」

「今日は新年だしねー。審判者はお休みの日だよー」

「そういうものなんだ?」

「うん。そうだよー。だってマリエって、ぷんくらとんだよね?」

「懐かしいね、そのネタ! まだ生きてたんだ!?」

「あははー」

「でも、そうだよね。わかった。せっかくの新年だしね、みんなでやろうか。もちろんクウちゃんもやろうね」


 さすがはマリエ!

 素早く気を取り直してくれた!


「うん。もちろんだよー」


 実は最初から、審判だけのつもりもなかった。

 やるやら私もやる。

 むしろ1番にやる。

 それは当然のことだろう。


 かくして。


 新年最初の大勝負の幕は上がった!





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― 新着の感想 ―
[一言] だがマリエさんは気付いてない…結局は巻き込まれてるって事を あとおっぱいちゃん呼びの訂正を失敗してますよね? クウさんも其処は認めた上で流して隠してる感じだし
[一言] マリエさん、胸部装甲が厚い方でしたか。そういう描写あったかな。割と子供のイメージだったのですが。 しかしマリエさん、本当に世界の調停者を名乗ってもよさそうです。精霊姫と大精霊の諍いをなだめ、…
[一言] 変なことではなく激大変なことだなw まあクウちゃん様だと一蹴されるからなあ 頑張れおp、マリエ
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