第53話 魔王
魔王をさくっと倒します。本作品は基本、魔王どうでもいいストーリーなのです
俺達は辺境から魔王城を目指した
途中何人もの魔族が立ちはだかったが、全て撃退した
そして、魔王城へ辿りついた
魔王城は人、いや、魔族はいなかった。おそらくもう俺達を阻む魔族はいないのだろう
魔物はいたが、魔族と魔物ではでは力のレベルが違う
今の俺達にとって、魔物は既に敵ではなくなっていた
魔族や古龍、それだけが、俺達の敵となり得る
俺は既にレベル90に達した。イェスタもだ
エリスとアルベルティーナもレベル85になった
そして、魔王が座すと思われる部屋の扉を開けた
そこには、漆黒の魔族がいた
そして、
「良く来たな、勇者よ。名を聞こう」
「俺は勇者では無い」
「お前は魔法使いだろう?
私はそこの剣士に聞いている」
「私は従者イェスタ、虚数魔法使い様の従者です」
「なんと、では、勇者は堕ちたか?」
魔王は虚数魔法使いの事を知っているのか?
「魔王よ、虚数魔法使いを知っているのか?」
「知っておる。勇者堕ちる時、虚数魔法使いが目覚める、と、
魔族に語り継がれておる」
勇者が堕ちる時、虚数魔法使いが目覚める?
俺は勇者のスペアか?
「全く、お前達人間は我らにとって災厄じゃ、
我らが力をつけると、勇者や虚数魔法使いが現れる、
我らが何をした?
我らは主らを食らったりはせぬぞ」
「あなた達は存在自体が人類の敵なのです。あなた達がこの世界で力を得ると、
私達人間の世界のネイピアの均衡が崩れます
だから我らはあなたを倒さなければならない」
さすが、アルベルティーナ、俺達が何故、魔王を倒す必要があるか知っている
さすが、正義厨
「やはり、知っておるか。では、戦うのみだな」
「はい、女神様より託された戦いです。覚悟を」
エリスは何故そんな事を知ってるのだろうか?
『魔王よ、さっきの問いに答えてなかったな、
俺の名前はレオンだ、お前のおかげで、俺の幼馴染と妹が死んだ
お前は死刑だ』
俺達は一斉に動いた
イェスタが『エクスカリバー』を、エリスが国王より下賜された『ミュルグレス』を、
アルベルティーナが国王より下賜された『アヴァロンの杖』をかざす、
俺はアリシアが使っていた『一期一振』を鞘から抜いた。王はこの刀の所有を許してくれた
戦いは5時間にも及んだ。魔王は少しづつ、力を削がれた
そして、
「我が敵を滅ぼせ『ダムド』」
俺の無属性近距離魔法が魔王の腹の中央にある核を捉えた
魔王の黒い核が壊れると、突然、魔王の体にヒビが入った
そして、魔王の体は細かい粒子となり、キラキラと輝き、消えていった
「終わったのか?」
「勝ったのね」
「レオン様勝ったんですか?」
「レオン殿、流石です」
俺達は勝利した。魔王を封印するのでは無く、滅した
何故虚数魔法使いは魔王に勝利できるか?
俺は判った。魔王にはほとんどの属性の魔法が効かない
アルベルティーナの攻撃魔法はほとんど効果がなかった
魔法使いは、援護のみ、
そして、エクスカリバーも、ミュルグレスも、『一期一振』も、
魔王の核を破壊出来なかった
唯一、効果があったのは俺の無属性魔法だった
第5の魔法だけが、魔王の核を破壊できる手段だったのだ
こうして、俺達は魔王城を後にした
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