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第48話 聖紋(アリシアとベアトリスの処刑)

目が覚めると既に二人は逝っていた。俺は悲しみを抑える事ができなかった

目が覚めた。ここは?


 そうだ、二人は?


「ここは何処だ?」


見知らぬ豪華な装飾がされた部屋


「気がついたか?


 そろそろ目が覚める頃と思っておったら、やはり」


そこには賢者マリアがいた


「ここは何処ですか?」


「私の屋敷だ」


「あれから何日経ったんですか?」


「1週間だ」


「二人は、二人は?」


「二人の刑は執行された」


「......」


「そ、そんな、何故マリアさんは俺の意識を奪ったんですか?」


「お前はあのままでは不敬罪となっていた。それに、何をするかわからん」


「二人には会えないのですか?」


「......


 もう、この世にいないのだ


 それと、私はレオンに詫びなければならない」


「何故ですか?」


「二人の刑が執行された折、天に聖紋が顕現した」


「聖紋?」


「女神様の怒りの現れだ。無実の罪の者が害された時、現れると言われている


 国王が誤断し、無実の者を死罪とした際に出るものだ


 4年ぶりだ。王は私に調査を命ぜられた」


「何を調査したのですか?」


「二人の事、そしてエリアスとエリアスのこれまでの悪行、


 大変な事実がわかった」


「どんな事実......なのですか?」


「エリアスは『魅了』の魔法を使っていたのだ


 『魅了』の魔法とは禁忌の魔法、人の心を自由に操る魔法


 魅了状態の者は全ての思考、感情をコントロールされる


 人の意に反する行動、愛する人をさえ殺してしまう事させてしまう魔法、


 だから、禁忌の魔法として、忌み嫌われ、禁止されている魔法だ


 私もまさか、実在するとは思わなかった


 私はエリアスに『スカウター(対象者のステータスを覗き見る魔法)』の魔法を使った


 彼には間違いなく、『魅了』の魔法を有していた


 そして、剣豪アリスは『魅了』の状態異常のステータスだった」


俺の目はこれ以上とは言えない位、開いていただろう


「では、アリシアとベアトリスは?」


「そうだ、無実だ。それに、お前を裏切ってなどおらん、


 二人はエリアスの犠牲者だ」


「そ、そんな」


『そんな事ってあるか?


 そんな事あっていいのか?


 エリアスだけが死罪になれば良かったじゃないか?』


突然、マリアは腰を折って、俺に頭を下げた


「すまない。すまない、エリアスの為に、エリアスが」


俺はマリアの行動がわからなかった。悪いのはエリアスだ。マリアではない


「レオン、私を抱け」


「何を言い出すのですか?


 マリアさん」


俺はマリアの言動に驚いた。一体何を言い出すんだ?


「私がエリアスの幼馴染だとわかってもそう言えるか?」


「エリアスの幼馴染?」


「私とエリアスは幼馴染だ


 私達は15才の頃まで一緒に遊んだ。屋敷を抜け出して、街で遊んだ幼馴染同士だ」


「だからと言って、エリアスにとって、女性は物に過ぎないのでしょう?


 今までのあの男の所業を見れば、わかります」


「私だけは違うんだ......」


マリアは涙を流していた


「一度だけ、晩餐会であいつにあった。あいつは私だと気づかず、私を自室に誘った


 そして、あの時のマリアだと言ったら、エリアスはあの白々しい笑顔でも、


 あの悪辣な顔でもない。本が好きな、大人しい性格の、あの頃のエリアスの顔になった


 エリアスは私を抱かなかった。私が愛の告白をしても抱いてはくれなかった


 エリアスは言った。自分の中に、一つだけある綺麗なものを汚したくないと」


「だからと言って、マリアさんを汚していい理由にはなりません」


「エリアスはきっと、悔しがるぞ?


 復讐できるぞ?」


「復讐は復讐しか呼びません。いつか、あなたが言った」


俺はマリアの気持ちがわからなかった。だが、マリアさんのエリアスへの気持ちはわかった


 だからと言って、マリアさんが俺にそこまでして詫びる必要はない


 エリアスの罪はエリアスの罪だ。マリアさんの罪ではない


「マリアさん。あなたに罪はありません。俺にはエリスがいるのです。困ります」


「ああああああ、いっその事、私をめちゃめちゃにして欲しい、


 エリアスがああなったのは、私達のせいなのだから」


一体、マリアさんとエリアスに何があったのか?


「エリアスは街の平民ではなかった。私と同じ、貴族、


 そして、エリアスの家と私の家は仇敵だったのだ


 そして、4年前、私の家がエリアスの家を陥れた


 エリアスの家の者は皆、死罪になった


 エリアスだけは勇者のタレントが判明して命が繋がった


 エリアスの両親も妹も処刑された」


「マリアさん......」


「私の家がエリアスをあんな化物にしたんだ


 私達が悪いんだ」


俺はわかった、エリアスを包んでいるものの正体に、


 それは、かつて俺を包んだ、あのドス黒い復讐という名の黒い霧


 俺の霧はエリスやみんなが晴らしてくれた。だけど、エリアスは......


「それと、奴隷の子、エリス、あの子も私達の幼馴染だ」


俺は意外過ぎる事実に驚くばかりだった


 エリスがエリアスの幼馴染......

注意:島風の取説、島風はコメント欄を見ない事にしました。自身のメンタル守る為です。この種の小説は人間の感情のデリケートな部分を扱っている為、様々なご意見を頂きますが、島風は結構、傷つきます。その為、せっかく感想を書いて頂いたのに、返信致しません。失礼は重々、承知しておりますが、それは島風のメンタル崩壊中とご理解頂き、失礼をご容赦頂きます様お願いします

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読んで頂いた読者様ありがとうございます☆ 本作について、 「ちょっと面白かった!」 「島風の新作を読んでみたい!」 「次は何を書くの?」 と思って頂いたら、島風の最新作を是非お願いします。リンクがありますよ~☆ 読んで頂けると本当にうれしいです。 何卒よろしくお願いいたします。ぺこり (__)
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― 新着の感想 ―
[一言] 魅了についてはそうとしか思えない言動が多数だから良いですが、まさかマリアやエリスが勇者の幼馴染とは想定外でした。
[気になる点] 今まで黙ってましたが、唐突な聖紋でなんだかなあと。 取り敢えずこの作品の神は自らの意思で行ったことでないなら無罪という扱いなんでしょうしそれ自体は一つの考えとしてありです(無論生まれた…
[一言] これマリア殺さなきゃざまぁになんないな
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