第46話 レオンvsエリアス
遂に勇者エリアスと激突する事になった。勝てるか?
「まさか俺様が直接戦う事になるとはな、
貴様、一体何者だ?
イェスタがエクスカリバーを持っていたとしても、
あの能力はなんだ?」
「俺がイェスタにクラス4「虚数戦士」のタレントを与えたんだよ」
「ばかな、そんな事は聞いた事がない」
「じゃあ、どう説明する?」
『違いないな。嘘を言う理由がない、
だが、貴様を殺せばいいのだろ?』
俺が死んだら?
そうか、俺が死んだら、虚数戦士のタレントが無くなる可能性があるか......
「それはどうかな」
「やってみればわかる」
『ちっ』
俺は心の中で舌打ちをした。例え、俺が負けても、イェスタがエリアスを倒す、
そう思っていた。だが、俺が死んで、イェスタが元のクラス3のルーンナイトだけに戻ったら?
『死ねない』
俺は決意した。俺が負けると、みんな死んでしまう
「レオン、お前は正気なのか?」
「ああ、俺はお前と違ってまともだ」
「勇者の俺様に勝てるとでも思っているのか?」
「思っているさ、たかが勇者ごとき」
「貴様、気がふれているのか?」
「いや、至ってまともだ。冷静に勇者ごときに遅れを取る事は無い。そう思っているだけだ」
「貴様、勇者の力思い知らせてやる。たかが荷物持ちの分際で」
まんざらハッタリでもなかった、実際、俺の方が有利だろう
『加速II』
エリアスの姿が消えた。いや、スピードが速いだけだ。スキル『魔力検知』で位置は把握出来る
「弾よ 敵を撃て 『アンセム』」
中距離攻撃魔法『アンセム』を放つ
「無駄だー」
エリアスは今度は本当に消えた
『!』
後ろに魔力反応大、空間転移スキル、当然エリアスだ、振り向きざまに、
「『ダムド』」
「ギャャャー」
エリアスの悲鳴が上がる。近接攻撃魔法『ダムド』をまともにくらった様だ
『俺様の手が手が』
エリアスは見苦しく泣き叫んだ
「お前がおとしめた人達の苦しみはそんなものじゃないぞ」
「俺とお前らでは、身分が違う」
「何を言ってる。お前も平民出身だろう?」
「俺は勇者だぞ。100年に1回しか現れない、勇者だぞ」
「レオン殿は1000年に1度しか現れない、虚数魔法の使い手だ」
イェスタがエリアスに事実を突きつける
「エリアス、いい加減にしろ。お前では俺には勝てない」
事実だろう、エリアスの動きは完全に把握できた
「そんな事を認めてたまるか!」
『加速II』
『!』
エリアスは俺では無く、アリシアの方へ!
「貴様ー」
俺は思わず叫んだ。エリアスは一番近いアリシアを斬るつもりだ
仲間なのに、おそらく俺の隙をつく為に、
『斬』
俺はアリシアを庇い、エリアスの一撃を受けた
「つぅ」
俺はエリアスの剣をまともに受けた
「何故だ?
何故俺の一撃を浴びて生きてやがるんだ?」
『お前の剣の威力が足らんだけだ!』
俺には魔法障壁IIIのスキルがある。エリアスの剣をもってしても対したダメージではない
『アリシアはお前の仲間だろう?
貴様の血は何色だ?
それとも精子が流れてるか?
お前に生きる資格は無い
逝って来い、大霊界!』
『駄目です。レオン様』
俺の耳にエリスの声が響いた
『死んでいい人間なんていない』
『人を殺すレオン様は怖くて嫌いです』
エリスの言葉が思い出された
俺はエリアスを魔法「ダムド」で粉々にしようとしていた
それを、エリスに心を見透かされた
「今だ、死ね」
エリアスが一瞬躊躇した俺に斬りかかる
だが、
『斬』
俺は、ショートソードを抜き放ち、エリアスの胴を凪いだ
エリアスの動きなど、遅くて話しにならない
エリアスの体は上半身と下半身に半分に切り裂かれた
『どすん』
エリアスの下半身が倒れる。上半身は既に地に落ちている
「ちくしょう、ちくしょう。俺様が何故こんな」
エリアスは尚も生きていた。勇者はこれ位では死なない
「俺にしか魔王は封印出来無い事を忘れるなよ」
「エリアス、お前は裁きを受けろ。少しは虐げられた人の気持ちを知れ!」
俺はエリアスに自身の置かれている立場を思い知らせた
みんなが勇者エリアスを冷たい目で見下げた
そして、俺はアルベルティーナに怪我人へリザレクションをかけてもらいながら、
レベルドレインの魔法を使った。これで、勇者パーティは全員レベル1、冒険者以下だ
俺はアリシアを見た。アリシア、昔のアリシアに戻ったアリシア
アリシアは俺を裏切った。だが、今は俺を好きだと言った
そして、エリスの存在を知り、身を引いた。自分に資格が無いからと言って
俺は幼馴染がまともになった事に安堵した。後は裁きを受けて更生して欲しい
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