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第27話 アルベルティーナとイェスタの従者契約

アルベルティーナとのキスは俺の役得としか思われないだろうが、エリスへの後のケアを考えると、俺、被害者だよな......

俺はアルベルティーナの屋敷でアルベルティーナとイェスタの従者契約を行う事になった


「本当にいいのですか?」


俺は改めてアルベルティーナに聞いた


 彼女はファーストキスらしかった。本当にいいのかな.....


「かまわん。かまわん。好きなだけ吸っていいぞ」


アルベルティーナは気さくな人柄ではあるが、少々貴族らしからぬところがある


 だが、見かけはなかなかの美少女だった


 サラサラで輝くような長く艶やかな金色の髪、睫毛の長い切れ長の目の奥には赤い瞳が潤むように佇んでいる


 俺の周りには今までいなかったタイプだ


「では準備しますね」


俺はそういうと魔法陣を描き始めた


 しかし、少し術式の記憶が曖昧だ


 例の本は奴隷として売られた時から行方知れずだ


 おぼろげな記憶を頼りに魔法陣を描き終えた


「では、準備出来ました」


「うむ、よろしく頼む」


と、言うとアルベルティーナは少し頬を赤らめた


 俺はちょっと困った。無駄に可愛い仕草にドギマギしてしまった


気を取り直して「では、魔法陣の中へどうぞ」


「うむ」


俺とアルベルティーナは魔法陣の中に入った


 俺は最初に従者の魔法を唱えた


 従者の魔法はそれ程難しいスペルではない、全て記憶している


 問題があるとすれば、恐らく魔法陣の方だろう


「では、契約をします。いいですか?」


「あ、いや、いきなりは......私も乙女なのでな


 出来れば、『愛してる』とか言ってからキスしてくれないか?」


アルベルティーナはますます訳のわからない要求をしてきた


「アルベルティーナ様はひょっとして私の事をお好きなのですか?」


「いや、全然」


どっと疲れが・・・


「わかりました。あくまで恋人同士がする”体”でするのですね」


「そうだ。やはりシチュエーションは大事だぞ


 せっかくのファーストキスなんだから」


アルベルティーナはお気楽に言う


 俺がこの後、どれだけエリスに気を配らなければいけないか、考えて欲しい


「では、行きますよ」


「その、行きますよとかいらない。愛してます、的なところから頼む」


本当に注文が多い貴族さまだ


「アルベルティーナ、愛してる」


俺がそう言うとアルベルティーナは目を閉じた


 アルベルティーナの唇にキスする


 普通、俺が役得とか思われるんだろうな......


 むしろ被害者なんだが......


 キスを終えるとアルベルティーナが再び苦情を訴えた


「初めてのキスが、なんであんな簡単に終わるのだ


 気分が台無しではないか」


知らないよー


「いや、それはいいので、ステータス確認してください」


「わかったのだ」


アルベルティーナはステータスの魔法で自身のステータスを確認した


「何も変わっておらんぞ?」


俺は、ここでうっかり失言してしまった


「やはり、魔法陣が不完全だったかな......」


「何!じゃあ、もう一回だな」


アルベルティーナはあっさりそう言い放った


 それからも契約は上手くいかず、おかげでキスは10回に達している


 キスをする度にアルベルティーナは色々と改善を要求してくる


 おかげで、魔法陣を考察する時間よりも、キスの考察時間の方が長くなったくらいだ


「そろそろ頼むぞ、私も折角のファーストキスをフツメンに捧げたんだから


 これでタレントを貰えなかったら、私は不幸だぞ」


アルベルティーナはかなり失礼な奴、いや、女の子だった


 そして12回目のキスで、ようやく契約は成功した


「おっ、来たー、タレント虚数戦士」


アルベルティーナが嬉々として騒いだ


「本当ですか?


 ちょっとステータスを見せてもらってもいいですか?」


 俺たちはアルベルティーナのステータスを覗きこんだ


アルベルティーナ


『タレント』

「虚数戦士Lv1」

「ウォーロックLv10」

『ジョブ』

「魔術士Lv10」

『スキル』

「加速」

『魔法』

「ヒール」回復少

「ハイヒール」回復中

「クリア」状態異常解除

「フレアアロー」火攻撃魔法


「アルベルティーナ様ってウォーロックのタレントを持ってたのですか?」


俺は思わず呻いた


 アルベルティーナがウォーロックのタレント持ちだったとは・・・


「そうだ。なんでそんなことを聞く?」


「そんな優秀なタレント持ってるのに何でわざわざ契約を?」


「正義を実行するにはもっと力がいるからな。その為にはフツメンとキス位はするだろうが」


「なんか、俺、かなりディスられている様な気がするのですが......」


「これだけの美少女とキス出来るんだ。それ位我慢しろ」


アルベルティーナはどうも口がかなり悪い様だ


 俺はエリスに助けを求めた。しかし、エリスはプイっと向こうを向いてしまった


 あー、エリスが怒っている。当然だ


 恋人が目の前で散々チュッチュしてたんだからな、好きなら一層腹もたつだろう


「ごめん、エリス、この埋め合わせは必ずするから」


「レオン様、ひどいです」


「エリス、ごめんって」


「後で、後で私にもいっぱいキスしてくださいね」


アルベルティーナが驚いた様な顔で俺に呟く


「嘘、まさかお主たち付き合ってるのか?」


普通、気づかんか?


「とにかくアルベルティーナの従者契約が終わったので、次は私の番だ」


イェスタが契約を督促した


 まあ、幸いアルベルティーナのおかげで1回ですみそうだ


「わー、イケメンとフツメンのキスか、これはかなり萌えるな、グ腐腐」


アルベルティーナは相変わらず失礼な奴だった。もうこいつは奴でいい


 そりゃ、イェスタはいかにも王国の騎士という風貌で、さらに端正な顔立ちをしている


 俺はフツメンの上位。これでも村ではイケてる方だったのに......


 という訳で、イェスタと従者契約は一回で終わった


「早くステータスを見せよ」


アルベルティーナが急かす


 イェスタがステータスを見せてくれた


イェスタ

『タレント』

「虚数戦士Lv1」

「ルーンナイトLv76」

『ジョブ』

「聖騎士Lv72」

『スキル』

「加速」行動速度UP

「幻影」回避率UP大

「探知」生命反応探知

『武技』

「シュバリエアーツ」

『魔法』

「ヒール」回復少

「ハイヒール」回復中

「クリア」状態異常解除

「フレアアロー」火攻撃魔法

「フリーズブリッド」氷攻撃魔法

「アローレイン」水範囲攻撃魔法

「ストーンブリッド」土攻撃魔法

「ウィンドカッター」風攻撃魔法

「フレアエンチャント」火属性攻撃UP付与

「アイシクルエンチャント」氷属性攻撃UP付与

「ストーンエンチャント」土属性攻撃UP付与

「ウィンドエンチャント」風攻撃属性UP付与


とんでもないステータスだった


 流石に一人でドラゴンを狩ると言うだけの事はある


だが、もっととんでもない事を言う奴がいた。アルベルティーナだ


「なあ、男同士のキスに萌えたのでなー、もう一度やってみてはくれぬか」


「「やるかー!」」


俺とイェスタの声がハモる。普段は冷静沈着なイェスタも流石に突っ込んだ


「アルベルティーナ様、勘弁してください」


「あら、私も見てみたいな」


と、エリスの低い声が聞こえた。エリス、なんて事を


「ねえエリス、お願いだから」


俺はエリスを涙目で訴える様にみた


 しかし、エリスの目からは光が消えていた


 エリスがの目が怖い、闇落ちしてる。これ絶対、意地悪しようとしてるでしょ


「レオン様、私の為ならしてくれるでしょう?」


「わ、わかったよ」


「あの、レオン、私の意思は?」


イェスタが俺と同じ様な涙目で訴える


 俺は彼を犠牲にする事にした


 許してくれイェスタ。俺はエリスには逆らえないのだ


「イェスタ、すまん、主としての命だ」


イェスタは俺が命令すると絶対に逆らえない


「そんな、レオン殿、それはずるい」


イェスタは流石に抵抗した


「イェスタ、頼むから俺とエリスの為に、いや俺のために耐えてくれ」


俺、何言ってるだろう?


そうして俺はイェスタと更に10回、熱いキスを交わした。トホホホ

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[一言] 腐ってる女子が身近に2人もいましたね。
[気になる点] 実質的ハーン領主は2君に仕えるって、反逆罪モノだと思うよ。しかも平民の従者だ? シュツットガルト公とかに利用されるネタでしかないし。 実質的領主かつ貴族の娘が、こんなんで継子のくせ前に…
[良い点] 令嬢が残念過ぎるwwww [気になる点] 公爵サイドが私兵を出してる場合、 盗賊の体を装ってる少数の傍に部隊が隠れて待機してる可能性も ……ないか。襲撃対象の戦力をある程度把握して襲って…
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