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少女ロロの事件記録手帳  作者: 烏丸牙鳥
合い言葉は「RED」
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合い言葉は「RED」、その後の話

――あの後。

「教育」を受けた2人の女性は、蘇生措置から回復し、割と素直に罪を認めた。

 というのも、あの女教師風が、警察に囲まれることで完全にびびってしまい、テログループと化した「RED」……「アンチ雪の女王軍」の主犯を吐いて、アジトまで教えてしまったのだ。

 その後、警察の捜査で、「RED」は完全に包囲され、壊滅させられた。


 また、テログループとしてではなく、あの派手女の吸っていた「ジッパー」、つまり麻薬を裏で売りさばいていたことと、グループ内でもジッパーを頻繁に使っていたことから、麻薬取り締まり法違反でも罪に問われるそうだ。


 私たちが隣人の別荘に入り浸って、しかもノース地方での違法である画像転移を使っていたことは、罪には問われなかった。が、学園側にはしっかり通知が行ってしまい、新たに「反省文20枚」が私たち部員に追加された。もちろん、その頃人質にされていたシュント先輩以外に、だが。


――そして、私たちは。


 事件のことを記事にすると、それもまた、瞬く間に売れた。

 なので、調子に乗って次の定期新聞で1000部を刷り上げたのだったが、500部、300部と、回を追うごとに定期購読は減っていき、ついには200部となった。……まあ、それでも、元々が100部だったのだから、マシにはなったのだが。


 また、入部希望者もぐんと増えて、一時は50人ほどになったのだが、部長のあの感じと、最初の説明会で「レミたんが見れないなんて、私は報道部やめゆ!」とくねくねしているセロン先輩を見て、何か感じる物があったのか、最終的に元の5人しか残らなかった。


「きー!なんでよお!なんでえ!?」

 部長はそうわめいていたが、そもそもあなたにカリスマも人望もないんですよ、と面で向かって言える人が、セロン先輩以外にはいなかったし、そのセロン先輩は録画した魔法少女アニメを観ることに熱心だったので、教える人はいなかった。


 というか、まず最初に新入部員に「パン買ってきて」というのはまあいいだろう。しかし、「やっぱ揚げパンじゃなくてチーズパンの気分だからそれ要らない。もう一度買ってきて」を何度も繰り返すのは人としてどうだろう?と思ったりする。




 一ヶ月後、私たちは式典に臨んでいた。

 部長は、一張羅らしい黒のセーラー服と、またあのビロード地のマントを羽織って式典に参加していた。正直、ドレスコードに引っかかるのでは?と思ったのだが、一応、一番の功労者ということで、見逃して貰った感は否めない。


 雪の女王は、雪のように真っ白な肌と、尖った耳と、美しい紫がかかった髪を持つ、一見30代半ばくらいの年齢の女性だった。

 しかし、話によれば、女王はもう実年齢は80歳らしい。女性として、その美の秘訣を聞いてみたいものだが、そもそもエルフ族系の女性としては、80歳はまだ若い方なので、秘訣を聞いても実践はできないと気がついた。


 何人かの偉い人が賞状や勲章を貰うと、次は私たちの番だった。

「セントラル地区、NW魔法・武術学園、報道部の皆さん」

 そう、司会に呼ばれて、私たちは壇上に上がる。

 

「今回の働きは、よくよく聞きました。とても素晴らしい功労をなされたようですね。学生さんの、勇気と知恵に感謝いたします」


 女王から、そう声をかけられ、一人一人、握手をしていただいた。

 握った手は、とても柔らかで、まるで赤子のような手でもあった。


 賞状は、当然のように部長が受け取った。

 ……が、賞状を受け取りの際に、緊張しすぎて両手と両足が一緒に動いていた部長は、長いマントに足をかけて、女王の正面に立ったところで、その場ですっ転んだ。

 しかも、真後ろからこそマントで見えなかったが、側面からでは、スカートがめくれ上がって、おそらくこの日のために選んだであろう、ヒョウ柄のショーツが丸見えであった。


 ……ヒョウ柄って!攻めすぎだろ部長!と、私は思わず心の中でツッコミを入れた。

 もちろん、正面からの女王にも見えたであろうが、さすがノース地区を治める雪の女王、眉一つ動かさず、「大丈夫ですか?」と体を折って部長に声をかける余裕すらみせた。


 部長は、慌てすぎて「だだだだだ大丈夫ですう!」と叫んだが、その拍子に獣人の証である「第三の耳」と称される犬のような、猫のような耳が出てしまい、「何かあったのか?」と会場をざわつかせ、さらに顔を赤くしていた。


「……そういえば疑問だったんですけど、部長って何の種族です?犬?猫?」

 と、会場から出たところで聞いてみたのだが、

「犬う!?猫お!?そんな家畜と一緒にしないでくれるう!?私は狼よお!」

 と叱られてしまった。独自のポリシーがあるらしいが、狼なのにヒョウ柄のショーツが勝負下着って、自分の種族に誇りを持っているのかいないのか、私にはわからない。



「おい、お前ら、報道記者が集合写真撮るって言ってるぞ、並べ!」

 黒のスーツ姿のマシタ警部が言う。そこには、マスコミがカメラを構えていた。


「ははん!私の笑顔を取りに、愚民共が集まってるわあ」

「やめなさい、聞かれたらゴシップにされるわよ」

 

 そんなやりとりを経て、私たちは、賞状を掲げて笑顔を作った。


 賞状は、それから報道部部室の片隅に保存され、夕日を浴びて柔らかに輝いて見えた。

ご愛読ありがとうございました。次作は、こちらの作品はちょっとお休みを頂きます。

新作として、おにショタとおねロリのやおいと百合小説を適当に投稿しますので、よろしければそちらも読んでくださると嬉しいです。

また、機会があったらお会いしましょう!ではでは。

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