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少女ロロの事件記録手帳  作者: 烏丸牙鳥
愛の殺人
20/42

通り魔事件の再来!?

 セロン先輩から、「今日は早く帰って良い」と言われ、私は、とりあえず顔見せだけで帰ることにした。ウィバー部長は、ぶうぶう言っていたが、セロン先輩から、

「後は私がなんとか言っておくから」

 ということだった。


 教室に戻ると、キジャモとシャンテが待っていたので、「明日からは待たなくて良い」と告げて、私たちは帰ることにした。


「えーっ!?ロロちゃん、報道部に入っちゃったんだ!?」

 キジャモが驚いて言う。シャンテは、「ああ、そうなんだ。どうりで遅いと思った」とだけ言った。

「じゃあ、3人で帰るのも最後かも……しょぼん」

 キジャモが、そう口で言って、がっくりと肩を落とす。

「あたしも部活入ろうかな-。陸上とか面白そうだなあ。球技は苦手だからさー」

 と、シャンテも加わる。

「ええっ!?シャンテちゃんまで部活入っちゃうの!?一緒に帰ろうよ-!」

 というのは、キジャモである。

「キジャモ、お前はちょっと甘えすぎ。ロロだってあたしだって、もちろんキジャモだって、入りたい部活あれば入れば良いさ」

 と、シャンテがキジャモをなだめた。


「部活かー。考えたことなかったな-。一人で帰るの寂しいし、私もどこかに入ろうかな-」

 キジャモが考えながら言う。

「一緒に報道部入るのはどう?私も、知り合いいた方がやりやすいし……」

 と、一応キジャモに告げてみると、

「報道部ね-。ロロちゃんと一緒っていうのは魅力的だけど、あそこ、評判悪いんだよ!」

 と、とんでもないことを言われる。

 ……多分、その評判悪いのは、大方ウィバー部長のせいだと思います。


 そんなこんなで、私たちは寮に着くと、シャンテと別れて、私とキジャモの部屋に戻った。


 部屋の中は……カオスだった。酒の缶ではないが、ジュースの空き瓶が転がっており、そこに麻雀卓を無理矢理置いたのか、部屋の中央部分だけ四角くゴミがなくなっている。その説明でわかるとおり、後はゴミの山だ。


「……キジャモ、ゴミ袋持ってきてくれる?」

 そう聞くと、キジャモは、「ロロちゃん、やってくれるの?優しい!」とは言ったが、もう何回このやりとりをしたのかわからないくらい、私が後片付けをすることになっていた。


 そんなこんなで、夜。


 ようやく、頭の中にトラストが戻ってきた。一旦呼び出して、1~2日しないと、ディレイが解除されないらしい。ディレイの説明は、マナツさんがしてくれたけど。


『ロロちゃ~ん!俺の活躍が増えるのかねえ!ロロちゃんあんまり呼び出してくれないから、寂しかったんだぜえ~~?』

(ごめん、トラストにはあんまり頼らずに行きたかったんだけど……)

『いいっていいって。水くさいこと言うなよ~。ロロと俺は一心同体じゃねーか!ぎゃははは!!』


 トラストはそう言うが、私は正直、「これで良かったのかな」とも思っていた。

 しかし、トラストがあまり気にしていないことを知ると、少しほっとしたのだった。


 その夜は、そのまま休んだ。


――次の日の放課後。


 私は、部活棟2階の、報道部部室の前に立っていた。軽く二回ノックすると、「失礼します」と声をかけて中に入る。


 すると……。


「キャー!レミたん負けないで~!!がんばえ~レミた~ん!!」

 と、黄色い声が響いていた。何事かと思って見ると、パソコンの前で、セロン先輩がアニメを観ている。しかも、魔法少女もので、幼児向きのアニメだ。

 室内を見ると、男性2人はコピー機で新聞を刷る作業をしており、窓際の一番大きなスペースを取っている部長用デスクには、苦い顔をしたウィバー部長が座っていた。


「ウィバ-せんぱ……部長?セロン先輩は良いんですか?あれ……」

 と、私が聞くと、ウィバー部長は苦い顔のままで、

「週に1回、あれをしないと、セロンは作業に取りかかれないのよお」

 と言ってみせた。


 ……あの優しくて正義の味方のセロン先輩は、どうやら重度のアニメ好きだったらしい。


「それよりっ!これから取材に行くから、ロロは付いてきて!」

 そう、ウィバー部長に言われ、私は、「?」を出す。

「何の取材です?」

 と、私が聞くと、ウィバー部長はにやりと嫌な笑い方をすると、

「通り魔の取材に決まってるでしょお?私たちは、ここのところずっと、通り魔の事件を追っていたのよお!」

「でも、通り魔って、もう逮捕されたんじゃ……」

「と思うじゃん?でも、逮捕されてからが勝負なのよお!本人に面会して、色々と聞き出すのよお!」

「へえ、本格的なんですね。じゃあ、面会予約とか取りました?」

「ん?」

「面会予約」

「何それ、必要なの?」

「…………」

 この人、アポなしで犯罪者に直接会えると思ってたんだ……。

 

「とりあえず、容疑者に会う前に、今日はアポ取りましょう」

「え?直接行くの?電話とかネットとかでちょちょいと取れないの?」

「そんなんで取れてたまりますか。住民票の写しを取るんじゃないんですよ」

 現在、うちの都市では、犯罪者に面会する場合、書類に住所氏名などを記入して、あらかじめ前日に提出することになっている。間違っても、ウィバー部長のように、アポなしで行ってはいけない。


「じゃあ、予約とって……」

 と、ウィバー部長が言いかけたそのとき。

「ロロ!ここか!?」

 と、部室のドアを開けて飛び込んできたのは、キジャモとシャンテだった。


「どうしたの……二人とも……」

 そう私が聞くと、二人は息を切らせている。キジャモは、顔が真っ青だ。

「ブエルちゃんが……ブエルちゃんが、通り魔に殺されたんだよ!!」

 キジャモがやっとそう言うので、私は戦慄する。


 ブエルが……殺された?通り魔に?通り魔は捕まったはずなのに……!?

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