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少女ロロの事件記録手帳  作者: 烏丸牙鳥
はじまりの物語
15/42

ラブホですか?

ちょっとだけ女の子同士の性描写あり。

――そこは、確かにホテルだった。

 ホテルとは、宿泊施設のことだ。そんなこと、皆わかってるとは思うが……果たして、「ご休憩」のあるホテルって宿泊施設と言えるのだろうか?


「ここよ」

 マナツさんにそう言われて連れてこられたのが、その類いのホテル。いわゆるラブホだった。

「ラブホって、女同士で泊まれるんですか?」

 私が聞くと、マナツさんは、「少なくとも止められたことはないわね」と答える。


 ……ふ~ん。誰かと来たことあるんだ……。ふ~~~ん。


 しかし、中に入ってから、私の憂いは吹き飛んだ。

 マナツさんの選んでくれた部屋は、白いシーツに金の縁取りがされたベッドが置いてある、まるでテーマパークのような部屋だった。ラブホは、どちらかというと女性に好まれることがコンセプトなので、毒々しいピンク色の部屋というものは過去の遺産となったらしい。

 シャワー室と浴槽は、鏡張りで丸見えだが、元々マナツさんとの間柄はいまさら裸を見られたくらいで恥じらうわけではないので、別に気にしない。


 それに……

「うわ、夜景綺麗……」

 私が窓の外を見ると、歓楽街のネオンがちかちかと光っており、まるでホタルの里のようだと思った。


「ロロ。お酒でも飲みましょう。お楽しみは後からでもいいわ」

 マナツさんが、早速プシュッとチューハイの缶を開け、大きなソファにくつろぎながら飲んでいる。その様は、まるでどこぞの王族のようでもあったが。

「……いただきます」

 私も、缶を開けると、お酒に口を付けた。そういえば、マナツさんと一緒にこうして飲む機会がなかったな、と思い返す。


「……ロロ。頭の中の男は、今はどう?」

 と、マナツさんが聞いてくるので、私は、トラストに話しかけた。……だが、返事がない。

 それを伝えると、マナツさんは、少し考えたふりをする。


「それは……召喚士が、自分より格上の幻獣を召喚したときに似てるわね。MP切れで、短時間の、しかも一度召喚した後にディレイが来るの」

 私は、「で、でぃれい?」と聞き返す。なんか、バンドの名前みたいだ。

「ああ、ごめんなさい。ディレイっていうのは、『この魔法使ってる間は他の魔法使えませんよ』ってことね。反動ともいうわ。ともあれ、ロロの頭の中の男……トラストは、ロロの体を触媒に使って召喚されていることになるわ」

 そうまとめると、マナツさんは、長椅子の自分の隣をぽんぽんと叩く。「ここに来なさい」という合図らしい。

 私が、ソファを移動すると、マナツさんは、ぎゅっと私を抱きしめた。


「ロロ、今、興奮してる?エッチしたい?」

 マナツさんの赤裸々な言葉に、私は「え、エッチって……」と言いよどむ。

「私はしたいわ。久しぶりに怪人と戦闘したし、高ぶってるのよ」

「ま、ま、待ってください!そもそも、魔獣と幻獣と怪人の違いがわからないのですが!」

 すっと私の服の裾から手を入れてこようとするマナツさんに、私は聞いた。エッチは嫌いじゃないし、むしろ、す、好きな方だけど、これを聞いておかないと後で忘れると思ったのだ。


「まず、魔獣ね。これは、純粋に、現在人間とされている種族……人間、エルフ、オークなどの人型の種族に害を与える、魔界からやってきている獣のことを指すわ」

 マナツさんは、私の耳を食む。

「次に、幻獣。これは、魔獣とは別で、出所が不明でも、人間に害をなさない・むしろ好意的な種族の獣を言うわ」

 マナツさんが、私のお腹を撫でる。

「最後は、怪人ね。一説には魔獣や悪魔と人間とのハーフとも言われてるけど、人間以上の身体能力や魔力を持ち、人間で遊んだり、時には害をなすことも、逆に幸運をもたらすこともある、いわゆる都市伝説なんかの人型をしたものをそう言うのよ」

 マナツさんが、更に先に進もうとしたので、私は、「待ってください!シャワーを浴びないとさせません!」と抵抗した。


「ん、もう。メスの匂いを嗅ぎながらガツガツするっていうのも一興なのに。まあいいわ。そうね、汚れたし、シャワーを浴びて、お風呂に入りましょうか」

「メスの匂いって……」

 私は、クンクンと自分の体を嗅いだ。もしかして、体臭がにおうのかもしれないと思ったのだが、マナツさんがそれを見て、「大丈夫、臭くないわよ」と言ってくれる。


「というか、さっきの説明だと、怪人ってかなりランクが上のような気が……それをあれだけで倒しちゃうマナツさんって……」

 と、私が言うと、マナツさんは、

「私も、伊達や酔狂でナンバーワンやってるわけじゃないのよ」

 と、ウインクしてみせた。


 その後、私とマナツさんは、獣のように交わった。

 まるで、尾をかじり合う蛇のように、私はマナツさんに、マナツさんは私に、溶けていく。


「マナツさん、今度は私がしたいです」

 と、私が、弾む息を隠せないままでいると、マナツさんは余裕そうに笑い、

「本当に?じゃあ、サービスして貰おうかしら」

 と、答えた。


 思い返せば、戦闘の後はいつもこうだった。

 この間のように、泥のように疲れているのに眠れなかったり。戦闘後は、アドレナリンが大量に分泌されるので、性欲も同時に高まる、とはどの本か、ケータイで読んだかは思い出せなかったが。


 私たちは、そのまま朝まで交わり続けていた。

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